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作品の貸出はどのように決まるのでしょう?

2010年09月17日

前回のブログ「所蔵作品はどこに?」に書いたとおり、トリエンナーレの期間中、当館の所蔵作品であるクリムトとピカソはそれぞれ海外に貸し出されます。クリムト《人生は戦いなり(黄金の騎士)》はハンガリーのブダペスト美術館で行われる展覧会「ヌーダ・ヴェリタス:グスタフ・クリムトとウィーン分離派の始まり1895−1905」に、ピカソ《青い肩掛けの女》はスイスのチューリヒ美術館で行われるピカソ展に出展されるのです。ともに世界中から高い注目を集める展覧会です。

 作品輸送の具体的な方法についてはクーリエ記事ですでに何度かご紹介していますが、じゃあ、どんなふうに貸し出しが決まるのか、その辺りは美術館外の方々にとって謎に包まれているのではないでしょうか。そこで今回は、作品貸出しの決め方についてQ&A形式でお話ししましょう。
 
Q.どんな作品なら貸し出し可能なの?
A.先方から借用依頼状を受け取って、とにかく最初に考えるのは作品のコンディションです。作品が修復中だったり非常に脆い状態だと館外には出せません。また、他の場所への貸し出しや愛知県美術館での展示がすでに決まっている場合も、残念ながら貸し出しはお断りさせていただきます。
 
Q.借りる側にはどんな条件がありますか?
A.当然ながら、借用を希望する側についても色々確認させていただきます。例えば施設面。大事な作品ですのでどんなところに展示されるのかはやっぱり気になります。展示室の温湿度の管理や防犯対策、防災対策、搬入経路などをチェックします。
 
Q.展覧会内容も無視できないですよね。
A.展覧会内容が最も大事といえるかもしれません。所蔵作品を貸し出すのに値する企画内容かどうかみんなで検討します。例えば、今回のクリムト展のようにきちんとした研究に基づいた展覧会に出品すると、所蔵作品自体の価値も高まります。私達としても世界中の名画と共に所蔵作品が並べられる事はとても誇らしいですね!
 
 と、こんなふうに諸条件を検討して作品の貸し出しは決まります。しかし一番大きな意味を持つのは「なんとしてもこの作品を借りたい!」という企画を担当する学芸員の熱意かもしれません。また「○○を借りるには××を貸すべきか」といったスリリングな駆け引きが、所蔵作品をめぐって起こることもしばしば。その辺については、いつかまた、お話することにしましょう。
(F.N)