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 新年に開幕した「大ローマ展」ですが、早いもので、のこすところ1週間となりました。会期は3月22日(月・振休)までです。
ブログでもご紹介したとおり、3月13日の午前中に、ご来館者がついに10万人に到達しました。これは美術館側の事前の予想を大きく上まわる人数で、うれしい限りです。翌14日の日曜日は、3500人を超える方々にご来館いただきました。
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↑展示室で《カリアティド》をみる方々

展覧会の反響は各方面からあり、様々なメディアでご紹介いただいています。
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↑会場の出口に紹介記事を掲示しています。

団体鑑賞などのお申し込みも多数あります。もう終わってしまいましたが、会期中に行われたスライド・トーク(学芸員による説明会)にも、各回とても多くの方がご参加くださり、土曜日の回では、急きょ2回目を実施するほどでした。参加者の方には、席が足りずご迷惑をお掛けしました。
1月のブログにも書きましたが、この展覧会は、愛知県美が最も西の会場です。西日本からのお客様も、春休みにぜひ愛知県美にお越しください。

(M.Ma)


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↑展覧会カタログや、会期中のみ販売されるグッズ類もお買い逃しなく。
 

先日、ブログでも紹介しましたが大ローマ展の入場者が5万人を超えました。その約1ヵ月後の3月13日(土)についに10万人となりました。10万人目の来場者は、瀬戸市から来たご家族で、前回同様に、副館長から記念品がプレゼントされました。

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写真撮影のため、家族を呼ぶお父さんと副館長

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そろったところで記念撮影

10万人というと1日の平均入場者が約1700人となります。すごいです。10万人...どれくらいなのか想像できませんが、愛知県美術館のある東区の人口が約7万2千人なので、東区の人が全員きてもまだ足りないといったところでしょうか。

会期も残すところあと1週間です。ぜひぜひ足をお運びください。

(RK)

今度「小川芋銭と珊瑚会の画家たち」展(4月9日?5月23日)を開催することになりました。
芋銭をご存じない方のために彼をご紹介しましょう。

芋銭は「うせん」と読み、「河童の芋銭(かっぱのうせん)」として有名な画家です。吉田兼好の『徒然草』に登場する芋好きのお坊さんにちなんで自分で付けた画号です。「自分の絵が、芋が買えるほどの銭になればいい」と願ってつけたそうです。江戸の武家の生まれですが、農民となって茨城県の牛久沼のほとりに住み、奥野細道にならって日本各地を旅して、水魅や田園の風物を、時には風刺をこめながら、暖かな眼差しで描いた画家です。

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(H.K.)
 

ローマな1日

2010年03月01日

先日、大ローマ展の関連イベントとして鑑賞ワークショップ「ローマな1日」を3回に分けて開催しました。今回のプログラムは、鑑賞学習ワーキンググループに参加されている先生方の中からボランティアでご協力いただいた方と実施しました。その時の様子を少しご紹介します。

 

高校生対象の回「ローマ人のリアルクローズ」
ローマ人の衣服の一つにトガと呼ばれるものがあります。ローマ展には、このトガを身につけた人物像が展示されているのですが、高校生の回では、それに注目してどのように着ているか作品を見て想像し、実際に着てみるといったプログラムをやりました。


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熱心に作品をみながらスケッチ中

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トガは、8角形を半分にした形で、サイズが幅約1.5m×長さ約6mの大きな布です。
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大きな布を身体に巻きつけ、着方を探っています。ぐるぐるに巻いてしまい歩きにくそうです。腰に巻いている紐は、当館の友の会の方々に作っていただいたものです。


中学生対象の回「タイルでモザイク」
タイトル通り、タイルを使ってモザイク画を作りました。ローマ展をじっくり鑑賞して、モザイクに挑戦です。小さなタイルを組み合わせて、様々な模様のモザイクが出来上がりました。


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角から始めたり1列ごとにならべたりと並べ方も人それぞれです。

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小さなタイルを並べるのはけっこう大変

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素敵なモザイクができました。


小学生対象「金貨をゲット」
ローマ展では、胸像や立像をみたり、壁画をみたりしてローマ人やその生活を感じました。その後、粘土を使って、金貨を作り(ゲットし)ました。金貨に表された皇帝の姿は、全て横顔のため、みんなも横顔に挑戦です。



金貨を鑑賞


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横顔を作るのは難しそう

 

全ての回において、参加者も先生方も楽しく取り組むことができました。また、高校生の回で使ったトガは、小・中学生の回でも使用し、先生はすっかりローマ人になりきって、身につけたまま展示室へ行き鑑賞時の説明などをしていました。

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写真左にトガをきた人がいます。

(RK)
 

現在開催中の「あいちアートの森」の堀川会場・東陽倉庫テナントビル2Fにて、今週末“アーティストトーク&ライブパフォーマンス”を開催します。
日時は次のとおりです。
↓↓↓↓↓
2月21日(日)
14時?第一部:出品作家4名によるアーティストトーク
16時?第二部:出品作家山田亘によるライブ&トーク

第一部は、4名それぞれが、自作についてリレー式でトークをします。
これに参加すると、複雑な会場も迷子にならないで展示を見ることができますよ。

一番手は、▽大島成己さん。

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都市風景の中で、ビルのガラス窓に幾重にも映り込んだ様子を撮影した写真作品です。どちらがガラスの手前で、どちらがガラスの向こう側なのか、見れば見るほどわからなくなるという不思議な感覚になります。

さて、つづいては、▽寺田就子さん。

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これは出品作品の一部です。
プラスチックやガラスといった透明なものをよく使われているようです。砂のない砂時計に光が差し込んでできる影。日常の何気ない一瞬に、こんな光景がある。でも気がつかずに過ぎ去ってしまうことのほうが多いような・・・。

三番手は、▽設楽陸さんです。

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じっくりみていくと、ヘンテコな物体がたくさん描かれています。
「これはなんだ!」と思いますが、実際に歴史の本や美術の本に載っている図像とのこと。実在のものと空想のものとが入り交ざった画面は独特です。

最後は▽大崎のぶゆきさんです。

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女の人の顔がだんだん崩れていき最後には消えてしまう、映像作品です。
“リアリティの不確かさ”を表現したいと大崎さんは言っています。どうして女の人の顔に着目したのか気になります。

以上4名の作家へ、制作について質問をしながらお話を聞きます。

つづいて、山田亘さんによるライブ&トークを行います。
まずは、山田亘さんと村田仁さんによるユニット“楽器工事”のライブパフォーマンスがあります。どんなライブになるのか、これから楽しみです。
その後、山田亘さんが自作について語ります。

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△山田亘《君の不在について》

様々な風景の中に置かれた椅子が4つのモニターに映り、“そこにはいない誰か”のことを話す声が流れています。タイトル《君の不在について》にあるように、“不在”と“存在”の関係について訴えてくるようなメッセージ性の強い作品です。

21日は、計5名の出品作家が来場します。
生の声が聞けるこの機会をお見逃しなく!!
(KO)

大ローマ展が開会して約1ヶ月が過ぎ、2月10日の午前に入場者がついに5万人に到達しました。これを記念して美術館のロビーでちょっとしたセレモニーが行なわれました。5万人目の入場者になられたのは東郷町にお住まいの脇田秀夫さんで、奥様とローマ展を見に来られたようです。

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↑村田副館長から記念の品である大ローマ展の図録などが手渡されました。

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↑NHKテレビの取材も入り、当日お昼のローカルニュースでもさっそくとり採り上げられました。
 

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↑記者から取材を受けています。

次の目標は10万人です。もしかすると10万人目になるのはあなたかもしれませんよ。

(HF)

現在開催中の「あいちアートの森」、堀川プロジェクトのメイン会場「東陽倉庫テナントビル2F」にて、1月30日にアーティスト・トークを開催しました。

出品作家の関智生さんと加藤マンヤさんに、自作について語っていただきました。

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△まずは、関智生さんによる解説を聞きました。

イギリス留学時代に取り組んでいた制作方法等についての詳しい説明の後、日本に戻ってきてから改めて考えさせられたことや影響を受けた作品の紹介をして下さいました。最後に、展示作品の技法や見どころについて教えて下さいました。

関さんは「反射/反復/反転」を課題において作品制作をしているということでした。今回の出品作品は「日本の自然の緑」を「緑の補色である“赤”」で描いた風景画です。明るく見えるところに色をつけ、暗く見えるところは色をつけないという、水墨画のような手法をとっています。実際の風景をそのまま描くのではなく、写真のネガ・フィルムのように色彩や濃淡を反転させて描いていることがわかりました。

