2009年02月12345678910111213141516171819202122232425262728

白手袋と黄袋

2009年02月28日

  白手袋(しろてぶくろ)は短く略して白手(しろて)とも呼んでいます。
  直接素手で作品を取扱うと、汚れや手跡が残ることや、サビなどの原因になることがあります。そのような可能性が懸念される場合には、白い綿手袋を付けて作品を取扱います。手袋を着けることで手が滑りやすくなったり、手袋の繊維が作品に引っかかったりして逆に作品を傷めてしまう危険がある場合や、指先の微妙な感覚が必要とされる作業には白手袋は使いませんが、他の美術館などからお借りした作品を取扱う場合は、所蔵先と相談して作業時に白手袋を着用するかしないかを決めています。
thmnl_shirote.jpg

↑ライオネル・ファイニンガー展(2008年10月17日?12月23日)展示より

  一方の黄袋(きぶくろ)とは、素描や版画作品を箱に入れて収納する場合に使う袋。その大半が黄色の布で出来ています。
thmnl_kibukuro1.jpg

↑黄袋は作品より少し大きめ。口の部分を折り返して箱に入れます。

  黄色の理由は、昔から黄色の染料として使われていたウコンに防虫効果があったからとも言われています。黄袋に使用されている黄色染料の種類やその防虫効果については不明ですが、額縁や額縁に装着されているガラスやアクリルの傷を防ぐことができ、振動や温湿度の変化を緩和する効果もあります。
thmnl_kibukuro2.jpg

↑いろんな黄色、いろんな大きさの黄袋があります。色はともかく、大きさは作品(額の寸法)にあわせて作られています。

  白手袋も黄袋も作品に直接触れるもの。白手袋が黒手袋になる前に、黄袋が茶袋になる前に、洗濯して繰り返し使っています。(作品への影響に配慮し、洗濯には蛍光剤などの添加物が少ない洗剤を使用しています。)
  そして、お洗濯にご協力をいただいているのは愛知県美術館友の会サポート部会の皆さん。お洗濯だけでなく、手袋の縫い目のホツレや黄袋の破れなど繕いまでして下さっています。いつもありがとうございます。

(MI)

 愛知県美術館には木村定三氏とその遺族から3000点をこえる収集品が寄贈されましたが、美術館ではこのコレクションを「木村定三コレクション」と名付け、各研究機関や専門家の方々のご協力を得て調査研究や整理、管理運営を進め、必要な保存処置と並行しながらその公開に努めています。展覧会や雑誌などでも紹介されることが多くなりましたので、皆さんの中にも各地の美術館の展覧会や各種の出版物で「木村定三コレクション」という言葉に触れたことのある方たちもおられると思います。

 コレクションの寄贈以来、さまざまな調査研究、保存科学的調査研究、それらに基づく登録管理を進めてきましたが、そうした活動に伴って種々の資料が集められ、作成されて、その数も年々増えてきました。担当されている方たちの努力の賜物でしょうか、作品カード、写真フィルム・紙焼、状態記録、保存処置記録や各種写真、類似作品の資料や写真など、関連する資料は増え続け、キャビネットから溢れてしまうほどでした。

 今度新しくキャビネットを追加して、これまで溢れていた資料を整理していくことになりました。追加に伴い担当の方たちのデスクの配置換えもしました。これまで整理してきたキャビネットの数は倍になりましたが、整理して行くとすぐにいっぱいになりそうです。

thmnl_P1010307.jpg

↑新しいキャビネットの搬入の様子

thmnl_P1010296.jpg
↑以前の資料保存

thmnl_P1010309.jpg

↑キャビネット搬入後。資料整理場所が増え、スッキリ!

 さまざまな方たちの協力の下、今後も寄贈者の遺志に応え、美術館の活動をより広く行っていくためにも、木村定三コレクションの調査研究を進めていこうと思います。

(HK)

