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 10月17日から始まる「ライオネル・ファイニンガー展」のポスターが街に貼り出されています。すでにご覧になった方もいらっしゃるでしょうか?
 よーく見ると右下にQRコードがついています。携帯で「ぱしゃっ」とやれば、モバイル版の愛知県美術館サイトに飛ぶことができます。すごい!(といいつつ私の携帯電話はQRコード読めない機種だということに気付きました…)。

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▲こういうやつです。


 インターネットの分野ではどんどん新しい試みがなされていますが、美術館がそういう技術をうまく活用している例は、まだまだ少ないのが現状です。ブログもQRコードも既に新しいとは言いがたいですし、もっともっと面白いことができそうだな、やれることはどんどん模索していかなければならないな、と実感しています。

 8月に行ったパフォーマンスのイベントでは、Ustream.tvTwitterいうサイトを使って、映像と位置情報を全世界同時配信するという実験をこっそりやっていたのですが、そのような試みを大々的にお知らせするにはもう少し時間がかかりそうです。

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あ、QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。
(KS)
 

 愛知県美の看板作品、グスタフ・クリムトの《人生は戦いなり(黄金の騎士)》は、5月から8月末日までイギリスのテート・リヴァプールで開かれた展覧会Gustav Klimt: Painting, Design and Modern Life in Vienna: 1900に出かけてお留守でした。

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▲テート・リヴァプールの外観

 海外の美術館などと作品を貸し借りする場合、所蔵館の人が輸送や展示作業などに立ち会うことがよくあり、その人たちをクーリエ(courier)といいます。このたび私がクリムトをお迎えに行ってきましたので、裏方の仕事としてちょっと詳しくご紹介します。

 9月2日朝セントレアを発ち、飛行機と鉄道を乗り継いでリヴァプールに着いたのは22時半頃(日本時間3日6時半)。翌朝さっそく仕事です。ビートルズ誕生のこの市は世界遺産に登録された港町で、テートはドックにある古い煉瓦造りの倉庫を改造した美術館。展示室の壁の上にも煉瓦が見えます。《黄金の騎士》は黒く塗られた壁にカッコよく飾られていました。日本からもう1点の貸出者、豊田市美術館の学芸員K氏も点検・梱包作業中。

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▲展示の様子

 テートの保存担当者と一緒に絵と額縁を懐中電灯で照らしながら、貸出し時に作った調書と見比べて新しいキズや絵具のひびなどがないことを確認。壁からはずした作品を包み、輸送用のクレート(木箱)に収めます。箱の中は作品を衝撃や空輸時の温湿度変化から守るため、紙・ウレタンやスポンジのクッション・木製内蓋・発泡スチロール板・断熱防湿シート・摩擦防止シートなどで何重にもなっています。現地の習慣では、クレートも作品も立てたままで作業をするよう。なるほど、キャンバスがたるんでいる場合などは立てたままがよさそうですが、今回はクッションの中に作品をグイグイ押し込んだりしないよう、収納時には水平に寝かせてもらいました。

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▲木箱に収納された《黄金の騎士》

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▲収納完了!

 ただ今開催中の「タイムスケープ」展には、さりげなく名品の数々が展示されています。サム・フランシスシャガールから、奈良美智杉本博司などのコンテンポラリー・アーティストまで幅広く「時間」というテーマのもとでご紹介しています。
 とは言え、いくら素晴しい作品でも「どこがどう良いのかわからないんですが…」という人は必ずいるもの。
 そこで特別に「アートの切りふだ」という美術鑑賞キットを作ってみました。

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  「現代アートってなんでこんなに難しいの?」「自分でも簡単に作れてしまいそうな作品があるのはどうして?」といった疑問に、カード形式で分かりやすく答えています。しかもバック型で持ちやすい!
 全員に無料で配布しているので、ぜひ、手にとって楽しんでください。

(FN)

 夏の猛暑も和らいできた今日この頃、秋の訪れを感じるようになりました。秋といえば、芸術の秋!というわけで、日本各地の美術館では様々な展覧会がオープンしています。
 そんななか、京都国立近代美術館で始まった「生活と芸術―アーツ&クラフツ展」の開会式に出席してきました。この展覧会は、愛知県美術館で来年6月12日―8月16日に開催を予定しています。展覧会は同じ内容でも各会場によって趣向が異なるので、京都でご覧になられた方も、ぜひ当館にも足をお運びください。

 それでは、展覧会の様子をいち早くご報告!