 

続いて、加藤マンヤさんの展示ブースへ移動し、お話を聞きました。

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△テーブルに見える白い作品についての説明を聞いているところ。

この作品は、食用の豚の油を精製したラードで形づくられた土地の上を人形が多数配置され、そこに作家が行ったことのある場所が投影されています。ラードは「人類に欠かせない食の歴史」を暗喩し、投影された場所を行き交う人々(人形)は、かつて自分がいた場所で今も続いている人々の人生であったり、すでに自分の中では止まってしまっている人々の記憶であったりを表している、ということでした。

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△加藤マンヤ《マーキング中毒》2008年

これは、これまでの制作話に出てきた作品のひとつです。本や雑誌を読んでいて、重要だと思うところに目印として付箋をつけることがありますよね。この《マーキング中毒》は、付箋を貼りすぎてしまうと“付箋(重要だと思うところ)”の意味が無くなってしまうことを投げかけている作品です。マンヤさん曰く「常識だと思っていることが、よく考えてみると実はおかしいことがある。FannyというよりCynicalを意識しています。作品を見た人が、自分の日常の中で同じようなことを見つて楽しんでもらえたらいい。」
マンヤさんの作品には、思わず“にやり”としてしまうユーモアがあります。

 

加藤マンヤさんは2月6日からスタートする常滑プロジェクトにも出品します。《マーキング中毒》を含む9点が、中部国際空港(セントレア)のPカウンターに展示されます。こちらも要チェックです。

今回は、作家さんの制作過程で考えていることを教えていただき、作品を見るときのヒントになりました。貴重なお話をしていただき、ありがとうございました!

アーティスト・トーク第三回は、2月21日(日)午後2時?を予定しています。
(KO)
 

 「あいちアートの森」、堀川プロジェクトのメイン会場の「東陽倉庫テナントビル2F」で、1月23日(土)に出品アーティストによるトークを行いました。会場でも奥まった部屋で展示している3名の作家さんに参加していただきました。

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△右から、村田千秋さん、栗木清美さん、沢居曜子さん。(筆者)

奥に見えるのは村田千秋さんの作品です。

三作家へインタビューする形でトークを進めました。

  • 制作を始めたころの時代背景について

70年代に制作を始められた沢居曜子さんと村田千秋さんは京都市芸術大学の同級生。
「学生紛争の時代で、普通に絵を教えてもらう、普通に絵を描くような環境ではなく、“なぜキャンバスを選ぶのか”“なぜ油彩を選ぶのか”など、それを選ぶ“必然性”をとにかく問わなければいけない時代だった」とのこと。村田さんは「(師である)堀内正和さんの学内ばかりでなく学外での教えも、自分にとっては影響が大きかった」ことをお話いただきました。
一方、80年代に制作を始められた栗木さんは、「70年代の作家は“社会”を考えて制作していたように思う。80年代は海外からの情報も多く、技法も多種多様になり“自分は何をしたらいいのか”を考えさせられる“個人主義”な時代でした。」とのこと。
時代背景と共に作家の考え方や制作の姿勢も変動していくことがよくわかりました。

  • 自作について

展示してある作品についてお話いただきました。

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△栗木清美さんの作品
栗木さんは30代に色について悩み、無彩色といわれる黒・灰・白のみを使って描くことに決めた経緯などを教えて下さいました。

 

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△奥に見えるのが、沢居曜子さんの作品
沢居さんのここに展示してある作品は、ここでしか見られません。
会期が終わったら、壁にはりつけた正方形の青色のキャンバスを剥がさなければならないからです。「記録として残るだけで十分。作品は残らない方がいい。」とスパっと言い切る沢居さんでした。

  • 最後に「東陽倉庫会場でオススメの作品」を伺ってみました。

沢居さん→a Ghost from the Little Forest in the North。
栗木さん→村田千秋さん、沢居曜子さんのように自分から突き放している作品。
村田さん→映像の大西伸明さんの作品。
理由も三者三様で面白いお答えをいただきました。

 あっという間にお時間がきてしまいました。
 出品作家さんの生の声が聞けるって本当に貴重な経験だと実感しました。生きている“今”しかできないことですから。

 作家の生の声が聞ける、アーティスト・トーク第2回目の開催を予定しています。予定参加作家は、下のお二人です。

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△加藤マンヤ作品《大和カントリークラブ》
戦艦大和の上にゴルフ場です。

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△関智生作品

加藤マンヤさんと関智生さんが、それぞれ自作について語ります。
★1月30日(土)午後2時?(1時間程度)展示会場にて
皆さんのご来場お待ちしております!
(KO)

 現在開催中の「あいちアートの森」、堀川プロジェクトのメイン会場が「東陽倉庫テナントビル2F」です。

 70年代のボーリングブームのときには“ボーリング場”として、その後“配送センター”などを経て、最終的には“マンションのモデルルーム”として使われていた場所です。バブルのかおりも漂う、現代日本ならではの特殊な空間が「アートの森」に変身しました。

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△会場入口

つい通り過ぎてしまいそうな場所にあります。
向かい側に、本年開削400年という歴史ある「堀川」という川が流れています。

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△モデルルーム時代の豪華な“バスルーム”

倉地比沙支さんの手にかかればこの通り。作品をたどると、バスルームのストーリーがみえてきます。

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△モデルルーム時代の換気用ダクト部屋

巨大な黄色カタツムリのような物体は、沖啓介さんの作品《空圧タトリン》。

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△廃材置き場だった場所

a Ghost from the Little Forest in the Northの作品。扉も開けられないほどのゴミの山が、アメリカの50年代風隠れ家に変身しました。ゴミの山から出てきたものを使用していて、パワフルなエネルギーが感じられます。ずっと奥まで進んでみてください。

 巨大迷路のような会場には、36作家、約110点におよぶ作品を展示しています。どの作品も、ココでしか見られないものですよ。
(KO)

まちあるき×アート

2010年01月19日

現在開催中の「あいちアートの森 - 堀川プロジェクト」、会場が7ヶ所に分かれていますが、そのうちの円頓寺・四間道界隈の会場についてご紹介します。

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△円頓寺商店街の路地。時代が巻き戻されたような、趣きただよう一角。

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△会場の一つ、「伊藤家 蔵」
江戸時代には、尾張藩の御用商人をしていた伊藤家。堀川の水運を利用して家業を営んでいたといいます。実は2010年は堀川開削400年!この蔵も200年のときを経ています。

もう一つの会場となる「水谷邸」は、もとは病院兼住宅として使われていました。

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△洋風の外観をもつ「水谷邸」
中に入ると、洋風の部屋と純和風の部屋が混在しています。

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△村上史明さんの作品
飛行機をのぞくと、何がみえるのでしょう。

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△庄司達さんの作品
狭くて急な階段をのぼると、そこには・・・。

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△勝翔子さんの作品
扉の入口からわずかに見える大きいドーナツのようなものは、近づくと人毛で作られているのがわかります。

「水谷邸」の風情を感じたあと、少し歩いてみましょう。
すると古い町屋を利用した隠れ家的な雑貨屋さん「月のののうさ」が目にとまります。
中に入れば素敵なお姉さんが迎えてくださいますよ。

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△磯部聡さんの作品

「月のののうさ」の庭先を会場として使わせていただいています。

ちなみに、堀川と並行して走っている「四間道」は、名古屋市まちなみ保存地区に指定されています。「四間道」と書いて“シケミチ”と読みます。なかなか読めませんよね・・・。江戸時代、大火を避けるために道幅を四間(7m強)に拡張したことからこの名が付いたようです。

アートを楽しみながらの下町をぶらぶらおさんぽ、いかがでしょうか?
(KO)(KS)
 

テニスクラブ×アート

2010年01月19日

現在開催中の「あいちアートの森」の堀川会場の一つに、「ナゴヤインドアテニスクラブ」があります。

営業中のテニスクラブの1階を、今回の展示のために貸していただきました。オーナーさん、ありがとうございます。

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△テニスクラブの展示風景
奥に何かあります。近づいてみましょう。

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△山田純嗣《インスタレーション》

なんと!テニスマシーン(ボールが飛んでくる機械)がアート作品に変身しています。
下に転がるは、テニスボール。
(今は展示で使用中止ですが、このテニスマシーンは動きます。)

