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ドキッ、ヒミツだらけの展覧会

2014年08月01日

夏本番の今日この頃ですが、皆様は猛暑対策にいそしんでらっしゃいますでしょうか。この夏の愛知県美術館は本丸で行われる「これからの写真」展以外にも、各所で同時多発的に熱い戦い、もとい当館所蔵品のお披露目が続いております。既に終了した茶臼山での移動美術館、田原市博物館でのサテライト展示、さらには貸出でご協力した展覧会を含めればきりがありませんが、今日ご紹介するのは大口の陣、もとい大口町歴史民俗資料館でのサテライト展示です。

大口町歴史民俗資料館

 

移動美術館とサテライト展示は、本丸になかなかお越しいただけない方々に、当館の作品をお見せする貴重な機会ですが、同時に日頃あまり名古屋を出ない我々が、様々な地域の文化状況を知る絶好の機会でもあります。また、普段とは勝手の違う空間で、展示に工夫を凝らすのもなかなかの楽しみです。

移動美術館とサテライト展示

 

大口町、私は今回初めて訪れたのですが、昔の市長が企業の工業誘致に力を入れたそうで、資料館に向かう間にも有名企業の大きな工場を目にします。資料館と同じ建物の中にはトレーニングセンターや会議室などもあり、入口は常に人でにぎわっています。曜日によっては館内で市も開かれるようで、展示作業の日には地元で取れた野菜や、焼き立てのパンなども売っていました。ちなみに2005年の移動美術館はここで行われました。

 

今回のサテライト展示は「創作のヒミツ」というタイトルで、制作のプロセスが分かるような資料を集めてきて、作品と一緒に展示しています。現代の美術作品には特殊な技法や素材を使ったものが数多くありますが、一見突飛に見えていた作品も、どうやって作っているのかを知ると、新しい楽しみ方が発見できるのでは?…というのが担当者の目論見です。

 

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展示内容をいくつかご紹介しましょう。まずは今回の目玉と言えるのが、本邦初公開となる浅野弥衛のフロッタージュ台です。実は今年2014年は、浅野弥衛の生誕100年という記念の年。東海地方の戦後美術を支えてきた巨人の偉業を称えるために、この展覧会でもささやかな展示を行っています。それが当館所蔵のフロッタージュと共に展示されている、フロッタージュ台です。フロッタージュというのは凹凸のある所に紙を乗せて鉛筆でこすることで、下の凹凸を写し取るという技法です。2年前のエルンスト展では、ロビーにフロッタージュのコーナーもありましたので、ご記憶の方も多いのでは。浅野弥衛はフロッタージュを作るときに、自分でそのための台を作っていました。この台、勿論作品を作るための単なる道具といえばそうなのですが、台そのものも作品のような魅力を放っているから不思議です。これは是非会場で見てほしい作品ならぬ貴重な資料なのです。

 

今回はエルンスト展の真似をして(それは言うな)、会場にご来場の皆さんにも気軽にフロッタージュを体験して頂けるコーナーを設けました。とはいっても流石に浅野弥衛のフロッタージュ台は使えないので、画家の佐藤克久さんに新たにフロッタージュ台を作って頂きました。浅野弥衛の闘魂を受け継ぐ佐藤さんならではの、素敵な台を用意してもらいましたので、こちらもお見逃し、おこすり逃しなく。

 

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他にも森田浩彰、設楽知昭、山田純嗣、白髪一雄、多和圭三、染谷亜里可、北山善夫、クリストの作品と、資料と共に展示しています。ちなみに大口町歴史民俗資料館は、昨年「アイチのチカラ」展にも出品された倉地比沙支さんの個展を過去に開催したこともあり、館内には倉地さんの作品も展示されています。また、近くには愛知が生んだ建築界の巨人、黒川紀章が設計した大口中学校がありますので、遠目で見学することも出来ます。また、会期中には社本奈美さん(8月24日)、大田黒衣美さん(9月15日)というアーティストによるワークショップ(対象:小学校4年生から中学生まで)もあります。

 

最後に重要な情報を。資料館へはお車が便利ですが、公共交通機関でお越しの方は名鉄柏森駅からコミュニティバス(基幹ルート、もしくは北部ルート反時計まわり)をご利用ください。本数が少ないので事前に時刻表を確認されることをお勧めします。(TI)


大口町コミュニティバス時刻表・乗り換え検索