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西岳拡貴 「ROAD OF SEX」

2012年10月29日

現在、当館ではAPMoA Poject, ARCH の第3弾となる西岳拡貴さんの「ROAD OF SEX」を開催しています!

西岳さんは2009年、フランスのナントで「ROAD OF SEX」の最初のプロジェクトを開始しました。

それは、ナントからサン=ナゼールという約50キロの区間で、ラテックス(液状のゴムの原料)を塗り、近くに落ちているものを拾いながらそれに巻き取っていく、というものでした。

 

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↑ 最終的に出来上がったラテックスの塊。


(残念ながら、この塊はフランスで行方不明になってしまっていますが、今回の愛知県美術館での展示ではプロジェクト実行中の映像を上映しています。)

 

そして今回、西岳さんがAPMoA Project, ARCHのために制作したのが、「ROAD OF SEX」のシリーズ最新作となる《ROAD OF SEX  Tokyo >> Aichi》です。

 

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↑ 《ROAD OF SEX  Tokyo >> Aichi》の一場面。


タイトルからお分かりになるとおり、彼は今回、東京から愛知までの区間で、ラテックスを塗り、巻き取ってきました。

ゴールデンウィークに東京を出発し、神奈川、静岡、そして愛知の各所で延々とラテックスを転がすこと約4ヶ月。

展示開始直前の9月に、ゴールである愛知県美術館にたどり着きました!

 

展示室では、最終的に生まれたラテックスの塊と、実行中の映像、東京から愛知までの地図を展示しています。

それにこの《ROAD OF SEX  Tokyo >> Aichi》の映像、なんと約2時間(=116分)におよぶ大作!

しかし、映像はどのタイミングで見ても内容はお分かりいただけるものなので、いつでもお気軽にご覧下さい。

 

それから、もう展示をご覧になった方も、「西岳拡貴オフィシャルサイト」をチェックしてみて下さい。

西岳拡貴オフィシャルサイト→ http://nishitake.jp/

 

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↑ オフィシャルサイトのトップページ。西岳さんの過去の作品なども見ることができます。

 

展示は11月25日まで。 どうぞお見逃しなく!

(S.S.)
 

 愛知県美術館では、視覚に障がいのある方たちを対象とした鑑賞会を開いています。スタートは10年以上前になります。はじめは外部からの要望にお応えすることから始まりました。
 健常者と同じ方法で鑑賞することのできない人たちに、どのように美術作品を鑑賞していただくかという難しい課題に対して、美術ガイドボランティア「アートな美」や点訳グループ「六点会」をはじめとするボランティアのみなさんの協力を得ながら、鑑賞会を開いてお応えしています。

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 (ボランティアの方とペアでの鑑賞です)


 美術館ホームページの「教育プログラム」のなかに「視覚に障がいのある方へのプログラム」でもご案内していますが、18日木曜日と20日土曜日に鑑賞会を開催しました。

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 普段は一般の方にはさわっていただけない彫刻作品をさわって(事前に手をきれいに洗っていただき、やさしくさわって)いただいたり、ボランティアの方に絵画作品を言葉で説明していただいたりして鑑賞をすすめています。ときには立体コピーといって、平面である絵画作品の構図がわかるようにするために、熱を加えるとふくらむ特殊なインクを使って、簡単に図式化された作品のコピーをさわりながら、鑑賞していただいたりしています。

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(新収蔵のゴーギャンの作品を鑑賞中)


 リピーターも多く、参加された方たちは「参加してよかった」と喜んでいただいています。先日の特別講演会での廣瀬さんのお話にもありましたが、健常者でもさわることで初めて感じることもありますが、美術鑑賞の方法は一通りだけではないということだと思います。(ST)
 

特別講演会

2012年10月08日

 10月8日に愛知県美術館では、「だれもが楽しめるミュージアムをめざして」と題した特別講演会が開かれました。講師は国立民族学博物館の准教授の広瀬浩二郎さん。
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 広瀬浩二郎さんは、13歳の時に失明されましたが、筑波大学付属盲学校、京都大学で学ばれて、日本宗教史、障害者文化論を研究、障害や年齢に関係なく誰もが楽しめる「ユニバーサル。ミュージアム」を提唱されています。展示品にさわってはいけない、という博物館の常識をくつがえす試みをされている研究者です。本年3月、広瀬さんが担当する「世界をさわる―感じて広がる」展示コーナーが国立民族学博物館にオープンしています。
 今回は、広瀬さんの学生時代の体験談、ボランティアとの関わりなどをはじめとして、近年研究されている琵琶法師や瞽女についての考察、そして語りから広がる視覚的イメージや美術館、博物館の展示物という情報をいかに情報転換していくのかといったお話を伺いました。 

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 会場は100人近くの聴衆が集まりました。他館の学芸や大学の先生をはじめ、講演会内容から視覚に障害を持った方も多く参加されていましたので、愛知県美術館の講演会としては珍しく複数の盲導犬も静かに座って聞いていました。

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 講演会の中では瞽女の絶える少し前に杉本きくえさんという上越地域の最後の方が縫ったという雑巾を会場内に回覧され、「これが展示ケースに入っていたら、感じられないことも実際に手に取って感じられることがある」と紹介されて、展示物を触って鑑賞する事の大切さに言及されていました。

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もちろん、触ることのリスクについてもお話しされていましたが、触れることの重要性も一緒に考えさせられました。広瀬さんの講演は今月24日に南山大学名古屋キャンパスでも「ユニバーサル・ミュージアムを目指して?全ての人の好奇心のために?」と題して、今回の講演会につづき開催される予定です。(ST)