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↑展示室入り口 展覧会のロゴがとてもユニーク

 アーツ&クラフツとは、デザインや工芸の分野でも芸術性を求めた運動で、19世紀のイギリスで始まりました。

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↑自宅で使いたいと思うような、かわいいデザインの食器

 展覧会の見どころは、家具や壁紙、ステンドグラス、食器などを配置して当時の室内空間を再現しているところです。

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↑展示風景

 展覧会といえば、グッズも楽しみのひとつ!
 今回はイギリスらしい小物など、かなり充実しているので、期待度満点です!
 またこの展覧会に関連して、「Life&Art」というキャンペーンをしています。そこでは日常生活でアートを楽しむコツを提案しています。芸術は難解だと思っている方、ぜひこのウェブサイト(http://www.asahi.com/la/)に遊びに来てください!ちょっとした工夫や気持の持ちかたしだいで、アートは身近なものになるはずです。
(MRM)

 

  「ライオネル・ファイニンガー展 光のクリスタル」(10月17日-12月23日)の前売券が発売中です! それぞれ当日料金から200円引きの、一般1,000円、高大生700円で、当館チケット売り場、ぴあ、コンビニなどでお買い求めいただけます。

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 現在開催中の横須賀美術館では、ファイニンガー展は盛況のよう。次会場の当館では、ファイニンガーの最高傑作の一つ《ゲルメローダXIII》もメトロポリタン美術館からやって来て展示に加わります。さらには、初期の油彩画の重要作品《緑色の橋》と、それに基づいて制作された同名の版画(当館所蔵)を、当館では隣り合わせて展示します。これが可能なのは、片方の版画を自ら所蔵している当館ならでは! また、皆様お馴染みの《夕暮れの海I》も当館に里帰り。ファイニンガー展、ぜひお見逃しなく!!

(TO)

 東京六本木の国立新美術館で好評開催中の展覧会「アヴァンギャルド・チャイナ―〈中国当代美術〉二十年―」が、大阪中之島にある国立国際美術館を巡回したあと、来年の4月から愛知県美術館で開催!

 

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▲国立新美術館

 ということで、先月国立新美術館での展示作業に立会ってきました。額に入った絵を展示する一般的な展覧会と違い、映像作品やインスタレーションの作品がいくつもあるので、愛知での展示までに解決しなくてはならない問題がいろいろあることがわかりました。ひとつは電気の問題です。愛知県美術館の展示室は、たくさんの映像機器を同時に使うようなことを想定して設計されていません(電気の容量が足りん!)。そこで国立新美術館のように配電盤から展示室に太いケーブルを引き込むような事前の工事が必要になってくるわけです。

 

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▲映像機器の配線中

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▲老人の横顔

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▲充電中の老人たち

これはスン・ユァン+ポン・ユゥの作品《老人ホーム》です。精密な老人の人形が、展示室内を動き回ります(作家のサイトで動画が見られます)。

おまけ:展覧会タイトルにある「当代」は中国語で、日本語では「現代」の意味です。

(HF)

 「タイムスケープ」展、ただの現代アートの展覧会ではありません。見どころを一言で表すと、大昔の作品と現代に作られた作品が、両方とも楽しめるところです。現代アートに素朴で懐かしい味わいを発見したり、逆に、日本の伝統様式が新鮮に見えたり...。普通の時間感覚をちょっとだけ揺るがす展覧会です。

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↑手前はキキ・スミスのオブジェ《セイレン》です。後ろには不動明王! 

しかし、まあ、そんなこと抜きにすれば、この子が個人的には一押しです。《木造獅子座》と言いまして、室町時代生まれなのですが、くりっとした目とむちっとしたお尻が何ともかわいい!家で飼いたいほどです。

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 展覧会、こんな感じでどうぞ気軽にご覧ください。

(FN)

 愛知県美術館はこの秋、「ライオネル・ファイニンガー展 光のクリスタル」を開催します(10月17日-12月23日)。横須賀美術館・愛知県美術館・宮城県美術館を巡回するこの展覧会は、ファイニンガーの日本初の回顧展として非常に注目を集めていています。
 それで先日、すでに展覧会の始まっている横須賀美術館に視察に行ってきました。平日だったにもかかわらず、お客さんの入りはかなりのものでした。
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 会場では、横須賀の担当学芸員に、新聞連載漫画や木製玩具など、目玉となるファイニンガー作品の展示方法についてとても参考になるアドバイスをいただきました。それらを活かして、横須賀に優る美しい展示を実現したいと思います。どうぞご期待ください!
(TO)

 公式サイトの方ではなかなかお伝えしにくい学芸員の日常や、展覧会の準備などの裏方のお仕事をピックアップしていく予定です。乞うご期待!

 早速ですが、いま開催中の展覧会をご紹介します。

1.JPGのサムネール画像

 まず「タイムスケープ―もうひとつの時間―」。
当館のコレクションを中心に、これまでなかなかお見せする機会のなかった現代美術作品に加え、茶陶や考古遺物、書など幅広い展示となっています。小学生からご年配の方まで楽しめる内容になっていますので、夏休みは終わってしまいましたが是非足を運んでみてください。

2.JPGのサムネール画像

 もう一つは「片岡球子展」。
歴史上の名だたる人物たちを描いた《面構》シリーズの迫力を存分に味わえる貴重な機会です。
愛知県立芸術大学との共催で、芸術資料館にも多数展示されていますので、そちらも必見です!(詳しい情報はこちら→愛知県立芸術大学特別企画 片岡球子を偲ぶ展

(KS)