芸術文化センターの吹き抜け空間に、巨大なオブジェが吊り下げられているは皆さんもご存じのことでしょう。このオブジェは、竹と和紙による立体造形で知られる現代アーティストの北山善夫さんの制作によるもので、「私」と書いて「あなた」と読ませるというちょっと意味ありげなタイトルが付けられています。
この作品は、実は人のかたちをしているのですがお気づきだったでしょうか。大ホールの入口あたりから見上げたとき、そして上層階へと移動するシースルーエレベータから眺めたとき、巨大なオブジェは刻々とその姿を変えていきますが、全体は両手を広げて左足を後に曲げて、飛び立つようにも、舞い降りるように見える人の姿が表されています。
この作品、芸術文化センターの開館に合わせて設置され、これまでずっと皆さまにご覧いただいてきましたが、さすがに近年は汚れが目立つようになり、また、軽やかに曲げた左足には少しゆがみが出てきていました。そこで今回、一度作品を降ろして化粧直しをすることになり、12月8日(月)にその作業を行いました。制作者の北山善夫さんにお越しいただき、再設置のための記録や目印を付けながら20人近いスタッフが慎重に作業を進め、夕方には無事にすべてを分解、搬出して、保管場所まで運び終えました。これから洗浄作業や、紙の貼り替え作業を行い、再来年には再設置の予定です。


ところであのオブジェですが、ご覧いただくと竹と紙でできているように見えますが、基本はすべてガラスでできています。もちろんガラスといっても特殊なもので、繊維状のガラスを束ねて棒にしたものと、同じく紙のように薄くしたものを使っているのです。
作品がなくなった吹き抜け空間は、ちょっと寂しい感じがしますが、現在は幾何学的な構成による建築空間そのものの美しさをご覧いただけます。そして、来年に迫った「あいちトリエンナーレ2010」では、まったく違った作家による作品が設置されるようになるかも・・・。いずれにしても一年半ほどかけて化粧直しが終わって、開館した時のように美しく軽やかな姿に戻ったあの「私(あなた)」との再会をどうぞお楽しみに!
(MUM)