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東松照明をめぐる夕べ

2013年03月23日

愛知県名古屋出身の写真家、東松照明氏(1930-2012年)。
戦後日本を代表する写真を数多く生み出した東松氏ですが 、惜しくも昨年亡くなられました。


そこで、近年、東松氏の大規模な展覧会を開催した愛知県美術館と名古屋市美術館の担当学芸員が、東松について語る特別対談「追悼 私が出会った東松照明」を3月22日の夜、行いました。

愛知県美術館からは古田浩俊企画業務課長、名古屋市美術館からは竹葉丈学芸員、企画と司会は愛知県美術館の中村学芸員です。

 

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↑ コレクション展の中の東松特集コーナーを、特別にしつらえました。


展示室にて対談、というこれまでにない趣向で行ったところ、作品を前にしているためか、会話も徐々にヒートアップ。

名古屋市美術館と愛知県美術館が東松の展覧会を開催するにいたった経緯の裏話から始まり、東松が1968年に「写真100年ー日本人による写真表現の歴史」展の企画に関わった際のエピソードなど、ここでしか聞けないお話ばかりでした。

 

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また、作品ばかりでなくこういった活動を振り返ると、東松氏が一枚、一枚の写真を生み出すだけではなく、歴史やジャンルといった広い視座から写真を眺め、その視座自体を作り出す能力にも恵まれていたことが分かります。

 

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↑ 穏やかな古田さん(右)と、熱く語る竹葉さん(中央)。


戦後の日本を切り取った硬質なモノクローム写真から、デジタルのカラー写真まで、実に多彩な表現を行った東松照明。あらためてその存在の大きさが痛感されるイベントとなりました。 


そして、名古屋市美術館から愛知県美術館までお越しくださった竹葉学芸員、ありがとうございます。何か次なる研究目標もおありの様子。また、色々とお話くださいね。

(F.N.)

応挙展は連日たくさんの来館者でにぎわっています。

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開館前には多くのお客さんがお待ちかねです 3月17日(日)10時前

いよいよ前期の展示があと1週間を残すのみとなりました。前期にしか見られない作品には《楚蓮香図》《五羽鶴図》《芭蕉図襖》などがありますが、とりわけ国宝《雪松図屏風》はこの機会にぜひとも見ておきたい作品です。

山下裕二先生がカタログにも書いていますが、江戸絵画で国宝に指定されている作品は数えるほどしかありません。しかも若冲も蕭白も芦雪も国宝指定は1点もないそうです。そんな数少ない国宝に指定されている江戸絵画のひとつが応挙の《雪松図屏風》なのです。

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国宝《雪松図屏風》展示風景

特に今回の展示では、遠くから屏風全体を眺められることも好評です。また、展示ケースの下側からも弱い照明をあてていることにより、画面下方にちりばめられた金砂子(きんすなご)が輝き、作品全体が幻想的といえるほどの神々しい美しさを放っています。展示作業の最後にこの屏風の照明を点けた時、私(tm)は涙が出ました。 

《雪松図屏風》を見られるのはあと1週間(24日[日]まで)です。まだご覧いただいていない方はお早めに起こし下さい。

(hf/tm)
 

2007年に愛知県美術館で開催した「プライスコレクション 若冲と江戸絵画」展を覚えていますか。この展覧会では入場者が9万人を超え、たいへん盛況でした。

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《雨竹風竹図屏風》の前で

日本美術の大コレクターとして世界的に有名なジョー・プライスさん夫妻が、山下裕二先生と一緒に応挙展を見に来てくださいました。滞在時間は1時間もありませんでしたが、気になる作品の前ではじっと立ち止まり、自分の世界に入り込んでいるようでした。

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 《牡丹孔雀図」》に見入るプライスさん

今日はじっくりと作品と対話ができなかったので、日をあらためてまた来館してくれるようです。運がよければプライスさんにお会いできるかもしれませんね。(hf)
                     

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山下先生と大乗寺障壁画の前で
 

 

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 △ 「佐藤香菜―森の中へ」展アーティスト・トーク
 
 
 
現在開催中の「APMoA Project, ARCH vol. 5 佐藤香菜―森の中へ」展のアーティスト・トークが本日行われました!
 
 
 
 
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△ 大学卒業制作《物語の生まれる場所》(2007-08年)について語る佐藤香菜さん。
 
佐藤さん(名古屋市生まれ)は、沖縄県立芸術大学に学びました。愛知県内の大学では得られなかっただろう広い制作空間、沖縄独特の自然環境や色彩感覚などが自分の制作に与えた影響などについて最初に語っていただきました。
 
 
 
 
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△ 「シェル美術賞展2008」で本江邦夫審査員賞を受賞した記念碑的作品《始まりの予感》(2008年)。
 
大学を卒業し、沖縄から愛知に帰ってきて最初に描いた作品の一つです。佐藤さんは大学時代からずっと動物をモチーフにしてきていますが、人間を描くと自分の感情や思いがどうしてもそこに入ってきてしまうので、そういうことを避けるために動物を描いているのだそう。
 
 
 
 
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△ 「Dアートフェスティバル2009」にも出品された《森にしずむ》(2008年)[左]と《あんまりおぼえてない》(2007年)[右]。
 
2点とも、画面にはところどころ絵具が生々しくのっています。大学を卒業したばかりのこの頃、それまでの描き方をどこか壊したくて、画面に絵具を投げ付けたりすることを試みたとのこと。これら2点では、それがいいアクセントになって、含蓄深い空間が生み出されています。
 
 
 
 
 
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△ 本展のために制作された最新作《落下する空、昇る海》(2013年)。
 
この作品は展覧会展示作業開始の直前に完成されました。
死産した子象のホルマリン漬けを東京大学総合研究博物館で見、その子象への手向けとしてこの絵を描いたそうです。
佐藤さんの絵には通常、地平線や水平線が描かれることはなく、漠とした浮遊するような空間が広がっているのですが、この新作では落下と上昇という垂直方向の動きが新たに加わっているところも注目です。
 
 
 
本日は、佐藤香菜さんご本人に、会場で自作を前に40分間たっぷり語っていただき、50名近いお客様にお越しいただきました。トーク終盤にはご参加のお客様からも質問がいくつか出て、とても盛り上がったアーティスト・トークになりました。
「佐藤香菜―森の中へ」展は、大学卒業制作から最新作に至る油彩画約20点によって、佐藤香菜さんの現在までの仕事を回顧できる貴重な機会となっています。会場は愛知県美術館展示室6ほか、会期は4月14日(日)まで。円山応挙展と一緒に、ぜひご覧になってください!   (T.O.)

 

 

昨日2月28日、円山応挙展?江戸時代絵画 真の実力者?の開会式を迎えました。愛知芸術文化センターの開館20周年記念イヤー掉尾を飾るこの展覧会、オープン前からも出品内容や前売券等について多数のお問い合わせをいただいておりました。そうした皆様のご期待を示すかのように、開会式には500名を超える多数のお客様にご来場いただきました。

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△テープカットの様子

会場に並ぶ応挙の代表作の数々を、皆さんじっくりと長い時間をかけて鑑賞していらっしゃいました。特に、今回の目玉中の目玉である大乗寺の襖絵の展示は、パナソニックのご協力により、日中から日没までの自然光を再現する照明を設えました。応挙がこの空間に託した演出の意図を感じようと、多くの皆さんが足を止めて、光の移り変わりによる、見え方の変化に見入っていらっしゃいました。

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△皆さんじっくり見入っています。

展覧会は、4月14日までです。お見逃しなく!

展覧会公式ウェブサイト

(T.I.)