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ポロック展見どころ紹介1 日本のポロック受容における記念碑的2作品

2011年02月16日


愛知県美術館がこの秋開催する「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」(今年11月11日-来年1月22日)の見どころをご紹介します!

 

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▲ ジャクソン・ポロック 《ナンバー7, 1950》 1950年
油彩・エナメル塗料・アルミニウム塗料、キャンバス 58.5 x 268.6 cm ニューヨーク近代美術館
Gift of Mrs. Sylvia Slifka in honor of William Rubin.719.1993
© 2011. Digital image, The Museum of Modern Art, New York / Scala, Florence

 

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▲ ジャクソン・ポロック 《ナンバー11, 1949》 1949年
エナメル塗料・アルミニウム塗料、キャンバス 114.3 x 120 cm インディアナ大学美術館
© Indiana University Art Museum / Jane and Roger Wolcott Memorial, Gift of Thomas T. Solley


日本でポロックの実作品が初めて紹介されたのは、今からちょうど60年前、1951年の第3回読売アンデパンダン展においてでした。それはその3年後に具体美術協会を創設することになる吉原治良や、同協会のスター作家となる白髪一雄に注目すべき影響を及ぼしますが、その時にやってきたのが上の2作品です。

 

1点目の《ナンバー7, 1950》はポロックの絶頂期の作品にして横が約3mという大きさで、ポロック絵画のアクション的要素も存分に発揮された秀作です。現在の所蔵者はあのニューヨーク近代美術館(通称MoMA)! ポロック展をやるならモダンアートの殿堂MoMAの協力を何としても取り付けねばと思っていましたが、MoMAもこの作品が日本の美術界にとってどれほど重要かをきちんと理解してくださり、無事に拝借OKとなりました! 2月7日に当ブログでご紹介したポロック展開催予告ポスターでも、さっそく図版に使わせてもらっています。

 

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2点目の《ナンバー11, 1949》は、1951年の第3回読売アンデパンダン展時には、1点目の《ナンバー7, 1950》以上に注目された作品です。

 

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▲ 1951年第3回読売アンデパンダン展出品目録。

 

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▲ 『みづゑ』547号(1951年4月、第3回読売アンデパンダン展特集号)

 

同展の出品目録に図版が掲載されたのみならず、『みづゑ』の同展特集号の表紙を飾っています。この作品は現在、インディアナ大学美術館所蔵。2009年の12月、私は古本屋で見つけた『みづゑ』同号の現物を携えてインディアナ大学美術館に出品交渉に行ってきました。先方は自分のところのポロック作品が1951年に日本のメジャーな美術雑誌の表紙になっていたことを御存じなかったので、その号を資料用にと差し上げたところ、大変に喜んでいらっしゃいました。だからというわけではないでしょうが、インディアナ大学美術館もMoMA同様、日本美術界にとってのそのポロック作品の重要性をすぐに理解し、快く出品を承諾してくださいました。

 

こうして今回のポロック展では、日本のポロック受容において記念碑的な意味を持つこれら2作品が再び揃ってやってくることになりました。愛知県美術館の「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」、どうぞご期待ください! (T.O.)