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アーツ&クラフツ展 鑑賞ワークショップ「携帯電話をデザインしよう」

2009年07月23日

12日に、高校生対象の鑑賞ワークショップ「携帯電話をデザインしよう」を開催し、1年生から3年生まで23名が参加してくれました。
 内容は、アーツ&クラフツ展会場の作品から自分が気に入ったデザインを選び、あるいは複数のデザインを組み合わせたオリジナルのデザインを考えて、各々シールに写し、自分たちの携帯電話に貼り付けようというものです。今回の企画は、愛知県美術館の鑑賞学習ワーキンググループ有志の高校教員を中心に練られ、制作指導には、高校・中学校の教員と芸大生があたりました。

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↑暑い中真剣に制作

生徒たちが展覧会を鑑賞する前に、学芸員がアーツ&クラフツ運動の説明を行いました。単に気に入ったデザインを探しに行くのではなく、忘れ去られていた手仕事を見直す、または自然や伝統の中に美を見出すといったアーツ&クラフツ運動の精神によって制作されたデザインに注目してもらいたかったからです。

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↑友人と話し合いながら鑑賞する参加者

 鑑賞後、参加者が選んだデザインはほとんど重なることなく、各自の携帯電話の形や色に合わせてデザインされ、流行の「デコ電」と同様、個性あるオリジナルの携帯電話に生まれ変わりました。

 

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↑オリジナルデザインを思案中


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↑ 転写を繰り返し、シールを貼付

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↑オリジナルなモノに変化

鑑賞ワークショップ終了後のアンケートには、次のような感想が寄せられました。
「今回見たものは、どれも模様のようだったりと、形が単純化されているものが多く、普段の生活にもとけこみやすい作品だと思った。マットや壁紙のようで、いつも見ていた美術館の作品より、身近に感じた。」(女子)
「ただ、展示物を見るだけじゃなくて、自分で描いてみて、デザインって素敵だなと感じました。じゅうたんとかすごくキレイで、一つ一つがこまかくて、本当にすてきでした!」
(高3女子)
「自分で描いたものを使うっていうのはなかなかない気がしますが、なんか満足気な気分になれます。」(高2女子)
「実用的なだけじゃなくて、もちあるくのが楽しくなりそうな冷たい工業製品に柄を入れるだけで民芸品みたいなあたたかみがでた気がする。日常品で普段はじっくりみなかったりするものだけど、見ていてきもちがいい」(高3女子)

参加者が日常的であるがゆえに気づかなかったモノの美(デザイン)もあらためて対峙し、その出会いに心地よさを感じていることがわかります。
実は、今回の鑑賞ワークショップは、携帯電話のほか、日常的な存在である電子辞書や眼鏡ケースなどにデザインを施した後、各自がそれらを一週間使ってどのように感じたかを報告してもらうことになっています。一体どんな感想をもつのでしょうか。一週間共に生活することで、デザインされたモノに愛着を抱くと共に、おそらくは美のもたらす作用や美の役割について、なにごとかを感じていることと思います。今回の鑑賞ワークショップでは、わたしたちも目の前で高校生が取り組んでいる作業風景を通して、手作業のすばらしさに思いを馳せることができました。

(M.F.)