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△原裕治さんの作品

約50のパーツを積み重ねて一つの作品になっている、右側の作品。
チェーンソーで木を削り、人の指紋を描いています。

階段を上れば、上から作品を眺めることができます。

ちなみに2階はテニスクラブ営業中。
アートを愉しんだあとに、スポーツで一汗ながしてみてはいかがでしょうか?
(KO)



 

大ローマ展、開幕

2010年01月07日

あけましておめでとうございます。

今年もこのブログでは、愛知県美の最新のできごとをご紹介していきます。どうぞよろしくお願いします。
 

新年の愛知県美は、今年度最後の企画展「大ローマ展」で幕を開けます。6日からの公開を前に、5日に開会式と関係者の内覧会が行われました。

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↑開会式のテープカット。美術館のロビーが満員になるほどの盛会でした。

「大ローマ展」は、古代ローマ帝国の繁栄を当時の作品を通じて紹介する大規模な展覧会です。開会式・内覧会には、ふだんにも増して多くの方が出席されました。イタリア各地から選りすぐられた彫刻、絵画、工芸品や日用品などの貴重な作品は、いずれも約2000年も前のものです(ほぼイエス・キリストの同時代です)。しかし、その遠い時間がかえって不思議に感じられるほど、現代の私たちの目にも色あせていない、美しさ、完成度をそなえています。会場では、日本がまだ弥生時代だったころに、これほど質の高い文明が栄えていたことや、現代に通じるその新しさに驚く声が多く聞かれました。
展示作品には、日本初公開のもの、イタリアでもふだんは見ることができないものも多く含まれており、鑑賞のまたとない機会となります。日本でこれだけの規模で古代ローマの遺産が紹介されること自体、めったにないことです。

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↑《皇帝座像(アウグストゥス)》

ローマ神話の最高神ユピテルの姿になぞらえて作られた、巨大な大理石の皇帝像です。

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↑(《アレッツォのミネルウァ》

紀元前3世紀、ギリシア時代のブロンズ像で、イタリア国外に出ること自体が通常ではありえないとされる重要作品です。

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↑(《豹を抱くディオニュソス》

東京大学の発掘調査団が、ヴェスヴィオ山麓で発掘し、大きな話題となりました。とても優美な青年像です。

展覧会は、このあと2会場を巡回しますが(青森県立美術館、北海道立近代美術館)、愛知県美が最も西の会場に当たります。関西方面からのお客様も、ぜひお待ちしています。愛知県美での展覧会は3月22日まで。この春、古代ローマへの旅をお楽しみ下さい。

(M.Ma)
 

1月6日から始まる大ローマ展にあわせて、鑑賞ガイドを作成しました。ご協力いただいたのは、愛知県美術館の鑑賞学習ワーキンググループの中学・高校の有志の先生方です。お忙しいなか、10月から11月の土日にミーティングを幾度か行なって、準備してきました。お集まりいただいた先生方の専門教科が、美術のみならず、国語、歴史と多分野であったことから、ご専門を活かしたアイディアが内容に反映されました。
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↑打合せの様子


実際の展覧会を見ずに作成しなくてはならないため、本展カタログやローマ関係の資料を手がかりに構成を検討し、まず、古代ローマについて、来館者がどのようにイメージするのかという点から意見が交わされました。そうしたなか、中学校で使用する副読本の歴史年表には、ローマ帝国の滅亡の事項から始まるものがあるという指摘があり、中学生以上を対象のガイドとするには、まず古代ローマについてなにがしかイメージ出来るように、古代ローマ予備知識を載せようという方針が決まりました。

古代ローマ帝国の地図や年代史といった情報はもとより、国語の先生からのご提案で、ローマに関することわざ・格言も載せることになり、古代ローマの歴史的事件がよりリアルにドラマチックに感じられるようになりました。

さらに、こうした歴史的事件や状況を視覚的に印象づけるための挿絵も先生方が描きました。ここにご紹介するのは、紙面の都合上、残念ながら掲載できなかった挿絵です。

中学校の美術室に、古代ローマの胸像をモデルとする石膏像があるということからイメージされたものや、当館所蔵作品の古代ローマ人を描いた梅原龍三郎《若き羅馬人》など。古代ローマを中学生にどのように身近に感じてもらえるか、学校現場にいる先生方ならではのご発案によるものでした。

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↑皇帝ネロ

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↑ローマ石膏像を写生する女子中学生

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↑愛知県美術館蔵 梅原龍三郎《若き羅馬人》

ご協力いただいた先生方、どうもありがとうございました。


大ローマ展は展示の準備も着々と進み、1月6日からいよいよ開会します。鑑賞ガイドを片手にどうぞ展覧会をお楽しみください。

(MF)



 

 本年度の目玉、「大ローマ展 古代ローマ帝国の遺産 栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ」が、お正月明けからいよいよ始まります(2010年1月6日[水]から3月22日[月・振休]まで)。現在、展示作業の真っ最中です!

 

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▲この巨大な箱の中にアウグストゥス像が!

 

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▲アウグストゥス像が姿を見せる瞬間。

 

 本展のメイン作品《皇帝座像(アウグストゥス)》の展示作業風景です。とても大きくて重い作品なので(2メートル15センチ、約3トン)、「門型」(もんがた)と呼ばれる機械を使って吊り上げ、苦労して展示台の上に載せました。箱が外され、アウグストゥスの神々しい姿が現れると、作業を見守っていた皆の口から、思わず「おお!」という感嘆の声が漏れました。

 

 

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▲組み立て前の《アレッツォのミネルウァ》。所蔵館の担当者が各パーツを点検中です。

 

 本展特別出品となる古代ギリシアのオリジナルのブロンズ像《アレッツォのミネルウァ》です。1体の彫刻作品ですが、このようにいくつかのパーツに分かれます。

 

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▲だんだん組み上がって来ました。

 

 時間をかけて、パーツを1つ1つ丁寧に組んでいきます。ようやくあとは首だけとなった段階で、周囲の期待はクライマックスに! 無事に首が据えられると、皆の大きな拍手が会場に鳴り響きました。

 

 

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▲ポンペイの「黄金の腕輪の家」の壁画群。

 

 ポンペイにあった豪奢な個人邸宅「黄金の腕輪の家」の壁画《庭園の風景》の内の二壁分が、元の配置のままに展示されます。東壁(左側)の3段と南壁の2段が組み上がったところです。このあと、東壁の方にはさらに「ルネッタ」と呼ばれる半円形の部分が載せられ、全高は展示室の天井(5.5メートル)ギリギリにまでなります。

 

 

 こんなふうに見所いっぱいの大ローマ展ですが、それらがどのようにして展示されたのかを思い描きながら各作品を鑑賞していただければ、きっと展覧会の面白さが増すことと思います。展示作業は順調に進行中。お正月明け6日からの公開です。どうぞお楽しみに!
(T.O.)

 あいちトリエンナーレに向け、所蔵作品展内の展示室6で若手作家を紹介している「現代美術の発見」シリーズ。第4回の宮永春香さんは1980年石川県金沢市の生まれで、2008年に金沢美術工芸大学大学院の博士課程を修了。愛知県が2007年から開催している公募「アーツ・チャレンジ 新進アーティストの発見inあいち」の2009年入選者でもあります。

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《FEITICO 抜け殻》2009年
真っ白な毛糸の編み物のように見えますが、この作品、磁器なんです。いったいどうやって作るのでしょうか?

