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  東北復興支援特別企画として開催しております「棟方志功 祈りと旅」展は7月26日に入場者数が一万人を超えました。一万人目に来場されたのは新城市から来られたご夫妻で美術館長から一万人目を告げられるととても喜ばれていました。

 

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この展覧会は当初17世紀から20世紀のフランス美術の名品を紹介するプーシンキン美術館(ロシア)展が予定されていた時期(7月9日から9月4日)に、原発事故のために中止になってしまった同展覧会に代わるものとして開催しております。

ただ代わりの展覧会ということよりも、「東北復興支援特別企画」と銘打っているように、東北にゆかりのある作家を取り上げ(棟方は青森県出身です)、展覧会場では義援金を募るだけでなく、チャリティグッズを販売してその収益を東北の復興と文化財の救出のために送ることもしています。

 

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 おかげさまで、展覧会はその充実した内容と量(大回顧展といってよいものです)により、大変ご好評をいただいております。これまでにもNHKやCBCなどの放送や中日新聞などマスコミにも取り上げられ、来館者は増えています。夏休み期間でもあるので、ぜひお子様連れでご来館いただき、棟方の世界を堪能していただければと思います。
なお、美術館は作品保護のために温度設定が低めになっていますので、冷房に弱い方はちょっと羽織るものをお持ちいただくと便利です。また、版画作品は紙なので、照明もやや暗めになっていますのでご了解ください。

 

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 愛知芸術文化センターではこの一週間を東北復興支援ウィークとしてチャリティコンサートや報道写真展などいくつかのイベントを開催して多数の方から義援金を寄付していただきました。

支援ウィークの最後のイベントとして、芸術文化センター10階美術館の入口付近で、名古屋場所が終わったばかりの福島県出身の大相撲の関取、玉乃島関のサイン会が開かれました。写真のように大勢に方にお越しいただきました。そして玉乃島関も棟方展を鑑賞していただきました。

(S.T.)

はじめてブログを書きます。
新人学芸員2号です。

5月の記事でもう一人の新人学芸員が「まもなく登場予定」と紹介してからはや2ヶ月が経とうかという時期になりました。
ご挨拶が遅くなってしまいました。

実は今回の「棟方志功 祈りと旅」展の担当の一人でありまして、7月16日のギャラリートークにお越しいただいた方にはご挨拶させていただきました。
お越しいただきました皆様に感謝いたします。

現在は展覧会の他に、所蔵作品の貸出などを担当しております。
今後ともよろしくお願いします。


さて、7月16日に「棟方志功 祈りと旅」展の関連イベントである津軽三味線KUNI-KENチャリティーライブを開催しました。

演奏していただいたKUNI-KENは三重県の四日市市出身の津軽三味線ユニットで、ご兄弟で活動されています。
今回のライブに関しては急なお願いにもかかわらず、快くご承諾いただきました。ありがとうございました。

 

当日のライブはたくさんの方にお越しいただき、盛況のうちに幕を閉じました。

 

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 ↑ 会場は芸文センターの大ホール前。たくさんの方にお集まりいただきました。 

 


津軽三味線とロックを融合した曲も演奏され、会場は大いに盛り上がりました!


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↑ まるでロック・ミュージシャンのようなステージ!

 


最後は「津軽じょんがら節」で締めくくり。


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↑ 「津軽じょんがら節」の演奏は緊張感たっぷり。

 

 

ライブ後、KUNI-KENのお二人にはCDをご購入いただいた方へサインをしていただきました。

 

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↑ お客様一人一人のために丁寧にサインをしてくださったKUNI-KENさん。


今回のライブはチャリティーライブとして開催し、皆様に義援金のご協力をお願いしました。
KUNI-KENのお二人からもお声がけいただき、たくさんの義援金をお寄せいただきました。会場に来てくださった皆様に感謝いたします。
ありがとうございました。

(Y.H.)
 

