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愛知県美術館は来年2月15日から4月17日まで、「レンバッハハウス美術館所蔵 カンディンスキーと青騎士」展を開催します!

 

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カンディンスキーはご存知のように、モンドリアン、マレーヴィチと並ぶ、抽象絵画の最も偉大な創始者の一人です。そして「青騎士」は、そのカンディンスキーをリーダーに、第一次世界大戦前のミュンヘンで活躍したドイツ表現主義の芸術家グループです。

カンディンスキーと青騎士は1914年の第一次世界大戦勃発まで、ミュンヘンをヨーロッパの前衛芸術の中心の一つにする注目すべき活動を展開しました。そのドラマティックな軌跡を追う番組が、次の日曜日(12月5日)、NHKの日曜美術館で放送されます!


NHK教育テレビ 日曜美術館
「魂の色彩を ―『青騎士』 美の革命―」
出演: 有川治男氏(学習院大学教授)
2010年12月5日(日) 朝9:00-10:00

※再放送: 2010年12月12日(日) 夜20:00-21:00


この番組を見れば、愛知県美術館の「カンディンスキーと青騎士」展を10倍楽しめること間違いなしです。ぜひご覧になってください! (T.O.)

あいちトリエンナーレ開催中、「所蔵作品は展示されていないのですか?」というお問い合わせが多くありました。ふだん企画展の影に隠れてしまいがちな所蔵作品展を楽しみにしてくださっている方もいらっしゃることが実感でき、とてもうれしく思いました。
お問い合わせくださった方々の気持ちにお答えすべく、「美の精髄 愛知県美術館の名品300」が始まりました。美術館全フロアを用いた大規模な展覧会となっていますので、ぜひお越しください。
ホームページでもこの展覧会の内容についてはご紹介していますので、今回は所蔵作品展やそれに携わる学芸員の仕事について、書いてみたいと思います。

 

当館の学芸員は二つのグループに分かれています。「企画普及グループ」と「美術グループ」です。「企画普及グループ」はその名の通り、展覧会の運営や広報、教育プログラムを行う仕事を担っています。このブログの運営や編集もそのうちの一つです。もう一つの「美術グループ」では、主に所蔵作品に関わる仕事を受け持ちます。たとえば、作品の保存、情報管理、作品の収集、展覧会への貸し出しなどがあります。所蔵作品展もまたこの「美術グループ」の学芸員が担当する仕事です。

 

よくコレクションの展示を「常設展」と呼ぶ美術館や博物館がありますが、当館では少し長くて言いづらいですが、「所蔵作品展」と呼んでいます。開館当初から、通常5つの展示室を使って、毎回新しい展示を行い、コレクションの多面的な魅力をご紹介することを目指したため、「常にある展示」ではなく、毎回異なる「所蔵作品による展覧会」という意味をこめて「所蔵作品展」という名にしたと、先輩学芸員から聞いたことがあります。
毎回総とっかえなのですから、それにかかる労力は大変なものです。美術館運営の厳しいこの時代にあって、展示作業の予算もますます削減され、課長以下美術グループ6名の学芸員は毎回展示作業の監督ではなく、プロの展示作業員さんと一緒に展示を行います。といっても、巨大で重い作品を扱ったり、逆にとても繊細な作業はやはりプロの方にはかなわないので、美術品を専門に取り扱う作業員さんにお願いします。私たちにできるのは、主に比較的手ごろなサイズの作品を収蔵庫から展示室まで運び、壁に掛け、水平を見て固定し、照明をします。また作品の隣にいつもあるキャプションを作ったり、それを壁に留めたりと、手作りの展示です。

 

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↑掛け軸を展示する様子

 

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↑キャプションを取り付ける作業も学芸員が行います。今回は300点もの作品につけました。

 

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↑キャプションをつけるときに使用している定規のようなもの。これで高さと作品からの位置を定めます。これも手作り!

 

今回の「美の精髄 愛知県美術館名品300」では、通常の所蔵作品展の倍の規模で展示をしたので、作業は2週間にも及びました(通常は1週間)。間に合わなくて、夜の8時すぎまで展示作業をしたり、企画普及グループの学芸員が手伝ってくれたりもしました。またキャプション作りなど展示作業の要所要所で頼れるアルバイトの方たちの存在も貴重です。

 

ちょっと長くて言いづらい愛知県美術館の「所蔵作品展」ですが、学芸員が手作りするこの展示を今後ともご愛好ください。
(MRM)
 

ただいま、愛知県美術館全館所蔵作品展「美の精髄」[11月26日(金)?2011年1月23日(日)]に向けて、展示作業進行中です。今回の展覧会は、「愛知県美術館の名品300」と副題にあるように、愛知県美術館の所蔵作品から名品を選び、10階展示室全室を使ってご紹介するものです。1992年10月に、新たに愛知県美術館として開館するにあたってその準備から現在に至るまで収集してきた様々なジャンルの作品や木村定三コレクション、愛知県美術館が旧文化会館時代に収集してきた作品、そして寄託作品から、優れた名品を展示する予定です。

 
10月末日で、「あいちトリエンナーレ2010」が盛況の内に終了してから、展示室を片付け、全館所蔵作品展のための展示が出来るように会場を整えるまでに、2週間ほどかかりました。展示室内に作品がなにもない状態から始まったことから、所蔵作品展展示担当の学芸員は、ひたすら展示室と収蔵庫を往復して、作品を展示室に持ってきては展示しています。今回の展覧会では、現代美術の大型作品も展示します。作品の重量や大きさなどから展示作業は慎重に行われ、学芸員や展示作業員の体力勝負でもあります。今週の金曜日から展覧会は始まりますので、皆様に気持ちよくご鑑賞いただくよう展示作業にいそしんでおります。乞うご期待ください。

(M.F.)