 

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金澤アートイベントカレンダー『Equal』vol.12より
紙紐をかぎ針で編んだものに磁土をドロドロにした泥漿(でいしょう)をしみ込ませ、高温の窯で焼くと、紙紐は完全に焼失して中空の磁器になります。

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アトリエの机
紙紐と磁器。同じような形でも、印象が大きく違いますね。

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虚(そら)と骨》2003年
こちらは宮永さんが大学の学部を卒業した2003年の作品。器の外側と内側の空間が入り組んだダイナミックな造形ですが、これも紙と紙紐で作ったチューブによる立体に陶土を付け、紙が焼失した抜け殻が形となったもの。

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宮永さんはより複雑な形を作るために「編む」技法を始めましたが、できた形象からお守りのような意味性を感じて、ポルトガル語の「護符」にもとづくFEITICO(フェティシェ)というタイトルをつけました。今回出品の35点の中に、きっとあなたの心に響く形がみつかることでしょう。

(TM)
 

 文化庁の地域文化芸術振興プラン推進事業として、県内6ヶ所で現代アートやパフォーマンスなどを展観する『あいちアートの森=アートが開くあいちの未来=』が開かれます。そのうち二つのプロジェクトが、いよいよ12月からスタートします。

 5日から始まる「東栄町プロジェクト」は、廃校となった旧新城被東高校本郷校舎を使います。11月27日に、山本富章さんの作品設営へ行ってきました。

 10:30、倉庫に保管してある作品の積み込みをスタート。巨大な作品パーツに圧倒されながら、(トラックに乗るのか?)と不安に襲われました。

 案の定、4tトラック2台がいっぱいになってしまい、急遽4tトラックをもう一台呼ぶことに。二時間かかって積み込みを終え、さあ、東栄町へ出発。

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 愛知県の東端にある北設楽郡東栄町へ約三時間かけて到着、現在は廃校となっている高校の体育館へ作品を積み下ろします。

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 16:00、いよいよ展示開始です。

 まずは、梱包材を解いていきますが20年ぶりに作品を出すため、薄紙が作品に貼り付いてなかなか取れません。貼り付いてしまった紙は丁寧に剥がして、柔らかい布で綺麗に拭き取ります。

 そうして、試行錯誤しながら作品を組み立てていきます。

 重いパーツを5mの高さまで担がなければいけない状況も、作品を足場にして(!)クリアしていく作業員さん。

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 山本富章先生は、この巨大な作品を誰の手も借りずに、たった一人で制作したそうです。

 展示しながら、「20年ぶりで懐かしいとかじゃないね。よく一人で作ったと驚くよ、本当。40歳だったからできたことだと思うね。」と呟く先生。

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 そう、この作品は、20年前に幕張メッセで展示されて以来、二回目のお披露目となるとても貴重な作品なんです。体育館の広さを生かして展示した対作品は、床に引かれているラインや、天上から降りているバスケットゴールなどと、絶妙なハーモニーを奏でています。
先生曰く「20年たっても迫力あるでしょ。」

 作品の門で写真撮影もできます。この門で撮影すると元気と幸せが訪れるかもしれませんよ。

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 23:30、無事に作業終了。立派な作品がお目見えです。全体像はもったいないので、ここではお見せできません。

 是非、東栄町の旧新城東高校本郷校舎、体育館へ足をお運びください。一見の価値あります!!

あいちアートの森公式ホームページ⇒http://aichiartnomori.com/
(KO)
 

自画像展 記念講演会

2009年11月18日

先日、本展出品作家である、田沼武能(たぬま たけよし)さんにお越しいただき、記念講演会を開催しました。「あの時写真家たちが見たもの」というタイトルが付けられた講演会では、田沼さんご自身の当時のことから、今回出品作家の方々の活動までお話いただきました。


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↑田沼武能さん


色々なエピソードをお話いただきましたが、中でも興味深かったのが土門さんとの始めての出会いの場面です。

田沼さんが、土門さんの助手をしていたサンニュースの先輩の人と土門さんのお宅へと遊びに行き、2階の書斎でコンタクトプリントを見ていたところに、土門さんが帰宅。その様子を見た土門さんは、仁王立ちになり顔を真っ赤にしたそうです。当時、田沼さんは木村伊兵衛さんの助手をしていたこともあり、スパイと思われて当然だったようですが、怒鳴るようなことはなく、その後、お茶を出されたそうです。
そこでは、土門さんとその助手がいる中、木村さんの現像で使っている現像液の種類や時間などの暗室での処理を詳しく聞かれたそうです。スパイをしに土門さんの所へ行ったわけではないですが、逆に木村さんの仕事を聞かれるかたちとなってしまったみたいです。しかし、このことについて木村さんが怒るようなことはなく、それ以来土門さんにも可愛がってもらった、と話してくれました。

 

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↑会場風景(スクリーンに映っているのは、1949 年に浅草国際劇場屋上で撮影された田沼さんの《SKDの踊り子》です。 )

 

そのほかにも、色々な話を聞くことができました。田沼さんから、当時の様子を生の声で聞けたことは、大変興味深く勉強にもなり、また、聴講者からの質問にも丁寧に答えられ、有意義な講演会となりました。

(RK)

 6日(金)から、『日本の自画像』展が始まりました。今回の展覧会は、愛知県美術館ではめずらしい、写真の展覧会です。ちなみに、当館初の写真展は2006年に開催した「愛知曼陀羅?東松照明の原風景」展です。

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上の会場写真をみると、はらっぱ展の時のウキウキするような楽しげな雰囲気から、ガラリと替わり、しっとりとした落ち着いた雰囲気になっています。作品点数は、特集展示も合わせると236点もあり、写真作品以外にも今回の出品作家が当時出版していた写真集の初版本も数点展示されているので、かなり見ごたえがあると思います。展示室にあるイスで休憩しながらみるといいと思い、各所にイスを設置したので、ご活用下さいませ。
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基本的に、企画展では一般公開に先駆けて、開会式を行い、関係者をお呼びして展示をご観覧いただく内覧会というものを実施しています。(過去の記事にも何回か登場していますね。)美術館関係者がたくさん集まるVIPな集まりです。もちろん自画像展でも開会式&内覧会を開催しました。当日は、テレビクルーがきての取材もありました。どこかのタイミングでテレビ放映されるかもしれません。ちなみに、テレビ愛知です。


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開会式での1枚。

自画像展、始まって1週間ですが、会期が短いので(12月13日まで)、お早めにお越し下さい。今週末には、出品作家の田沼武能氏による記念講演会も開催されるので、ぜひご来場下さい。

(RK)

 

 

  国立西洋美術館で開催中の「古代ローマ帝国の遺産―栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ―」展は、来年正月からいよいよ愛知県美術館で開催です。正式な展覧会タイトルは長いので、愛知会場では「大ローマ展」というタイトルをメインで使っています。愛知県美術館で開催される古代文明をテーマにした企画展としては、2002年のポンペイ展、2006年のペルシャ文明展に続く3回目になります。愛知会場のポスターやチラシなどをすでにご覧になられた方も多いのではないでしょうか。たくさんの来館者が想定される展覧会なので、前売りや広報活動をいつもより早くから始めています。

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↑愛知県美術館ロビーに掲示されているポスター 左に一部見えているのは国立西洋美術館のポスター

 どの作品を展示室のどこに配置するといういわゆる展示プランを練り、作品を展示するためにどういう台やケースが必要になるのかということを考えるにあたり、すでに開催中の国立西洋美術館(略称西美:セイビと読む)の展示をO学芸員と下見してきました。当日は愛知県美術館(略称県美:愛知県内のみ通用)をはじめとする各巡回館の担当学芸員が参集し、西美でこの展覧会の展示を指揮したTさんの解説を受けながら展示会場や空箱を納めた収蔵庫を見せてもらいました。

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↑国立西洋美術館 古代ローマ帝国の遺産展 会場入口

 一番大きな大理石彫刻《皇帝座像(アウグストゥス)》は重さ3トン。10階の県美にこの作品を上げるためのエレベーターの重量制限はなんとかクリアです。エレベーターに載せられない作品は基本的に展示できないのが県美の宿命です。西美では床下に梁が通っている場所にこの作品を展示しているそうです。県美でも図面で建物の内部構造を確認して、梁の上にこの作品がくるような展示プランを作る必要があります。床面積当りの耐荷重が足りないというわけではないのですが、そうした場所に重い作品を設置しておいた方が絶対的に安心だからです。

 
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↑《皇帝座像(アウグストゥス)》 彫刻が乗る草色の台座の中は、重量に耐えられるよう鉄骨で頑丈に骨組みされています 

 作品が大きいと、それが入ってきたクレートと呼ばれる木箱も大きくなります。《皇帝座像(アウグストゥス)》の場合、縦横が約2mに高さが約3mで、内箱もある二重箱になっています。作品の抜け殻とも言うべきクレートは、展覧開会期中は収蔵庫など温湿度が管理された部屋に保管しておかないといけません。この大ローマ展くらいの規模になると、クレートの容量が半端ではないのです。県美にはそうしたクレート類を一時保管するための部屋がありますが、果たして全部入るのかちょっと心配です。

 バーチャル・リアリティの映像も見せてもらいました。「これって本当にバーチャルなの?」って思うくらいにリアルです。西美でもこのコーナーは予想以上に人気だそうです。今から楽しみですね。

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↑この壁画断片のありし日の様子がバーチャル・リアリティ映像で見られます

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↑宝飾品も綺麗に展示されています

(HF)