愛知県美術館で11月から開催予定の、画家ジャクソン・ポロックの日本初回顧展。

本日、この展覧会の公式ウェブサイトが公開となりました。

(2012年7月16日現在、このサイトはすでに閉鎖されています。)
 

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展覧会の見どころや、ポロックという画家について解説を読むことができますので、ぜひチェックしてみてください。
コンテンツはまだ少ないですが、これから徐々に充実していく予定です。開催までときどき訪れてみてくださいね。


上記公式サイトでもお知らせしていますが、ポロック展愛知会場の前売券販売は、8月11日(木)から。

(プレイガイド等での販売は9月15日から。)


前売券と同時に、さらにお得なペアチケットも発売されます。

お友達と、ご家族と、恋人と・・・2人で一緒に展覧会を訪れるのはもちろん、1人で2回使うこともできます。

周りの人と「ポロック展、絶対行こうね!」と今から盛り上がっている方、「2回は見に行くぞ!」というポロック・ファンの方にはこのチケットがおすすめです。


ただしこのペアチケット、9月11日までの期間限定販売となります。(短くてごめんなさい…)

ご購入を検討される方はどうぞお早めに!


(S.N.)

この秋、島根県立美術館で当館所蔵作品による展覧会の開催が決定しました。

現在、当館で開催中の「棟方志功 祈りと旅」展は、東日本大震災の影響で開催を中止した「プーシキン美術館展」に代えて開催することになったことはご存じのとおりです。震災の影響は、全国各地の美術館に及んでいて、島根県立美術館でも、予定していた「マルセイユ美術館展」が震災の影響で開催できなくなりました。そこで、当館のコレクションによる展覧会を急遽準備し、震災復興支援として開催していただくことになりました。

内容は、ピカソ、マティス、ボナールといったフランス近代の美術と、フランス美術に憧れ、その影響を受けた黒田清輝や安井曾太郎など洋画家たちの作品をまとまったかたちでご紹介するものです。この展覧会では、復興支援のためのチャリティーグッズの販売なども行われます。

宍道湖畔にたつ島根県立美術館で、当館の作品たちが、また、新しい魅力を発揮してくれると思います。この秋には、ぜひ島根県立美術館にお出かけください。

 

ところで、島根県立美術館は3月から9月の間、閉館時間が日没後30分というユニークな美術館です。(展示室入場は日没時刻まで)

下の写真のように宍道湖に沈む夕日はとても素敵です!!

 

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↑ 島根県立美術館 外観 

 

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↑ 島根県立美術館内から 宍道湖に沈む夕日

 

 (もっと写真をご覧になりたい方は島根県立美術館のフォトアルバムへ)

 

日没後30分という閉館時間をぜひ体験してみてください。

島根県立美術館のホームページには日没時刻も載っています!

10月から2月の閉館時間は18時30分です。(展示室入場は18時まで)

(M.M. / Y.H.)

 

 

 

 

棟方志功展本日開幕!

2011年07月09日

梅雨も明けて、夏本番!
夏のスタートとともに、愛知県美術館では今日から棟方志功展がスタートしました。

今回の見せ場である長さ26mもの大作《大世界の柵(さく)》が展示される様子を、特別にこのブログでご紹介します。

 

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パネルが少しずつ並べられていく様子に関係者みんな興奮状態!でした。

 

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完成!

 

このスケール感はぜひ会場で体感してください!

(MR.M.)
 

 

   愛知県美術館渾身の一大プロジェクト、 「生誕100年  ジャクソン・ポロック展」 (11月11日スタート。来年1月22日まで。その後、東京国立近代美術館に巡回します) 。その関連記事として始めたこの「ポロックの足跡を訪ねて」シリーズ、今回はちょっと番外編的にアイルランドです。


 まず初めに言っておきますと、ポロックはアイルランドに行ったことはありません(それどころか、生涯アメリカ国外に出たことがありませんでした)。では、アイルランドはポロックとどんな関係があるのでしょう。

 

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▲ ダブリン・ライターズ・ミュージアム(2006年撮影)。アイルランド文学に興味がある人は、まずここへ。

 