  展覧会では作品を展示する支持体(壁や台)が必要です。愛知県美術館の多くの展示室には構造体としての壁のほかに可動壁があり、それを動かして区画を作ることができます。チャイナ展(通称)の場合、作家ごとに必要なスペースがかなり違うため、簡単に可動壁で区画を作るわけにはいきません。可動壁を使うとだいたい同じ面積の区画になってしまうからです。
  チャイナ展の展示計画の最大の問題は、先行して展覧会が行われた(行われている)国立新美術館と国立国際美術館より、愛知県美術館は展示に割けるスペースがずっと狭いこと。いつもは所蔵作品展で最初に入る展示室4やその入口の前室1と呼ばれる部分、さらにいつもレームブルックの彫刻が立っているラウンジや、ショップ前のロビーまで使ってなんとか収める計画です。
  どの作家の作品をどこに配置するか、思案を重ねながらいろいろと案をつくった結果、Ver.5でやっと決着を見ました。一昔前は、100分の1の縮尺の展示室の図面に鉛筆と定規を使って書き込んでいましたが、一点作品を動かすだけでその壁全体の作品を書き直さないといけないという面倒くささがありました。今はパソコンを使うので、移動も簡単(何年か前にパソコンでそれをやり始めたのは、何と一番年長のM館長!です)。thmnl_イラストレーターで作った平面図2枚.jpg

↑イラストレーターで作った平面図

それでも、この展覧会では映像用のブースを7つも作らないといけないし、壁もいくつも立てないといけないので、平面図だけでは空間的な感じがいまいちつかみきれません。そこで、ホコリをかぶっていた企画展示室のマケット(立体模型)を引きずり出し(形跡から、最後に使われたのが2002年の「中西夏行展」)、パネルを切って壁を作ってみました。想定していたよりも高さが必要な壁があることが判明!!

thmnl_企画展示室のマケット.jpg

↑企画展示室のマケット


  チャイナ展では、通常は所蔵作品展の入口になっている所がチャイナ展の入口になり、なんと順路が逆回り!どうしてそうなったのかというと、楊福東(ヤン・フードン)の映像作品は、通常の企画展で最初に入る部屋(展示室1)しか適当なスペースが取れず、この作品は2006年の近作なので、最初よりも最後に見せたい...展示する場所を変えられない以上は順路を逆にするしかないということになったわけです。このような試みは初めてなので、お客様にはとまどわれる方もいるかもしれませんが、逆に新鮮味を感じさせてくれるのではないかと期待もしています。

(HF)
 

最後のご紹介は、高校生が対象のプログラム。高校生を限定に対象としたワークショップを実施するのは、初の試みでした。

「鉛筆デッサンをしよう。」
25日(日)13:00から16:00 対象:高校生 参加人数:33名


高校生を対象としたプログラムでは、その名の通り鉛筆デッサンをしました。まずは作品を鑑賞し、その後、作品模写と静物デッサンの2つから参加者が自由に選んで挑戦です。模写は、《クリスティーナの世界》習作、《アラベラ》習作、《そよ風》習作、《雪まじりの風》習作の4点から選び、静物デッサンでは、石、松ぼっくり、木の3つから選んでデッサンしていきました。
模写では、あらかじめ対象作品の大まかな輪郭線を描写したものが印刷された用紙に描いていきます。デッサン用紙の横に置いた作品のコピーをじっくり観察しながら、ワイエス作品に近づけていました。

thmnl_デッサンその1.jpg

↑ 画板に作品のコピーとデッサン用の紙を並べて、描きこんでいます。


静物デッサンは、こちらで準備したものをデッサンしていくのですが、今回静物デッサン用に準備した材料は先生方によって集められたものばかりです。石は、《火打石》によく似たものを、三重県の山から運んできたり、松ぼっくりは小学校の先生の協力で近所の松林から拾ってきてもらったり、枝も木から切り取ったもの持ってきたりと、先生方に苦労して集めていただいたことで、充実した内容となりました。

thmnl_デッサンその2.jpg

↑ 各地から集められたモティーフたち

 

作品鑑賞後、デッサンへと進んでいったのですが、鉛筆が動き始めると、半端ない集中力で描き進めていました。シャシャシャーシャッっと鉛筆の擦れる音とともに、作品が出来上がっていく感じです。

thmnl_デッサンその3.jpg

↑ 松ぼっくりをデッサン中

 

制作していた場所は、「かさかさな絵を描こう」同様にチケット売り場横のスペースだったため、他の来館者の人たちも多く見学してくださっていたのですが、その視線も感じていないかのような集中振りで、その方たちも感心した様子で眺めていました。

thmnl_デッサンその4.jpg

↑ 会場の様子

初めての高校生対象プログラムは、終始、参加者のみんなの集中力に圧倒された感じでした。

thmnl_デッサンその5.jpg
「鉛筆デッサンをしよう。」の制作物は、「かさかさな絵を描こう!」と同様に、ワイエス展開催期間中ラウンジ(所蔵作品展入り口前)にて展示してあります。会場にお越しの際は、ぜひご覧になって下さい。