 ただいま愛知県美術館で開催中の「放課後のはらっぱ」展。実は、この美術館では初となる試みが行われています。それはボランティアによるガイドツアー!展覧会の説明を専門とするボランティアスタッフが、「放課後のはらっぱ」展の見どころを、お客様と展示室を回りながらお話してくれます。
 このガイドツアー、開始するまでに実はかなりの研修が行われました。ガイドボランティアをつとめる方々は各アーティストや作品の細かい情報まで学んできたのです。ガイドマニュアルも、ボランティアさんたちの意見を取り入れつつ作りました。
 とは言え、実際にお客さんを前に話すときは、それぞれのガイドボランティアさんの個性が出るものです。実際、櫃田作品を前にすると言葉に熱の入る方もいれば、教え子さんの活動に共感しながらお話する方も・・・。どんな方のツアーに参加するかによって、展覧会の見え方もちょっと変わってくるかもしれませんね。
 毎週土曜、日曜と祝日に、午前11時と午後2時の計二回行われています。申し込み不要、参加費無料なので、ツアーに参加してみたい方は愛知県美術館のロビーにお集りください。

 

 

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↑この看板が出ている日にはガイドツアーがあります。

 

 

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↑あいちトリエンナーレ2010プレイベント「後ろの正面」展の会場運営ボランティアによる日誌。ボランティアさんは、こういう交換日記のようなものをつけています。



また、自分もガイドボランティアをやってみたい、という方にもお知らせ。これからもボランティア募集が行われるので、あいちトリエンナーレのHPをご確認ください。(ガイドボランティア以外にも、作品とお客さんをつなぐ会場運営ボランティア、アーティストと一緒に活動するアーティストサポートボランティアなんていうのもあります)。皆様の参加をお待ちしております!

 

 

 

 「日本の自画像展」の準備は、ポスターもできあがって、いよいよ最終段階を迎えています。

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この展覧会では、木村伊兵衛、東松照明、土門拳、奈良原一高といった著名な写真家11名の作品168点をご紹介します。これらの作品には、敗戦直後の厳しい社会状況から、復興の道を歩み、経済成長を軌道にのせた20年間が記録されています。そこにはたとえ貧しくても、明るく、力強く生きてきた人々の姿があります。敗戦の傷跡、占領下での生活、伊勢湾台風の被害、歌声喫茶など、当時をご存じの方々は、その情景にご自身を重ね合わせていただけることでしょう。より若い世代の方々には、ご両親、お祖父さんやお祖母さんたちが生きてきた時代を、きっと身近に感じていただけるに違いないと思います。
 ポスターの作品は土門拳の《紙芝居》です。まだ家庭にテレビがなかった頃、子どもたちの楽しみは、街角に集まって楽しむ「紙芝居」や「しんこ細工」でした。紙芝居を食い入るように見つめる子どもたち、そこに自分もいるように感じていただける方も少なくないと思います。そういえば髪型も、男の子は刈り上げで前髪を揃え、女の子は「おかっぱ」がお決まりでした。テレビやパソコンが普及して、いつの間にか私たちの生活は大きく変わってしまいました。放課後も塾に通い、家にいてもテレビゲームなどに熱中しているせいか、街中で遊ぶ子どもたちの姿を見かけることは少なくなってしまいましたが、ここには皆で遊ぶ元気な子どもたちがいます。
「あの時 私は」という言葉には、写真家それぞれが何を見ていたのか、そして作品のなかの一人一人がその時代をどのように生きていたのか、ということへの思いが込められています。
 日本を代表する写真家たちの優れた作品と、そこに記録された時代と人々、その両方を楽しんでいただける展覧会です。また、同時に当館所蔵の東松照明《愛知曼陀羅》から、選りすぐりの作品も特集展示します。どうぞお楽しみに。
(MuM)

 10月10日から、いよいよ長者町地区であいちトリエンナーレ2010に向けたプレイベント「長者町プロジェクト2009」が始まります。長者町は、名古屋駅と栄のちょうど真ん中に位置する全国でも有数の繊維問屋街でしたが、繊維不況で空き店舗が次第に増えました。しかし、街の人たちのなかで、長者町を再生しようという気運が高まり、最近ではカフェやギャラリー、レストランなどを誘致して次第に新しい装いを見せ始めました。そんな長者町で、9組のアーティストがさまざまな作品を展開する、という展覧会です。 

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▲インフォメーションセンターと展示スペースへと改装されつつある「長者町繊維卸会館」。築約60年!雰囲気あるでしょ? 

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▲昼間はこんなかんじ。 

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▲ 二階のはこんなふうに。懐かしさを覚える雰囲気です。

  イベントも盛りだくさんで、10月9日には石田達郎とジム・オヴェルメンによるパフォーマンス、12日には山本高之+出口尚宏による「みがきッコ」パフォーマンス、10日から15日まで淺井裕介の公開制作などなど、まだまだいろいろあるので、詳しくは公式ウェブサイト(http://aichitriennale.jp/chojamachi/)をチェックしてみてください!


より大きな地図で 無題 を表示

▲長者町繊維卸会館の場所はココ。地下鉄丸の内駅からも伏見駅からも徒歩圏内です。

 また東海ケーブルチャンネルさんで放送中の、「あいちトリエンナーレTV」でも長者町情報が特集されています。動画はこちらから→(http://www.doga.pref.aichi.jp/ch5/index.html)。

(KS)

先日、放課後のはらっぱ展で二つのイベントが開催されました。出品作家が講師となり、参加者のみなさん、スタッフのみなさんと、はらっぱで思いっきりあそびました。

一つ目は、9月12日に開催された櫃田珠実さんによる「はらっぱのつまみぐい」。作品を見て感じたことをつまみぐいしてオリジナルの缶バッチを作ろうというものです。
珠実さんから簡単なレクチャーを受け、その後色鉛筆とバッチ用に丸く切った紙を持って展示室へ。みなさん、気になる作品や好きな作品を前にして、つまみぐいの開始です。thmnl_ha02.jpgthmnl_ha01.jpg

展示室でのつまみぐいに満足したら、作業スペースに戻り、水性ペンやクレヨンなどを使って、さらに描き足したり、新たに描いたりもしました。これぞっと思うものを二つ選んで、バッチにしていきます。
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たくさんの素敵缶バッチができあがりました。
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おまけ
缶バッチの制作見本として、珠実さんが用意してくれた、はらっぱ展出品作家のみなさんによるバッチです。どれが、どの作家さんによるものか分かるでしょうか。
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二つ目は、9月20日に行った佐藤克久さんによる「放課後のはらっぱの放課後」。ガムテープを使って、はらっぱにいそうないきものを作りました。参加者数は約40名!! たくさんの方々に参加いただきました。


まずは、佐藤さんと一緒に展示室へ行って、作品を見ながら紹介をしてもらいます。
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作業スペースに戻ったところで、佐藤さんから手順を教わり、さっそくガムテープを使った彫刻作りのスタート!!
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 佐藤さんやスタッフにアドバイスをもらいながら、思い思いに制作をしています。

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約1時間くらいかけて、それぞれはらっぱの仲間たちができあがりました。出来上がった仲間を、はらっぱに見立てた展示台の上へ。

 

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みんなすごいですっ!!
昆虫から動物から恐竜からなにか分からないものまで、すばらしい作品が並びました。 

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出品作品の《フューチャー・ラウンジ》の中には、ガムテープで制作されたものが1つあるそうです。探してみてください。

はらっぱ展のイベントは、これだけではありません。10月18日(日)には名古屋市美術館で、【はらっぱ一日カフェ】名古屋市美術館の中にあるカフェ・ステラに出品作家の加藤美佳さん・安藤正子さんのレシピをもとに作った、特別メニューが登場!! また、櫃田珠実さんによる【はらっぱフォトバッチ、バッチグー】や設楽知昭さんによる【幻灯会】が開催されます。ぜひっご参加ください。詳しい内容はこちらから

(RK)

 さて、いよいよスタートした「放課後のはらっぱ 櫃田伸也とその教え子たち」展。櫃田伸也さんと、彼の教え子19名が集う展覧会です。普通は作品の選択から展示まで学芸員が担当するのですが、今回は、櫃田伸也さんの教え子である、奈良美智さん、杉戸洋さん、森北伸さんがこの展覧会のために一生懸命協力してくださいました。

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↑打合せ中の杉戸さん、森北さん。打合せはいつも深夜にまで及ぶのでした・・・。

そのかいあって、展示室は、いつもの美術館と大きく違う「はらっぱ」風になっています。伸び伸びと自由な空間です。どんな感じかここでご紹介したい!のですが、それは見にきてからのお楽しみ、ということで、ごく一部だけ写真で・・・。

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↑具象絵画の芥川賞とも呼ばれる安井賞受賞作《風景断片》をはじめ、画家・櫃田伸也を代表する名作が出展されているのは当然のこと。こんなノートの切れ端やドローイングの断片も並んでいます。創作するうえで、これらは欠かせないものなのです。

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↑櫃田さんのアトリエの雰囲気を再現したコーナー。幅広い蔵書や雑貨にまじって、某ロックスターのグッズが妙に多い!


