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作品の裏には・・・

2010年12月24日

美術館では今日も作品の点検を行っています。三重県立美術館で開かれた愛知・岐阜・三重三県立美術館協同企画展「ひろがるアート」の展示作品が、愛知県美術館に戻ってきたからです。お貸し出しする前と後とで、作品に何か変化はないか入念にチェックしています。

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 こうしたチェックの過程では、普段は見られない作品の側面を見ることもできます。例えば、原裕治の〈アポクリファ〉シリーズ。白く隆起した円が鮮烈な印象を残す抽象的な作品ですが、その裏は・・・。
 
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 なんと石膏デッサンが!どのデッサンからも生真面目な手の痕跡がうかがえます。
これらデッサンは、原裕治本人ではなく彼の教え子たちが描いたものとも言われていますが、実際のところはよく分かりません。しかし、誰が描いたかも分からない愚直な素描の数々が影となって、一つの作品を支えているようにも見えます。白と黒。抽象と具象。そして、作家による作品と匿名の作品。まさに作品のネガとポジですね。作品を作品たらしめる地層の厚さをしみじみと感じさせられました。
 
(F.N)