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修復後の木村定三コレクション、お披露目中です

2010年12月13日

 来年1月23日まで、愛知県美術館の全展示室を使って「美の精髄 愛知県美術館の名品300」展が開催されています。その中の最後の部屋、いつも木村定三コレクションを展示している「展示室8」では、木村定三コレクションの名品のうち、愛知県美に収蔵されてから修復がされた作品がお披露目されています。


 愛知県美での作品修復は、作品を今後もずっとよい状態で皆さんに鑑賞していただくために行われるものです。一つずつの作品に個性があって他に代えがたいものであるように、いたみの具合も作品ごとに千差万別で同じものはありません。修復は、作品ごとに注意深い状態調査をした上で、その作品にとってベストな方法を、修復技術者と学芸員が相談を重ねながら行われます。


 一堂に展示された修復後の作品を眺めていると、それぞれについての修復のエピソードが思い起こされ、感慨深いものがあります。ここでは、展示作品の中から1点をご紹介。


 江戸時代の画家、呉春が描いた《蛙図扇面》は、扇絵が掛軸に仕立て直されている作品です。

 

001修理前.jpg

↑修復前は、細い軸木に掛軸を巻くことによる横折れがひどく、作品がいたんでいることはもちろん、鑑賞が大きくさまたげられていました。

 

002修理後.jpg

↑修復により、横折れが解消され、すっきりとしゃれた作品の魅力が味わえるようになりました。

 

 この作品で重要なのは、古くになされたと考えられる紙の表具です。表具の紙自体も大変いたんでおり、修復の際に再使用できるかどうか危ぶまれましたが、この作品の軽く上品な味わいには欠かせないものという判断から、修復技術者のかたに表具を新調する以上の手間をかけて再使用していただきました。


 ぜひ展示室で、修復のなった《蛙図扇面》の魅力を味わって下さい。なお、この作品は12月26日までの展示です。お見逃しなく!
(M.Ma)