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▲ ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』(1922年)の舞台となったダブリン郊外サンディコーヴの塔(2006年撮影)。現在はジェイムズ・ジョイス博物館になっています。


 ポロックの両親(アメリカ生まれ)は、二人ともスコットランド系アイルランド人の血統でした。それゆえ、ポロックにもその血が濃く流れています。だからなのでしょうか、あるいはたまたまでしょうか、ポロックは熱心な読書家というわけではありませんでしたが、アイルランド文学がお気に入りだったようです。彼の書斎からは、ジェイムズ・ジョイスを筆頭に、ジョージ・バーナード・ショーの『人と超人』、ショーン・オフェイランの『アイルランド人』などを見つけることができます。ジョイスについては、『ユリシーズ』(1934年ランダムハウス版)、『スティーヴン・ヒーロー』、『ユリシーズ』(1946年モダンライブラリー版)、『フィネガンズ・ウェイク』の4冊を持っていたほどでしたが、なかでも『ユリシーズ』はポロックの制作にちょっとした関連があって興味深い存在です。


◆  ジャクソン・ポロック《五尋の底に》1947年 ニューヨーク近代美術館
画像=http://www.moma.org/collection/object.php?object_id=79070


 ポロックの1947年の作品に《五尋の底に》(Full Fathom Five)という絵があります(「尋(ひろ)」は長さを表す単位)。そのタイトルはポロックの友人が提案したもので、本人もそれをOKしてそのように決まったのですが、シェイクスピアの『あらし』の中に、次のような有名な一節があります。

父君のいますは,たっぷり五尋 [Full fadom five],
 その骨からは珊瑚ができ,
かつてのその眼は今は真珠,
 朽ちる身はことごとく,
海の変容を受けて,
貴く奇しきものとなる。
ニンフが刻々鳴らす,葬いの鐘
                 [奥で] ディン,ドン。
ほら,聞こえる――ディン,ドン,ベル。

(外山滋比古他編『英語名句事典』大修館書店、1984年、213頁)


 ポロックがこの一節を知っていたかどうかは分かりません。でも、それに関係した一節がジョイスの『ユリシーズ』に登場しており、少なくともそちらは知っていたはずです。


 向うが五尋の淵なんでね。そなたの父はもはや五尋の水の底 [Full fathom five]。一時になればと言ったな、あの男。溺死体にて発見。ダブリン湾口の浅瀬に潮が満ちれば。小砂利の流れ溜りや、扇状に群がる魚どもや、貝殻などを押しのけて。死体は塩に白くさらされ、引波から浮びあがり。そら、ぽっかり、ぽっかり、イルカくん、頭を見せては陸地のほうへ。あそこだ。はやく鉤にかけろ。引っ張れ。たとえ水底深く沈んだにしても。つかまえたぞ。気をつけろよ。

(ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ I』丸谷才一、永川玲二、高松雄一訳、集英社文庫、2003年、131頁)
 

 

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▲ ダブリン湾、サンディコーヴの塔からの眺め(2006年撮影)。


 

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▲ ダブリン市内、リフィ川の河口(2006年撮影)。向こうはダブリン湾。



 ポロックの血統とジョイスへの関心を追って、2006年にアイルランドを訪れた時、ポロックの《五尋の底に》の主調色に奇しくもよく似たダブリン湾の青緑色の水面を眺めながら、「五尋ってどれくらいの深さだろう」と思いを巡らせてみたりしました(ちなみに、五尋は10メートル弱)。

 

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▲ ダブリンの盛り場のバー(2006年撮影)。

 

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▲ 旧ジェイムソン蒸留所(2006年撮影)。アイリッシュ・ウィスキー「ジェイムソン」の博物館になっています。


 ところで、アイルランドは文学も素晴らしいですが、酒もおいしいです(良い酒は良い文学を生むのでしょうか)。ダブリン市内にはバーがたくさんあって、飲む所には困りません。酒好きだったポロックにはたまらない街でしょう。この夏ポロック(8月11日が命日)のお墓参りに行く時には、ジェイムソンの小瓶でもお供えしてこようと思います。 (T.O.)