↑各作家さんの学生時代の作品を展示するコーナー。あの人や、あの人の裸婦デッサンや大学修了制作の作品が見れちゃいます。この展覧会でしか見られないレアなものです。

これらの写真からも、教え子だった作家さんがいたからこそ実現した展覧会であることが、お分かりいただけるのではないでしょうか。作品だけではなく、作品を生み出した温かな雰囲気まで伝わる「放課後のはらっぱ」展、ぜひともご覧くださいね。

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↑オープニングでは、サプライズケーキが登場。お料理上手な加藤美佳さん、安藤正子さんのお二人がデコレーションを担当されました。お二人のオリジナルレシピを自分もぜひ味わいたい、という方は、10月18日に行われるはらっぱ一日カフェ(名古屋市美術館)に来てくださいね。

(F.N)
 

濱田樹里展

2009年09月05日

「放課後のはらっぱ」と同時に始まった所蔵作品展内の一部屋(展示室6)で、「濱田樹里展“根源の在処(ありか)”」を開催しています。これは注目作家をご紹介する「テーマ展」と、あいちトリエンナーレ2010に向けた「現代美術の発見」シリーズ3(1は三沢厚彦さん、2は平田あすかさん)という位置づけとを兼ねたものです。
濱田樹里(はまだ・じゅり)さんは1973年生まれで2000年に愛知県立芸術大学大学院の日本画専攻を修了、現在名古屋造形大学で専任講師をされています。

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↑《焔にたつ華》2005年


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濱田さんの作品は長大です。展示室内の2点はどちらも縦2mで、横は約17mと約11m。それぞれ壁2面にまたがっています。

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↑(《流・転・生》2009年)
マグマのような赤や、鳥の羽のような白がうねる画面に、巨大な花々が咲き・しおれ・再び芽吹くさまが描かれています。赤色には、濱田さんが小学校高学年まで育ったインドネシアの赤土の大地がオーバーラップされているとのこと。花は大地を覆う生命体の象徴で、長い時の流れの中で生死を繰り返す命の根源がテーマとなっています。

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↑作品部分

愛知県立旭丘高校の美術科在学中から日本画の画材を用いているのも、土や砂の触感に近いという理由から。絵に近づいて見ると、ざらざらとした岩絵具のほか、貝殻を砕いて作る胡粉(ごふん)、金・銀・赤・青の金属箔などの材質感も豊かです。

大作ではありますが、洋画家のように大キャンヴァスにグイグイ描くというのではなく、幅70?のパネルを床に寝かせての制作。アトリエでは作品の全貌は見えません。細かな作業で蓄積されたエネルギーが、展示会場で爆発するのかも。

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↑展示室6とその前通路の作品展示風景

展示室外、通路の壁には幅約4.5mの《陸の花》(2003年)。これら3点が鑑賞者を取り囲みます。
 「これは写真じゃわからないなあ」と思った貴方、そのとおりです。会場へおいでになり、大作の流れに身をまかせてみてください。
 

(T.M.)

  次回展覧会「放課後のはらっぱ 櫃田伸也とその教え子たち」の開催まで、すでに一ヶ月近くとなりました。ポスター、チラシを目にした方、開催の噂を聞いた方も、だんだんと増えているのではないでしょうか。

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 この展覧会は、愛知県立芸術大学で長らく先生をされていた櫃田伸也さんを中心にしたものです。櫃田さんは画家として素晴らしい作品を生み出すと同時に、数多くの優れたアーティストも育ててきました。そういうわけで、今回の展覧会は、奈良美智さん、杉戸洋さん、森北伸さんという教え子のお三方が「大好きな先生」のため企画に協力してくださっています。櫃田伸也さんの画家としての活動と教え子との交流の両方が、楽しめる内容に仕上がりつつありますよ。
 こうした特別なコンセプトの展覧会なので、ポスターやチラシのメインヴィジュアルも、多くの学生が集った櫃田さんのアトリエの写真を使っています。ポスター用に、カメラマンの怡土さん、森北さんと、櫃田さんのアトリエに集合して写真撮影をしました。櫃田さんも撮影用にちょっとアトリエを片付けたりして・・・。でも、パレットが床にそのままあるのも、格好いいですよね。

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 この時嬉しかったのは、出展作家のお一人であり奥様の珠実さんが、お昼にカレーを用意してくださっていたこと!多くの学生が櫃田さんのお宅に集まったのは、珠実さんのご飯が美味しいから、とよく聞きましたが、本当に納得のお味です!!お庭で取れたタケノコが入った特製カレーでした。

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こんなほのぼのムードで進んでいる「放課後のはらっぱ展」ですが、もちろん真剣なシーンもあります。次回は、シリアスな裏側(笑)をご紹介いたしましょう。


(N.F.)
 

12日に、高校生対象の鑑賞ワークショップ「携帯電話をデザインしよう」を開催し、1年生から3年生まで23名が参加してくれました。
 内容は、アーツ&クラフツ展会場の作品から自分が気に入ったデザインを選び、あるいは複数のデザインを組み合わせたオリジナルのデザインを考えて、各々シールに写し、自分たちの携帯電話に貼り付けようというものです。今回の企画は、愛知県美術館の鑑賞学習ワーキンググループ有志の高校教員を中心に練られ、制作指導には、高校・中学校の教員と芸大生があたりました。

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↑暑い中真剣に制作

生徒たちが展覧会を鑑賞する前に、学芸員がアーツ&クラフツ運動の説明を行いました。単に気に入ったデザインを探しに行くのではなく、忘れ去られていた手仕事を見直す、または自然や伝統の中に美を見出すといったアーツ&クラフツ運動の精神によって制作されたデザインに注目してもらいたかったからです。

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↑友人と話し合いながら鑑賞する参加者

 鑑賞後、参加者が選んだデザインはほとんど重なることなく、各自の携帯電話の形や色に合わせてデザインされ、流行の「デコ電」と同様、個性あるオリジナルの携帯電話に生まれ変わりました。

 

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↑オリジナルデザインを思案中


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↑ 転写を繰り返し、シールを貼付

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↑オリジナルなモノに変化

鑑賞ワークショップ終了後のアンケートには、次のような感想が寄せられました。
「今回見たものは、どれも模様のようだったりと、形が単純化されているものが多く、普段の生活にもとけこみやすい作品だと思った。マットや壁紙のようで、いつも見ていた美術館の作品より、身近に感じた。」(女子)
「ただ、展示物を見るだけじゃなくて、自分で描いてみて、デザインって素敵だなと感じました。じゅうたんとかすごくキレイで、一つ一つがこまかくて、本当にすてきでした!」
(高3女子)
「自分で描いたものを使うっていうのはなかなかない気がしますが、なんか満足気な気分になれます。」(高2女子)
「実用的なだけじゃなくて、もちあるくのが楽しくなりそうな冷たい工業製品に柄を入れるだけで民芸品みたいなあたたかみがでた気がする。日常品で普段はじっくりみなかったりするものだけど、見ていてきもちがいい」(高3女子)

参加者が日常的であるがゆえに気づかなかったモノの美(デザイン)もあらためて対峙し、その出会いに心地よさを感じていることがわかります。
実は、今回の鑑賞ワークショップは、携帯電話のほか、日常的な存在である電子辞書や眼鏡ケースなどにデザインを施した後、各自がそれらを一週間使ってどのように感じたかを報告してもらうことになっています。一体どんな感想をもつのでしょうか。一週間共に生活することで、デザインされたモノに愛着を抱くと共に、おそらくは美のもたらす作用や美の役割について、なにごとかを感じていることと思います。今回の鑑賞ワークショップでは、わたしたちも目の前で高校生が取り組んでいる作業風景を通して、手作業のすばらしさに思いを馳せることができました。

(M.F.)