(RK)

 

今日は、小学校4年生から中学生までを対象としたワークショップ「かさかさな絵を描こう」のご報告です。
 
「かさかさな絵を描こう!」
24日(土)14:00から16:00 対象:小学校4年生から中学生 参加人数:19名

このプログラムでは、ワイエスの水彩画技法の1つであるドライブラッシュ(水気をしぼった筆で描く技法)に挑戦しました。水と絵の具を使ったワークショップは、初めての試みです。もちろん美術館内のロビーなどでは水の使用が絶対無理なので、今回の会場は、チケット売り場横のスペースを使いました。

thmnl_かさかさ その1.jpg

↑ 会場の様子。床に巻きダンボールを敷いたり、机やイスを出したりと、準備が結構大変でした。。。


初めに、ワークシートを使ってドライブラッシュの作品を鑑賞し、その後、作品を輪郭線で描いた《鉄兜》(松ぼっくり男爵習作)《ラスト・ナイト》《鷹の木》の3点から1点選んで、ドライブラッシュによる彩色をしていきました。

thmnl_かさかさ その2.jpg

↑ 展示室では、対象のドライブラッシュ作品を3点鑑賞していきました。

 

筆の水気をティッシュを使いながら取り除き(ちなみに、ワイエスはティシュではなく親指と人差し指で水気を取り除いていたようです)、画面へと塗っていくのですが、どれだけ水を絞ればいいのか、絵の具と水の分量はどのくらいが丁度いいのか、その感触をつかむのが難しかったようです。

thmnl_かさかさ その3.jpg

↑ 横に作品図版を置いて、ドライブラッシュに挑戦中


ドライブラッシュの指導は、「ワーキンググループ」の先生方でおこない、筆につける絵の具の量や、筆の走らせ方など、実演しつつアドバイスをされていました。

thmnl_かさかさ その4.jpg

 


制作後に、再度展示室で、作品を鑑賞したのですが、その後の感想には、「暗いところと明るいところを分けて描いたほうがもっとよかったと思いました」とか「ワイエスの作品は、葉っぱ1本1本ていねいに描いてありました。ぼくも、もっと細かいところに気をつけて描きたいです」といったことが書かれており、ドライブラッシュを体験したことによって、新たな視点で作品をみることができたのではないかと思います。



「かさかさな絵を描こう!」の制作物が、ワイエス展開催期間中ラウンジ(所蔵作品展入り口前)にて展示してあります。会場にお越しの際は、ぜひご覧くださいっ。

thmnl_かさかさ その5.jpg

↑ 作品は、パネルの裏表に展示してあります。

(RK)

 

 ご報告が遅れましたが、先月24日(土)と25日(日)にワイエス展の関連プログラムとして、ワークショップを実施しました。
 今回のワークショップは、プログラムの内容準備から、当日の進行までを、「鑑賞学習ワーキンググループ」に参加している小・中・高の先生方の中から、有志で集まっていただいた先生方と共に進めていきました。

thmnl_その1 No.1.jpg

↑ ミーティング中の様子


 2日間で3つのワークショップを開催したので、その時の様子をご紹介します。今日は、その1「ワイエス・ワーイ!!」

「ワイエス・ワーイ!!」
 24日(土)10:00~12:00 対象:小学校1年生から3年生  参加人数:18名 
ワイエス・ワーイは、作品を鑑賞して、物語を作るといった内容のプログラムでした。
同じモチーフで描かれているスケッチや水彩画、テンペラを順番に見ていきながら、物語を作っていきます。対象作品は、《農場にて》《ジャック・ライト》《747》《松ぼっくり男爵》の4点。
先生手作りのワークシートには、制作順に並べられた4枚の絵が印刷されています。それらの作品を1つ1つ探して、作品の前に立ち、何が描かれているのか、描かれているものや人物は何をしているのだろうと、想像力を働かせながら物語を作っていきました。

thmnl_その1 No.2.jpg

↑ 《747》の前にて ワークシートに物語を記入!

