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裏方通信「さらしの話 4」

2010年07月30日

 ところでこの「さらし」、使えば当然汚れます。汚れれば洗って使えばいい、というのがまた「さらし」のいい所ではあるのですが、これがまたなかなか厄介なのです。
 「さらしの話 1」で紹介しました通り、「さらし」は普通、35cm弱ぐらいの幅で売られています。美術館では用途に合わせて、これをこの幅で使ったり、半分や3分の1幅に裂いたり、時にはもっともっと細く裂いて使う事もあります。
 で、これをいきなり洗濯機に入れて洗うとどういうことになるでしょう?洗い終わって、洗濯機から出てくる頃には、こんがらがって、どこから手をつけていいのかわからない代物と化してしまいます。
 

 それで私どもは、このように緩く巻いて、あるいは蛇腹に折って、中央をきつく輪ゴムで縛ってから洗濯します。

↓洗濯前

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 当館ではこの作業を、現在、友の会の中の「所蔵品管理サポート部会」のみなさんがして下さっています。

↓さらしまき

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↓物干

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 洗い上がったものも、この通り、皺をのばしてきっちり巻き込んで現場に提供して下さいます。

↓洗濯後

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 さらしは「さらしの話 1」でもお話しましたとおり、紐の様に一部分に圧力を掛けるのではなく、できるだけ分散させるために使うのですから、このような事前の手間ひまが、実は作品保護の為に重要な意味を持っているのです。
 また棚のフランケンシュタインも、シワシワの棒状のさらしと、幅いっぱい、ピンと張ったさらしとでは、どちらがより効果的であるかといえば明々白々です。さらしを巻くのは学芸員ですが、その手間の効果が60%なのか、100%なのか、このサポート部会のみなさんの、美術館に対する惜しみない労力によって大いに変わってくるということです。
(N.N.)