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現在開催中の「あいちアートの森」の堀川会場・東陽倉庫テナントビル2Fにて、今週末“アーティストトーク&ライブパフォーマンス”を開催します。
日時は次のとおりです。
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2月21日(日)
14時?第一部:出品作家4名によるアーティストトーク
16時?第二部:出品作家山田亘によるライブ&トーク

第一部は、4名それぞれが、自作についてリレー式でトークをします。
これに参加すると、複雑な会場も迷子にならないで展示を見ることができますよ。

一番手は、▽大島成己さん。

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都市風景の中で、ビルのガラス窓に幾重にも映り込んだ様子を撮影した写真作品です。どちらがガラスの手前で、どちらがガラスの向こう側なのか、見れば見るほどわからなくなるという不思議な感覚になります。

さて、つづいては、▽寺田就子さん。

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これは出品作品の一部です。
プラスチックやガラスといった透明なものをよく使われているようです。砂のない砂時計に光が差し込んでできる影。日常の何気ない一瞬に、こんな光景がある。でも気がつかずに過ぎ去ってしまうことのほうが多いような・・・。

三番手は、▽設楽陸さんです。

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じっくりみていくと、ヘンテコな物体がたくさん描かれています。
「これはなんだ!」と思いますが、実際に歴史の本や美術の本に載っている図像とのこと。実在のものと空想のものとが入り交ざった画面は独特です。

最後は▽大崎のぶゆきさんです。

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女の人の顔がだんだん崩れていき最後には消えてしまう、映像作品です。
“リアリティの不確かさ”を表現したいと大崎さんは言っています。どうして女の人の顔に着目したのか気になります。

以上4名の作家へ、制作について質問をしながらお話を聞きます。

つづいて、山田亘さんによるライブ&トークを行います。
まずは、山田亘さんと村田仁さんによるユニット“楽器工事”のライブパフォーマンスがあります。どんなライブになるのか、これから楽しみです。
その後、山田亘さんが自作について語ります。

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△山田亘《君の不在について》

様々な風景の中に置かれた椅子が4つのモニターに映り、“そこにはいない誰か”のことを話す声が流れています。タイトル《君の不在について》にあるように、“不在”と“存在”の関係について訴えてくるようなメッセージ性の強い作品です。

21日は、計5名の出品作家が来場します。
生の声が聞けるこの機会をお見逃しなく!!
(KO)

 みなさん、「さらし」ってご存知ですか?「さらし」は日本の伝統的な「並幅」という単位で織られた白無地の木綿布のことです。ちなみに「並幅」とは約36cm弱、手機で織るのに一番都合が良い幅とされています。日本の着物はその「並幅」を基本に構成されているんですね。普通はこの「さらし」も着物1着分、つまり一反という単位で売られています。昔は赤ちゃんのおむつや、妊婦さん達の腹帯といったものから、生活の様々な場面で使われていた、日本人の生活にはなくてはならないものでした。
 ところで、現在の日本人の生活ではあまり見かけなくなったこの「さらし」、美術館の裏方では大活躍なんですよ。

1、 収蔵庫の中で作品を収納する時、このように「さらし」を縦に裂いたもので、縛っています。002収蔵庫内1.jpg

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2、 作品を移動するときも、台車に固定するのに使います。004台車の固定.jpg


3、 箱だって、中に作品が入っていれば、念のための転倒防止のため、このように「さらし」で縛ります。

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さらしは広げて使えば、紐の様に一部分だけに食い込むのではなく、圧力を分散させることができるのです。ビニール紐の様に滑ることもありません。

またダスターが無い時はダスターの代わりに、敷物が無い時は敷物の代わりにと、時に応じて学芸員や保存担当のその場の機転で、様々な使われ方をします。

 あれ!?これはうちの副館長室の白板です。001副館長室.jpg

白板消しに「さらし」を使うのは、さすがにうちの副館長ぐらいのものでしょう。・・・副館長、返してよ。

(N.N.)
 
