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特別講演会

2012年10月08日

 10月8日に愛知県美術館では、「だれもが楽しめるミュージアムをめざして」と題した特別講演会が開かれました。講師は国立民族学博物館の准教授の広瀬浩二郎さん。
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 広瀬浩二郎さんは、13歳の時に失明されましたが、筑波大学付属盲学校、京都大学で学ばれて、日本宗教史、障害者文化論を研究、障害や年齢に関係なく誰もが楽しめる「ユニバーサル。ミュージアム」を提唱されています。展示品にさわってはいけない、という博物館の常識をくつがえす試みをされている研究者です。本年3月、広瀬さんが担当する「世界をさわる―感じて広がる」展示コーナーが国立民族学博物館にオープンしています。
 今回は、広瀬さんの学生時代の体験談、ボランティアとの関わりなどをはじめとして、近年研究されている琵琶法師や瞽女についての考察、そして語りから広がる視覚的イメージや美術館、博物館の展示物という情報をいかに情報転換していくのかといったお話を伺いました。 

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 会場は100人近くの聴衆が集まりました。他館の学芸や大学の先生をはじめ、講演会内容から視覚に障害を持った方も多く参加されていましたので、愛知県美術館の講演会としては珍しく複数の盲導犬も静かに座って聞いていました。

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 講演会の中では瞽女の絶える少し前に杉本きくえさんという上越地域の最後の方が縫ったという雑巾を会場内に回覧され、「これが展示ケースに入っていたら、感じられないことも実際に手に取って感じられることがある」と紹介されて、展示物を触って鑑賞する事の大切さに言及されていました。

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もちろん、触ることのリスクについてもお話しされていましたが、触れることの重要性も一緒に考えさせられました。広瀬さんの講演は今月24日に南山大学名古屋キャンパスでも「ユニバーサル・ミュージアムを目指して?全ての人の好奇心のために?」と題して、今回の講演会につづき開催される予定です。(ST)