 

 

平田あすか展

2009年07月13日

 あいちトリエンナーレ2010のプレイベントとして、4-5月の「アニマルズ in AAC 三沢厚彦の世界」に引き続き、「平田あすか“サボテンノユメ”」を開催しています(会場は所蔵作品展内の展示室6)。

 平田さんは1978年名古屋市生まれで2005年に名古屋芸術大学大学院の版画コースを修了。現在は水彩と色鉛筆によるドローイングと、ベルベットやサテンの布に脱色と刺繍をした作品をおもに制作しています。

 

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■写真:《鳥の夢》2008年

 一見優しく可愛い色づかいの作品の中では、人の体から頭部が離れて飛んで行ったり、鳥や蝶・魚・奇妙なサボテンなどとつながったりして、不思議な物語が進行しています。

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■写真:布作品の展示壁

布の作品は、私とO学芸員が高い足場に登って展示しました。

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■写真:アートスペースでのおはなし会

 7月4日に平田さんと展覧会監修をしていただいた高橋綾子さん(名古屋芸大准教授)による「おはなし会」を催し、メキシコやケニアでの制作体験や、個々の作品の意味などを伺いました。

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■写真:《空の狩人》2009年

 平田さんの絵によく登場する、角のようなトゲが生えたサボテンは「湖と漁師の神が一人の女をサボテンの上で生け贄にした」というメキシコの伝説から、十日ほど想像をめぐらせて生まれたそう。

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■写真:《空の狩人》の一部分

 オオカミに乗って雲間を飛び交う、ちょっと怖いサボテン人間たち。でもその中に、サボテンのマスクを脱いで休憩している人も。

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■写真:《吐息》2009年

  「不景気で何かと風当たりの強い日本だけど、みんなで力を合わせてがんばろう」って絵だそうです。片足だけ見せている人が一人います。

 皆さんどうぞご覧になって、色々と物語を想像してみてください。
(T.M.)

 6月26日(土)に行われた、林望氏による講演会「私にとってのアーツ&クラフツ」のご報告です。
「リンボウ先生」の愛称で有名な林氏は、近世書誌学が専門の日本文学者であり、またケンブリッジ大学・オックスフォード大学で研究のためイギリスに滞在した体験から、イギリスの食文化・イギリス人の食生活に関する著書を発表するなど、イギリスに造詣が深い方です。というわけで、今回の記念講演会が実現しました。

さて、先生は演壇に上がるとすぐに、集まった多くの聴講者の心をつかんでしまいました!先生はなにやら鉄でできたものを、控え室から講演会会場までずっと大切そうに、まるで犬を連れて歩くかのように持ち歩き、壇上に置きました。イギリスのとある骨董屋で出会ったこの鉄の代物は「フット・スクレッパー」といって、靴の裏についた泥を落とすために使うもの。シンプルで美しいデザインだけれど、日常の生活にとても便利そうです。骨董屋の店主に「アーツ&クラフツのフット・スクレッパー」という説明を受け、アーツ&クラフツに関心を持ち始めたそうです。

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↑フット・スクレッパーを持ち上げて説明する林先生 鉄製なので結構重いです!

講演の内容は、アーツ&クラフツ運動が抱えた矛盾に焦点が当てられました。デザイナー、ウィリアム・モリスを中心に始められたアーツ&クラフツ運動は、機械生産による日用品を、中世の職人のように手仕事によって芸術性の高い品へ変えることを理想とし、そうした装飾品によって囲まれた精神的に豊かな生活、そして社会を目指しました。しかし、技術や素材のよさにこだわったばかりに、制作された品は非常に高価なものになり、結局裕福な人の生活にしかアーツ&クラフツ運動は及ばなかったのです。

一方、アーツ&クラフツが果たせなかった理想を昔から実現していたのが日本であり、食器や伝統的な日本の住空間の図版を通して、大衆の生活にいかに芸術が根付いていたかを示してくださいました。またこうした日本の芸術が19世紀に西洋に伝わり、「ジャポニスム」として、日本の芸術の本質である「生活の中の美」が影響を及ぼしているという興味深いお話でした。

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↑本阿弥光悦の舟橋蒔絵硯箱

江戸時代初期の書家、陶芸、漆芸、出版、茶の湯などにも携わったマルチアーティストの本阿弥光悦とウィリアム・モリスとの共通点を指摘!

展覧会では日本の芸術とアーツ&クラフツの関わりについては民芸運動を中心に紹介していますが、林先生のお話ではアーツ&クラフツ運動の問題点や限界に言及し、日本のより本質的な美学に踏み込み、アーツ&クラフツ運動との関係や比較をご紹介していただきました。先生のお話を聞いて、日本人として誇らしい気持ちになりました。


(M.M.)

 今月12日に始まったアーツ&クラフツ展、連日盛況です! モリスの別荘「ケルムスコット・マナー」や民芸運動のサロン「三国荘」の再現展示を含む約280点の出品作は当然見ものながら、本展にはもう一つのお楽しみがあります。それは、お・買・い・物!

 

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▲アーツ&クラフツ展特設ショップの一角(美術館ロビー)

 

 今回のアーツ&クラフツ展では、展覧会関連グッズを取り揃えた大きなショップが美術館のロビーに特設されています。素敵なグッズがいっぱいで、どれも欲しくなってしまいます。その中でも特に個人的にお気に入りのものを、いくつかご紹介したいと思います。

 

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▲いちご泥棒ジャム(840円)

 

 今回の展覧会に出品されているウィリアム・モリスの重要作《いちご泥棒》(内装用ファブリック)に引っ掛けて、いちごを原料とした特製ジャムです。老舗の某果物屋さんの協力を得て、添加物はいっさいなしで、福岡産いちご「あまおう」に北海道産ビートグラニュー糖と和歌山産レモンの果汁だけを加えて作られているそうです。
 ショップのスタッフさんのお話では、バニラ・アイスクリームに掛けて食べるとすごく美味しいとのこと。それを聞いて居ても立ってもいられなくなった私は、その場でプレゼント用に1つ(誰にあげるんだ?!)、自分用に1つ買いました。さっそく試してみましたが、このジャムは市販の一般的なものと違って増粘剤が使われていないので、やわらかくてアイスによく絡み、まさしく絶品でした!

 

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▲壁紙ポスター(1,260円 or 1,575円)

 

 モリスのデザインが使われたイギリス製の壁紙が、この展覧会のために特別に100×52 cmに裁断されて、ポスターとして販売されています。壁紙のままだと、買って帰っても、壁に張ってくれる職人さんを呼ばないと普通の人は使えませんが、この壁紙ポスターなら自分で手軽に張れて楽しめます。しかも、モリスのデザイン! 全部で13種類もあるので、きっとお気に召すものが見つかるはずです。

 

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▲民芸の陶器(600円から48,000円まで)

 民芸の陶器もあります! 島根の湯町窯(ゆまち・かま)と出西窯(しゅっさい・がま)、熊本の小代焼(しょうだい・やき)の3種類が揃えられています。これらの器で食べる料理は、いつもと違った趣きを味わわせてくれることでしょう。

 

 特設ショップは展覧会入場券がなくても無料で入れますので、ショップにお買い物にだけ来て頂いてももちろん歓迎です。でも、展覧会もどうぞお見逃しなく! ショップで販売されているグッズの元となった作品現物が、そのすぐ横の展示室内に並んでいるのですから。豪勢な展示を見てから、素敵なグッズを記念に買って帰る。きっと贅沢な一日が過ごせますよ! 

(T.O.)
 

いよいよ始まりました!!アーツ&クラフツ展。
なんと280点もの作品が展示されています。
これらの作品を展示するための作業は、5月29日から6月10日まで10日間もかかりました。たとえば絵画の展覧会であれば5、6日間の作業で十分なところを、その2倍の時間と労力をかけて行いました。多くのスタッフの涙ぐましい作業を、一部ご紹介!

まずは会場内のディスプレイです。
10トントラック5台分の資材が運び込まれました。
この資材を大工さんが組み立て、経師屋さんが壁紙をきれいにはってくれます。

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↑数人の大工さんがなにやら大きなものを組み立てている様子

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↑組立完了 でも壁はボロボロ

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↑そこで経師屋さんの登場です

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↑室内空間が完成!