 

大ローマ展が開会して約1ヶ月が過ぎ、2月10日の午前に入場者がついに5万人に到達しました。これを記念して美術館のロビーでちょっとしたセレモニーが行なわれました。5万人目の入場者になられたのは東郷町にお住まいの脇田秀夫さんで、奥様とローマ展を見に来られたようです。

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↑村田副館長から記念の品である大ローマ展の図録などが手渡されました。

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↑NHKテレビの取材も入り、当日お昼のローカルニュースでもさっそくとり採り上げられました。
 

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↑記者から取材を受けています。

次の目標は10万人です。もしかすると10万人目になるのはあなたかもしれませんよ。

(HF)

愛知県には、美術館、歴史博物館、科学館、それから動物園にいたるまで、多種多様な博物館が数多くあります。それらの施設には学芸員、または研究員と呼ばれる専門職員がいるわけですが、県内の近くにいる同じ専門職員なのに、一緒に仕事をしたり、交流を持つ機会はなかなかありません。当館でいえば、展覧会を共同で開催する他県の美術館の学芸員さんや、展覧会を共催で運営する新聞社やテレビ局の事業部の方との仕事のほうが圧倒的に多いです。

愛知博物館協会は、まだ当館が愛知文化会館だった時代、そして博物館が少なかった時代の1964年、学芸員の交流の場として加盟館11館で愛知地区博物館連絡協議会を発足し、なんと40年以上の歴史があります!現在、加盟館は約130館を数え、研究会を開いたり、その成果として合同で展覧会を行ったり、講演会・研修会を開催して知識、技術を共に学び、情報を交換しています。

本年度から新たに、調査・研究、教育・普及、修復・保存という学芸員の日常の仕事区分別の研修会をすることになり、先日の2月5日、調査・研究部門の研修会が「ワークシートの作成・活用術」というテーマで行われました。
ワークシートは、展示物への理解を深めるため、単なる解説ではなく、クイズがあったり、観察して絵を描いたりと、展示を見ながら使用するものです。このワークシートの多くは学芸員お手製です。研修会場には加盟館のワークシートが展示されていましたが、デザイナーやイラストレーターに作ってもらうことは予算が許さず、試行錯誤の様子。

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↑会場内に設けられたワークシートの展示コーナー 色とりどりなワークシートが並んでいます

今回の研修会では、日本全国の博物館のワークシートについて研究を重ね、ワークシート作りの仕事もされているデザイナー木下周一氏をお招きし、ワークシートのあり方や自らのワークシート作成経験などをお話いただきました。

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↑木下氏ご自身が作成されたワークシート(千葉中央博物館生態園)を一例として示してくださいました

その後、碧南海浜水族館・碧南市青少年海の科学館、徳川美術館、愛知県美術館のワークシートの実践例を報告しました。碧南の水族館では、小中学生の理科の授業の一環としたカリキュラムが定められ、それに即したワークシートが作成されていました。徳川美術館では美術館キャラクター「よしなおくん」が登場する子供を対象にしたガイドが月ごとに発行され、これを集めている子供もいるそうです。

当館については、教育・普及を担当しているK学芸員が、所蔵作品のワークシート、美術館と県内の学校の先生で組織された美術鑑賞教育のワーキンググループによって作成されたワークシートや展覧会の鑑賞ガイドを紹介しました。

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↑当館からの報告 K学芸員の分かりやすい説明は普段の団体鑑賞対応の賜物!

所蔵作品のワークシートは木下氏にも評価されていました(嬉しい!!)ので、皆さんもぜひ手にとって見てくださいね。学芸員はついつい情報を詰め込み、文字が一杯のガイドやワークシートを作ってしまいがちですが、当館のワークシートは、ひとつひとつの作品の見てほしいところ、知ってほしいことが、きちんと絞りこまれた優れものなのです!

