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展示作業は館内よりも、館外の方が大変!?

2015年02月26日

愛知芸術文化センターでは、現在「アーツ・チャレンジ2015」を開催中です(3月1日(日)まで)。フォーラムと呼んでいるこの建築のエントランスや、地下2階から地上に出る階段の踊り場に相当する場所、11階の展望回廊など、通常はお客様が美術館や劇場といった目的地に向かって通り過ぎるため、ことさら意識に上ることのない空間に、若手作家の意欲的な作品が設置されて、センター内は非日常的で特別な雰囲気が現出しています。また、12階と地下2階のアートスペースも会場になっていて、見ごたえのある現代アート作品が展示されていると、ここもまたいつもとは違った空気が流れている感じを受けるでしょう。
 「アーツ・チャレンジ」は、このように愛知芸術文化センター内の美術館や劇場以外の公共空間に作品を展示するもので、厳密にいうと美術館の企画ではありません。とはいうものの、愛知県美術館がこの企画にまったくタッチしていない訳ではないのです。表立って我々学芸員が展示作業に立ち会うことは少ないのですが、裏方的な立場からのサポートは、かなりのものだと言っていいかもしれません。例えば、非常に地味ですが、展示作品の受け取りという仕事があります。現在開催中の「ロイヤル・アカデミー展」では、専用の美術作品輸送車で、展示する作品をまとまった形で搬入しましたが、この企画では個々の作家がそれぞれ作品をセンターに持ち込む形となります。そのため普通の宅配便で、バラバラのパーツに分解された状態で送られてきたり、あるいは作家本人がレンタカーを運転して搬入したり、といった具合で、その都度、担当学芸員が受け取りの対応を行うことになります。また、個別に届いた作品を、設営日まで保管する場所も確保しておかなければなりません。

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 12階アートスペースHに展示されている江川純太の絵画は、非常に巨大なものでそのままの状態で搬入することは出来ません。実はこの絵画の支持体は3つのパネルに分かれていて、分解したパネルと、巻いた状態にした画布を、屋外庭園から運び込んだのですが、その搬入経路を確保したり、普段あまり使用しないエレベーターを操作することもありました。

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フォーラムや展望回廊は、もともと展示用スペースとして設計されている訳ではないので、通常とは違った作業上の苦労があるのですが、アートスペースも展示室というよりは多目的スペースなので、スペースGの藤井龍の展示ではモニターを直に壁に設置するために、穴を空けても良い仮設の壁をわざわざしつらえたりしています。展示用に特化した展示室では考えられない困難もありますが、その分、展示が完了した時の充足感もまた特別といえるかもしれません。(T.E.)