たとえば、《松ぼっくり男爵》を鑑賞したグループは、初めはバケツだと思っていた入れ物が、ヘルメットであると気がついたり、《ジャック・ライト》では、制作の早い水彩には動物の頭部しか描かれていなかったことから、その動物をオオカミと判断していたようですが、その後描かれたテンペラ画には、全体像が描かれていたことからシカだとわかったりと、段階を追って作品を見ていくことによって、様々な発見をしていたようです。

thmnl_その1 No.3.jpg

↑ 右側の作品に描かれている動物がオオカミに見えたみたいですね

 

出来上がった物語を1つご紹介します。

thmnl_その1 No.4.jpg

1.あきで、くらい朝のはじまり 2.しずかな森で 3.メスのシカがうれしそうににらんで 4.りんごをたべようとした
 

ワイエス作品で、物語を作った後に、所蔵作品展へと進み、「動物ビンゴ」で作品を鑑賞しました。このビンゴは、ワークシートにある動物を展示室の中から探すといったシンプルな内容のものですが、参加者は一生懸命に作品を見ながら、動物を探していました。

thmnl_その1 No.5.jpg

↑ 作品中央に描かれている河童を発見!! 

子どもたちが、作品を鑑賞する目は、小学校低学年であっても真剣そのもので、じーっと見つめては、はっと気がつき、発見したことや感じたことを伝えてくれました。

 

その2も近日中にご紹介しますので、楽しみにしていて下さい。

(RK)

  アンドリュー・ワイエスが亡くなって、ワイエスにゆかりのある、ペンシルヴェニア州チャッズ・フォードのブランディワイン・リヴァー美術館でお別れの会(彼の人生と作品をしのぶ会)が1月31日に開かれました。この日とその翌日の2日間、あの有名な《クリスティーナの世界》がニューヨーク近代美術館から出張展示されました。この作品は、ニューヨーク近代美術館が建て替えのために休館していたときに、作品が描かれたメイン州に里帰りしたことはあったようですが、それ以外で開館している時期に他の美術館に貸し出されることはないようです。つまりニューヨーク近代美術館は、例外的に作品を貸し出すことで、ワイエスの死に対する弔意を表したのでしょう。

 今回の展覧会では、《クリスティーナの世界》の習作が展示されています。作品ができるまでの過程をたどるのも楽しいものです!
  thmnl_DSC00650.jpg

   このように、現存作家でも(展覧会準備の段階ではワイエスは現存作家でした)、展覧会で作品を借りるのが難しいことがあります。今回のワイエス展の開催にあたり、ワイエスから二つの条件が出されました。そのひとつは良い展覧会を開催してほしいということ。至極当然のことですね。もうひとつは2006年に開催されたフィラデルフィア美術館をはじめとする大回顧展に出た作品は借りないでほしいということでした。同じ所蔵者に続けて出品依頼を避けるためです。今回の展覧会の準備を始めたのがその回顧展の開催中だったので、そういう条件が示されたわけです。この二つの(矛盾するような!!)条件は展覧会準備をきわめて困難にし、大回顧展に出品された代表作を候補からはずしながらも、できるだけ良い作品を探し出し、何度も出品交渉を行いました。その結果、ワシントン・ナショナルギャラリーの《雪まじりの風》やフィラデルフィア美術館の《粉挽き小屋》のように、2006年の展覧会には出なかった代表作を借りることができました。《粉挽き小屋》はフィラデルフィア美術館でもまだ一般に公開していない、2007年にコレクションに入ったばかりの作品です。

thmnl_DSC00653.jpg

↑フィラデルフィア美術館の《粉引き小屋》は右端、この作品の習作と共に展示されています。


  ワイエスが亡くなって、今後しばらくは展覧会が開かれることはないでしょう。少なくとも日本においては、所蔵作品を展示する展覧会はできても、アメリカから多数の作品を借りて行う展覧会はさらに困難が増したといえます。
だからこそ!!今の貴重な展覧会をお見逃しなく!

(ST)
 

