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ゴールデンウィーク中も大変多くの方にご来場いただきました「魔術/美術」展

本日、来場者が1万人に達しました!

 

1万人目のお客様は、名古屋市内にお住いの女性。お子さま2人と来館されました。

館長から、記念品の図録、クリアファイル、ノート、そして、アンデス地方で幸福をもたらすとされる人形「エケコ」をプレゼントさせていただきました。

 

 

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↑ 「魔術/美術」展、1万人目のお客さまに記念品を贈呈。

 

 

ところで、美術館へは小さな子供を連れて入れないと思っていらっしゃる方は結構多いようです。

しかし、日本国内の美術館で、入場者の年齢制限を設けている館があるとはあまり聞いたことがありません。

逆に、トイレでおむつ替えができるようにしたり、子供が遊べるプレイルームを設けたり、子供連れのお客さまにも快適に美術鑑賞をしていただけるような工夫をしている館が多くなってきていると思います。

 

愛知県美術館では、女性でも男性でも赤ちゃんのおむつ替えができるトイレを設けておりますし、ベビーカーの貸出も行っています。

 

 

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↑ 館内貸出用のベビーカー。赤ちゃんを抱っこしながら美術鑑賞はツライですものね。

 

子育て中の皆さま、どうぞ安心してお子さまと一緒に愛知県美術館にいらしてください。

2万人目はあなたかもしれません!

 

 (S. N.)

 さて、前回に引き続いて今回のブログも「魔術/美術」展のカタログ内容のご紹介をさせていただきます。

 三番目の執筆者は小澤京子さん。『都市の解剖学 建築/身体の剥離・斬首・腐爛』(小澤京子/ありな書房/2011年)でも話題を呼んだ小澤さんには、第二次世界大戦前の東京をめぐる都市の幻影について寄稿していただきました。江戸川乱歩には深夜の街を無目的に遊歩する趣味があったとのことですが、テキストを読まれた皆様におかれましても夜の街へと誘い出されてしまいそうな感じです。(美術館は責任を負いかねますが・・・)。

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↑愛知県美術館所蔵の谷中安規《飛ぶ首》(1927年)、《蝶を吐く人》(1933年)。
  都市の怪奇とメルヘンが入り交じった作品です。安規自身も街をさまよい、幻を追い求めるような生活を送りました。
 
 四番目のテキストは美魔女の話題から始まるものです。執筆者、石田美紀さんは日本において「魔女」というイメージがどのように受け入れられてきたのか、考察してくださいました。欧米由来の「魔女」とは異なる独自の姿が浮かび上がってきます。「魔女になることを、女に生まれついたのなら当然手にする権利だと理解している」という言葉は、魔女と化して人生を謳歌する女性達へのメッセージでしょうか。 

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↑こちらは蛇に惑わされるイヴの姿を描いたマックス・クリンガーの版画《イヴと未来 III. 蛇》(1880年/岐阜県美術館蔵)。
  自分自身の魅力的な容姿に耽溺しがちな女性は、悪い誘いにだまされて身を滅ぼすという意味が暗に込められているようです。こうした女性観が魔女のイメージを生み出す一因となっています。
 
 蘆田裕史さんも、ファッション論や服飾史がご専門ながらサブカルチャーまで視座に入れたテキストを寄せてくださいました。衣服が持つ意味を身体の保護、装飾、そして呪術と分類したうえで、魔法少女の衣装にまで話をひっぱっていくのは蘆田さんならではの解釈でしょう。もっと詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか?
 
カタログは展覧会内容を記録、補足するためだけに作られるわけではありません。それ自体で読み物としての価値がないと面白くありませんね。今回のカタログは色々な分野の方によるテキストを掲載することで、展覧会から独立した形でも楽しめるものになったのでは、と自負しています。これで1300円はけっこうお買い得ですよっ。
 
〔宣伝ついでに、カタログの郵送販売のご案内も。本代1300円に470円(送料および梱包代を含む)が追加されて1770円となります。遠方の方はどうぞご利用ください。詳しくは愛知県美術館までどうぞ→tel:052-971-5511(代)〕
 
このカタログが皆様の知覚のモードを変えるきっかけになればと願っています。
 
(F.N.)