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↑クリムト《人生は戦いなり(黄金の騎士)》のワークシート 切り抜かれた穴でポイントになる画面の細部を示しています

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↑展示室にワークシートのラックがあります ぜひ手に取ってみてください!

さて、次回の調査・研究部門の研修会は2月18日(木)13:30?17:30 愛知芸術文化センター12FアートスペースEFにて行われます。テーマは「事業としての調査・研究―博物館のあるべき姿を探る―」。事業の実施ばかりに重点を置くのではなく、調査・研究という博物館学芸員本来の仕事の重要性を見直す研修会です。学芸員だけではなく、特に文化行政に関わる人にも参加してほしい研修会。一般の方も含め、まだ参加人数に余裕がありますので、ご関心がある方は当日直接会場へお越しください。
問い合わせ 愛知県美術館企画業務課森(tel:052-971-5511 内線325)

また修復・保存部門の研修の一環として歴史講演会が行われます。こちらは一般の方も参加可能。
3月6日(土)15:00-16:30 愛西市佐織公民館3階研修室 「廃藩置県と近代日本」講師松尾正人氏(中央大学教授)
要入場整理券(佐織公民館にて2月13日(土)9:00-整理券配布 一人3枚まで)
問い合わせ 愛西市教育委員会社会教育課 tel 0567-37-0231(内線181)

(MRM)
 

現在開催中の「あいちアートの森」、堀川プロジェクトのメイン会場「東陽倉庫テナントビル2F」にて、1月30日にアーティスト・トークを開催しました。

出品作家の関智生さんと加藤マンヤさんに、自作について語っていただきました。

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△まずは、関智生さんによる解説を聞きました。

イギリス留学時代に取り組んでいた制作方法等についての詳しい説明の後、日本に戻ってきてから改めて考えさせられたことや影響を受けた作品の紹介をして下さいました。最後に、展示作品の技法や見どころについて教えて下さいました。

関さんは「反射/反復/反転」を課題において作品制作をしているということでした。今回の出品作品は「日本の自然の緑」を「緑の補色である“赤”」で描いた風景画です。明るく見えるところに色をつけ、暗く見えるところは色をつけないという、水墨画のような手法をとっています。実際の風景をそのまま描くのではなく、写真のネガ・フィルムのように色彩や濃淡を反転させて描いていることがわかりました。

 

続いて、加藤マンヤさんの展示ブースへ移動し、お話を聞きました。

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△テーブルに見える白い作品についての説明を聞いているところ。

この作品は、食用の豚の油を精製したラードで形づくられた土地の上を人形が多数配置され、そこに作家が行ったことのある場所が投影されています。ラードは「人類に欠かせない食の歴史」を暗喩し、投影された場所を行き交う人々(人形)は、かつて自分がいた場所で今も続いている人々の人生であったり、すでに自分の中では止まってしまっている人々の記憶であったりを表している、ということでした。

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△加藤マンヤ《マーキング中毒》2008年

これは、これまでの制作話に出てきた作品のひとつです。本や雑誌を読んでいて、重要だと思うところに目印として付箋をつけることがありますよね。この《マーキング中毒》は、付箋を貼りすぎてしまうと“付箋(重要だと思うところ)”の意味が無くなってしまうことを投げかけている作品です。マンヤさん曰く「常識だと思っていることが、よく考えてみると実はおかしいことがある。FannyというよりCynicalを意識しています。作品を見た人が、自分の日常の中で同じようなことを見つて楽しんでもらえたらいい。」
マンヤさんの作品には、思わず“にやり”としてしまうユーモアがあります。

 

加藤マンヤさんは2月6日からスタートする常滑プロジェクトにも出品します。《マーキング中毒》を含む9点が、中部国際空港(セントレア)のPカウンターに展示されます。こちらも要チェックです。

今回は、作家さんの制作過程で考えていることを教えていただき、作品を見るときのヒントになりました。貴重なお話をしていただき、ありがとうございました!

アーティスト・トーク第三回は、2月21日(日)午後2時?を予定しています。
(KO)