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大エルミタージュ美術館展 記念講演会レポート

2017年09月04日

 7月1日より開催している大エルミタージュ美術館展も間もなく終盤。すでに10万人の方々にお越しいただいております。

 さて、今回は展覧会の関連イベントとして催された二つの記念講演会についてレポートします。

 7月22日に開催された一つ目の記念講演会は、本展監修者で、成城大学名誉教授の千足伸行先生による「名画と出会う日:エカテリーナ2世とエルミタージュ美術館」です。

 千足先生は名古屋に巡回した過去の2回の大エルミタージュ美術館展(2006-07年、2012年)の監修者でもあり、エルミタージュ美術館の膨大な絵画コレクションに精通されているのはもちろんのこと、長きにわたりエルミタージュ美術館と深い信頼関係を築いてきた方です。本講演では、エルミタージュ美術館のコレクションの成り立ちや展覧会の出品作について、じっくりと1時間半ほどお話しくださいました。

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 また本展覧会の図録には、論文として「オールドマスターの世紀:バロックからロココへ」と「コレクターとしてのエカテリーナ2世とその周辺」をご執筆くださいました。いずれも本展をより深く理解するうえで欠かせない内容が論じられています。

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 さらに8月19日には、二つ目の記念講演会として大阪大学名誉教授の生田美智子先生に「エカテリーナ2世の時代――光太夫のみたロマノフ王朝」という題名で講演をいただきました。

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 両氏の講演会の題名にも登場するエカテリーナ2世は、エルミタージュ美術館のコレクションの礎を築いた18世紀後半のロシア皇帝です。大黒屋光太夫は現在の三重県を拠点として、同時代の江戸後期に活躍した船頭で、当時ロシア領だったアラスカ沖の島に漂着し、ロシアを横断して首都サンクトペテルブルクでエカテリーナ2世に謁見、交渉の末に帰国の船を出させたという驚くべき日本人です。日本史の授業でその名を耳にした方も多いのではないでしょうか。本講演会では、『大黒屋光太夫の接吻 異文化コミュニケーションと身体』の著者でもある生田先生に、光太夫が未知の国ロシアで発揮した類稀なコミュニケーション力や、彼が見た18世紀後半のロシアについて詳しくお話をいただきました。

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 愛知県美術館では学芸員による解説だけでなく、ゲストをお呼びした多彩なラインナップの講演会などを開催しております。さまざまな分野の専門家たちが、それぞれの視点で愛知県美術館の展覧会やコレクションについて語ってくださいますので、ぜひチェックしてみてください。(K.K.)