2013年06月123456789101112131415161718192021222324252627282930

 コレクション展示室では、会期毎に木村定三コレクションの作品をさまざまな角度からご紹介しています。そして、なんと今年2013年は、木村定三氏の生誕100周年にあたるとともに、作品を美術館にご寄贈いただいてから10年という、コレクションにとって記念すべき年なのです。さらに、このたび新たに『仏教美術』の図録が完成しました!

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 愛知県美術館はこれまでに、木村定三コレクションに関する調査を継続して進めてきました(参照:コレクション調査進行中)。今回の図録には、専門家の先生方のご協力のもと、仏教美術に分類される彫刻、工芸、絵画、書跡を収録しています。少し中身をのぞいてみると…

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 こんな感じで、密教法具や仏画などをカラー図版でご紹介しています。その他にも、タイやミャンマーなど東南アジアの仏像や、刺繍による曼荼羅など、幅広い作品が解説とともに掲載されており、木村コレクションの新たな側面を感じていただける内容になっています。館内のショップにて販売中ですので、ぜひ一度お手に取ってみてください!

 さて、現在のコレクション展示室では、木村定三コレクションの中から「岡本柳南」の作品を公開しています。岡本柳南(1848-1934)は、江戸時代後期から昭和にかけて、名古屋で活動した南画家です。いわゆる「職業画家」ではなく、土木建築の仕事に携わる一方で、福島柳圃(1820-1889)に南画を学んだり、名古屋の南画家・山本梅逸(1783-1856)の画風を研究したりと、地道に絵に対する関心や技術を磨いてきました。

 あまり知られていないことですが、木村コレクションの中にはこの岡本柳南の作品が57点も含まれていて、木村氏がとりわけ熱心に蒐集した作家の一人なのです。愛知県に生まれ、仕事の傍ら美術に情熱を注いだ木村氏は、自身と柳南の経歴を重ね合わせ親近感を抱いていたのかもしれません。茶会記には、木村氏自身が催した茶会にて柳南の掛軸が公開されたことが記されており、木村氏の柳南作品との関わりの一端が窺い知れます。

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 今回の展示では柳南作品を17点まとめて展示しています。プーシキン美術館展でフランス絵画を鑑賞された後には、ぜひコレクション展示室へ!ほっと一息つける空間になっているかと思います。
(KM)