  愛知県美術館も他の多くの美術館・博物館と同じく基本的に月曜日が休館日です。美術館が休みだから学芸員もみんな休んでいるだろうと思いこんでいる人が案外多いのでは? 私自身、「月曜日は休館日だから休みだと思って連絡しなかったヨ」などと言われた経験が結構あります。愛知県美術館の場合、館長以下14人の学芸員がいますが、基本的に土日が休みです。だから、月曜日は休館日でも何人かの学芸員は出勤しています。ただし、―ここからが重要!―土日も美術館は開いているので、学芸員が誰もいないというわけにはいきません。そこで土日でも4人の学芸員が出勤するローテーションを組んでいます(ちなみに土日に出勤した人は、その前後の金曜日と月曜日が休みになります)。学芸員個人からすると、ひと月に一回くらいの割合で土日勤務が巡ってきます。
 では、月曜日の休館日に学芸員はいったい何をしているか? 休館日には休館日にしかできない仕事があるのです。たとえば球の切れた展示室の照明を取り替えたり、業者がおこなう各種の点検に立ち会ったりとか(展示室や収蔵庫に業者が入る場合は、学芸員が必ず立ち会います)。展示作品を入れ替える作業をすることもあります。先週の休館日には、出勤している学芸員が数人がかりで、一日かけてワイエス展に展示されている一部作品の場所を入れ替える作業をしました。展示室で、ワイエス担当のM学芸員から、こことここを入れ替えるという計画を聞かされたときには、総合的に判断して今日はやめておいた方がいいかなとも思いましたが、思い切ってやってしまいました。

(HF)

展示替え前
thmnl_before.jpg

展示替え後(深緑色のバックパネルは長くて重いので移動がとてもたいへんでした)
thmnl_after.jpg

  来年度最初の企画展「アヴァンギャルド・チャイナ―〈中国当代美術〉二十年―」に向けて、ポスターやチラシなどの印刷物の準備が進んでいます。この展覧会では、デザインを京都の豊永政史さんにお願いしました。豊永さんはこの展覧会のカタログのデザインもしていますし、第二会場である国立国際美術館のポスターやチラシも手がけています。

thmnl_A4small.jpg
チラシ:左から国立新美術館、国立国際美術館(デザイン=豊永政史)、愛知県美術館/校正刷り(同)

  第一会場の国立新美術館のポスターやチラシを初めて見たときの印象は、「あれ?! ずいぶんと地味だなあ」というものでした。展覧会の最初の会場はいろんな点でいちばん大変なのですが、とりわけこの展覧会は無事開催できただけでも奇跡的! だからポスターやチラシが地味というのは次元の違う話になります。第二会場の国立国際美術館では豊永さんにデザインをお願いすると聞いていたので、どんなデザインになるのか期待していたのですが、同じデザインを愛知で使うにはちょっとシブすぎました。すっきりとしたデザインでとても綺麗なのですが・・・。愛知会場では、もっと派手で、もっと人目を引くようなデザインが必要と考えていたので、こんな感じのものをという意向をデザイナーに伝え、こちらの要望を取り入れてもらうかたちでデザインをお願いしました。おかげさまで希望通りのハデハデで人目に付きやすいポスターやチラシができそうです。

thmnl_B0small.jpg

B0サイズのポスター/校正刷り(デザイン=豊永政史)

今回はB0サイズのポスターもつくります。駅などで普通に見かけるポスターがB1サイズで、それを横に二つ並べた分の大きさです。愛知県美術館でこれまでB0サイズのポスターを作ったのは、2005年の「自然をめぐる千年の旅」展と2007年の「若冲と江戸絵画」展の二回だけです。大きく派手なポスターは、きっとみなさんの目にもとまることでしょう。

(HF)

  さて、そろそろアーツ・チャレンジ本番の時期になってきました。アーツ・チャレンジとは若手アーティストをサポートするために愛知県が主催しているアート・コンペティションです。多数の応募者の中から厳しい審査を勝ちぬいた若手アーティスト19人が2月中頃から愛知芸術文化センターで作品を発表します。美術館側もいそいそとお手伝い。

thmnl_blogphoto1.jpg

 そういうわけで、美術部門に選ばれたアーティストの作品をいかに展示するか最終調整が進んでいます。上の写真は、先月末、選出されたアーティストの一人、田中香奈さんが、キュレーター、加藤義夫さんといっしょに現場で展示方法を考えているところです。
上の写真を見てお気づきのとおり、このアーツ・チャレンジがユニークなのは、展示室だけではなく芸術文化センター内の色々な公共スペースにも作品を展示するところです。地下2階の廊下などもぞくぞくと展示スペースに変身します。田中さんの作品は11階の展望回路(10階レストラン横の階段の上)に展示予定。栄の景色も活かした作品になるとか…。

thmnl_blogphoto 2.jpg

 ちなみに展望回路、夜はこんなふうになります。ロマンティック!

アーツ・チャレンジにかこつけて、芸術文化センター内の隠れ素敵スポットめぐりもできちゃいますね。

(FN)