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 愛知県美術館では、7月1日(土)より「大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」がスタートし、早くも1カ月が経ちました!

 すでに多くのお客様にご来館いただいております本展ですが、ここでは6月末に行われた展示作業をレポートしたいと思います。

 最初に本展について簡単にご説明しておきますと......

 本展のタイトルに聞き覚えのある方もいらっしゃるかもしれませんが、実は「大エルミタージュ美術館展」が名古屋で開催されるのは今回で3回目になります。過去には2007年と2012年にお隣の名古屋市美術館にて開催されています。といってもエルミタージュ美術館には、絵画だけでも1万7000点ものコレクションがあるので、ネタが尽きるなんてことはありません。

 

 今回のテーマは「オールドマスター」です。オールドマスターとは、16世紀から18世紀を中心とする巨匠たちのことで、これらはまさにエルミタージュ美術館の核となるコレクションです。出品作85点は全てエルミタージュ美術館の常設展示作品で、またその約半分は美術館の礎を築いた18世紀後半のロシアの女帝、エカテリーナ2世の在位中に集められたもの。古くからエルミタージュ美術館に所蔵され、美術館の顔として展示されてきた作品なのです。

 さて、それだけ貴重な作品を輸送・展示することになるので、借りる側の日本の美術館はもちろん、貸す側のエルミタージュ美術館も慎重になります。エルミタージュ美術館とは展示構成だけでなく、事前に壁の厚さなど細かな点まで確認を行いました。

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 仮設壁を設置する様子。重い作品にも耐えられるよう、通常よりも板の厚みを増してあります。

 展示作業には本家エルミタージュ美術館から3名のクーリエ(輸送・展示作業などの監督者)がいらっしゃいました。彼らは作品を開梱してコンディションをチェックするだけでなく、展示などの全ての作業を監督します。特に大型の作品の場合は、作業前に流れを確認し、ロシア側、日本側の双方が安全と認める方法で作業を行います。

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 比較的小さな作品はテーブルのうえに載せて、1点1点細かくコンディションをチェックしていきます。

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 クーリエに見つめられて作業するのは緊張しそうですが、作業員の方々にとっては慣れたものでしょうか。

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 大きな作品の展示は作業員の方々が総出で行います。

 どういった展示方法が最も安全かという判断は伝統や習慣によっても異なるので、海外のクーリエと意見が食い違うことも。しかし双方でしっかりと議論し、両者が納得した上で作業するのが重要です。数日間のピリピリした(?)展示作業を経て、ようやく会場が完成します。

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 最後に照明の調整を行い完成です。

 会期は9月18日(月・祝)までですので、ぜひこの機会に会場でエルミタージュ美術館の名品の数々をご覧ください。なお同時開催のコレクション展では、先日受贈いたしましたバルテュス《白馬の上の女性曲馬師》も展示しております。こちらもぜひお見逃しなく!(K.K.)