 

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↑若林奮《大気中の緑色に属するもの?》展示作業風景

 

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↑材質が鉛のため非常に重く、あうんの呼吸で力を入れて運びます。

 

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↑細かく展示位置が指定された設計図。この通りに計測しながら展示します。

 

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↑ようやく展示終了。作業には、1時間半かかりました。

 

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↑日本画の展示作業の様子。
 

美術館には、展示に使う見慣れない設備がいろいろあります。美術館は11月25日まで閉館していますが、閉館中も実は忙しく活動しています。展覧会のための展示替作業をするのはもちろんですが、短期間ではできない設備の点検や修理をすることも、閉館中の重要な仕事です。

 

所蔵作品の展示に使うことが多い「展示室6」という小さめの展示室には、「昇降トラス」という展示設備があります。これはスポットライトを着けたり作品を吊り下げたりできる骨組みのようなものですが、スイッチで上下動するので、展示のために天井まで上らなくてもいいというすぐれものです。

 

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↑普段は天井に上がっています

 

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↑下ろしている途中です

 

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↑下りきった状態です

 

今回の閉館中に、3日間かけて、この「昇降トラス」をぶら下げているワイヤーを交換する作業を行いました。安心して作品鑑賞を楽しんでいただける環境を保つためには、こうしたメンテナンスが欠かせません。

 

長めの閉館でご迷惑をお掛けしますが、どうぞよろしくご理解のほどをお願いします。
(M.Ma)

麻生三郎展 in 東京

2010年11月09日

本日、東京国立近代美術館で「麻生三郎展」が始まりました。(http://www.momat.go.jp/Honkan/aso_saburo/

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▲美術館外の看板

なぜこのブログで紹介するのかって? この展覧会は来年1月から京都国立近代美術館、4月末から愛知県美術館でも開催される予定なんです。展覧会カタログの小論3本のうち1つを当館の館長が執筆していて、私は年譜のページを担当しました。10月末には4泊5日で福岡県から広島・京都・三重・愛知と、出品作品をお借りして回りました。

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▲ガラガラなのは、開会式前の記者内覧時間だからです。

開会式の館長あいさつでは「表面的にキレイなものカワイイものがもてはやされがちな今日だからこそ、麻生三郎の重厚な作品世界を紹介したい」との言葉が。
戦時下の1943年に靉光(あいみつ)や松本竣介たちと「新人画会」を結成し、戦後も各時代状況の中で人間存在の核心を求め続けた麻生の作品は、重いけれども観る者を引き込みます。

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▲麻生が「立体デッサン」と呼んだ彫刻も2点出品されています。

会場を回りながら、愛知県美術館での展示プランが頭の中を巡り始めました。どうぞご期待ください!
(TM)

8月21日から始まったトリエンナーレも10月31日で閉幕し、美術館では現在その撤収作業が進められています。

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トリエンナーレは愛知県美術館の主催事業ではないとはいえ、次の展覧会も控えているため、美術品専門の運送業者と一緒に美術館のスタッフもサポートにあたりながら作業が進められています。


「トリエンナーレが終わったら、作品はどうなるの?」と尋ねられることもありますが、ほとんどの作品は、作家自身やギャラリーなどの所蔵先に返却されます。

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上の写真は、国内や海外へと輸送されるべく梱包された作品の入った木箱たち。


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作品が搬出されて広々とした展示室は、お祭りが終わった後のような寂しさを感じさせます。

 

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連日賑わいを見せていたロビーもいまは静かになっています。


それから「トリエンナーレ行きそびれた!」という方に朗報です。
じつはトリエンナーレ閉幕後でも見ることのできる作品があるんです。

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松井紫朗さんの、緑色をしたバルーンの作品《channel》です。
作品の一部をすでに撤去してしまっているため中に入ることはできませんが、芸術文化センターの吹き抜け部分のフォーラムで、2011年の2月頃まで(修復中の北山善夫作《私(あなた)》が戻ってくるまで)展示される予定です。


ところで、愛知県美術館の所蔵作品を展示していなかったトリエンナーレの会期中には、ありがたいことに「所蔵作品展は見られないの?」とか「クリムトはどこにあるの?」といったお問い合わせをいただくことが少なくありませんでした。

愛知県美術館では11月26日(金)から〈美の精髄〉展を開催します。ブダペスト(ハンガリー)でのクリムト展に貸し出されていたクリムトの《人生は戦いなり(黄金の騎士)》をはじめとして、しばらく見ることのできなかった愛知県美術館の名品300点を展示します。
愛知県美の所蔵品を見たかった!という方や、現代美術のあとはゆっくり近世や近代の絵画を楽しみたい!という方、どうぞお楽しみに。 (SS)