個人的には、この職人さんたちの作業を見ているのがとても好きです。
手わざが光る仕事は、なんだかアーツ&クラフツ運動の主旨にもあってるなぁと、感心しながら作業を見守りました。
 

会場内のディスプレイが完成したところで、またまたトラック5台が美術館に到着。
作品が入った木箱が次々と会場に運び込まれました。
この時、展覧会に作品を120点も出品されたイギリスのヴィクトリア&アルバート美術館から、作品に付き添うクーリエとして3人の方がいらっしゃいました。とてもフレンドリーな方々で、この日から展示作業最終日まで楽しく一緒に展示作業をすることができました。

作品は家具、タペストリーなどの布製品、食器、本など実に様々。
展示前には念入りに作品の状態をチェックし、破損していないか、また壊れやすいところはないかを確認します。

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↑イスの状態をチェックするクーリエ(チャーリーさん)と修復家の方

タペストリー開く.jpg

↑横にながいタペストリーをゆっくりと開いていきます (手前右クーリエのスザンナさん)

 状態チェックが終わると、作品を展示するのですが、これがなかなか難しい!
普通は同じ壁や空間に展示する作品を全て並べて、全体のバランスを見ながら作品の配置を決めます。しかし今回はそんなことをしていては時間がいくらあっても足りない!なんてったって、280点の作品をサクサクと展示していかなければならないのです。というわけで、まだ状態チェックの終わっていない作品は、同じサイズの型紙を作り、それを壁に貼って実物があると想像しながら、作品の位置を決めていきました。時には、想像通りにいかないこともあり、また想像以上に絶妙なバランスを生み出すこともあったり…

家具の配置.jpg

↑家具は倒れないように気をつけて、そっと!

作品配置.jpg

↑屏風は倒れないように、壁に固定 (作業を見守るグレッグさんは、日本美術の専門家。日本語もぺらぺらです)

 様々な試練を乗り越え、配置が大体決まると、作業の終わりが見えてきます。後は作品のキャプションや解説パネルの配置をしたり、照明をしたり。
最後のほうは体力的にも限界でヘロヘロでしたが、周りのスタッフの皆さんが元気に盛り立ててくださり、何とか開会式前日に作業を終えることができました!

 というわけで、作業自体はとても大変でしたが、ヴィクトリア&アルバート美術館のクーリエの方、修復家の方、共催の新聞社の方、展覧会監修者の方、そしてディスプレイや展示作業をしてくださった方、また修復の勉強をしている研修生の方など、みんなの力がひとつになって、この展覧会ができあがりました。ひとつのことに向かってみんなが団結していく感じ、そしてできあがった後の達成感を実感できることこそ、学芸員という仕事の醍醐味です!

 展覧会は始まったばかり!ぜひとも会場へ足をお運びいただき、この展覧会を楽しんでくださいますよう、スタッフ一同心より願っています!

(MM)
 

 現在、着々と次回展覧会の準備が進んでいます。その展覧会「生活と芸術?アーツ&クラフツ展」にあわせて、10階レストランのウルフギャングパックのご協力のもとスペシャルランチを作っていただきました。

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今回は、アーツ&クラフツ展にあわせたランチなのでイギリスを意識したメニューになっています。サンドウィッチは、イギリス発祥と言われていますし(パンは山形のイギリスパン)、フィッシュ&チップスもイギリスを代表する料理のひとつです。

▲サンドの中身は、ハム&チーズとスモークサーモン&オニオン(現在中身は検討中だそうです)

 メインがサンドウィッチなので軽食的なイメージがありますが、ボリュームがあり食べ応え充分です。もし、食べ切れなかった場合には、お持ち帰りもできるそうです。

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▲セットでついてくるデザートは、一口サイズのケーキにアイスッ

 

予定されているお値段は、1800円。ワイエスランチの時と同様に展覧会チケット提示をすれば500円引きの1300円になります!展覧会を楽しんだ後に、ぜひスペシャルなランチも堪能してみてください。

また、ランチのほかに、アフタヌーンティー的なデザートメニューの提案をしました。小さめのケーキ(数種類)にスコーンがついたワンプレートタイプのものに、紅茶をセットでいかがでしょう。紅茶は、4種類の中からお選びいただけます。作品をみて、少々疲れたところで甘いものを食べながら、見てきた作品を思い出す。素敵な午後のひとときになりそうですよ。

(RK)
 

 アヴァンギャルド・チャイナ展の関連イヴェントのひとつとして、GWの4日(日)と5日(月・祝)に「胡同(フートン)のひまわり」上映会が行われました。愛知県美術館では、これまでも企画展の関連イヴェントとして映画の上映をしたことはありますが、どちらかといえば、やることが少ない方のイヴェントといえます。thmnl_たくさんの来場者です.jpg

↑たくさんの来場者です。

「胡同(フートン)のひまわり」を上映した最大の理由は、展覧会の出品作家である張暁剛(ジャン・シャオガン)の作品が、この映画の主人公の画家が描いた作品として映し出されるからです。thmnl_上映中:ジャン・シャオガンの作品が展示されています.jpg

↑上映中:ジャン・シャオガンの作品が展示されています

同じく出品作家である王広義(ワン・グァンイー)のポリティカル・ポップの作品も出てきますよ。ちなみに、先に巡回した国立新美術館や国立国際美術館でも、この映画を上映しました。


 上映会では、映写技師さんにより35mmのフィルムを映し出しました。フィルムをセッティングしている間に、いろいろとお話を伺ったのでご紹介しましょう。映写機は2台使いました。私も知りませんでしたが、2台で交互に映し出すのだそうです。Aの映写機が映写している時に、Bの映写機に次のフィルムを準備し、映写機Aのフィルムが終わると映写機B(2巻目のフィルム)に切り替える。これを交互に繰り返すことで全巻(今回は7巻)のフィルムを映し出すわけです。間違って同時に両方の映写機から映像が映し出されないような仕組みになっているそうです。だから映画を見ている人には、切れ目なくずっとつながっているように見えるわけです。ちなみに音声もフィルムに入っていて、映写機の一部で音声を読み取っているとのことでした。

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↑2台の映写機、下の赤いケースにフィルムが入っています

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↑フィルムから音声を読み取る部分

運悪く上映会を見逃してしまった人は、レンタルDVD屋さんに急行!

(HF)
 

あつまる・アニマル

2009年05月08日

 5月2日、アニマルズ in AAC―三沢厚彦の世界展ワークショップ「あつまる・アニマル」が開催されました。参加してくれた20名くらいの小学生たちと一緒に、まずは作家の三沢さんご本人による作品鑑賞ツアーです。

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▲「しっぽはなんで切れてるの?」

 小学生向けのワークショップですが、三沢さんの言葉に付き添いの保護者の方々も熱心に聞き入っています。

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▲「大きいってどういうことか分かる?」「アリさんからみたら君はすごく大きいけど、僕からみたら君は小さいよね」
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▲「ニガウリって知ってる?似てるでしょ」

 一通り作品を見終わったら、今度は水彩絵具で動物の絵を描きます。「ライオンのライオンらしさってどこにある?君たちのなかのライオンはどんなライオン?どういうかたちでどういう色してる?」という三沢さんの問いかけに、子どもたちは一所懸命頭の中で動物のイメージを膨らませていきます。

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 最初は「うーん」と悩んでいた子も段々調子がでてくると筆がすいすい進んでいました。どちらかというと低学年の子の方が積極的で何枚も描く子もいましたが、高学年の子はじっくり考えてから描こうとします。

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▲みんなの絵が勢揃い!

 三沢さんの作品を細かいところまでしっかり覚えていて再現する子もいれば、既存の動物を組みあわせて新しい動物をつくる子も。それぞれが思い描いた動物が集合。三沢さんが一枚一枚丁寧にコメントしてくれました。

 みんなが描いた絵は、今月24日まで愛知芸術文化センター2階フォーラムに掲示されています。お立ち寄りの際は是非ご覧ください。
(KS)

桜の季節も過ぎ、少しずつ日差しが強くなり始めたこの頃。

美術館では「アヴァンギャルド・チャイナ」展が開催中ですが、その裏では次回の「アーツ&クラフツ展」の準備が着々と進められています。
地下鉄の駅などで、ポスターを見かけられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この展覧会は、昨年秋からこの春まで、京都国立近代美術館と東京都美術館を巡回し、6月からは最後の会場となる当館で開催されます。
担当者としてまず悩んだのは、広報物のデザインイメージを決定することでした。というのは、出品される作品は、イギリスを中心としたヨーロッパや日本と地理的に幅広く、また家具、テーブルウェア、ファブリック、服飾、書籍、グラフィック・デザインと分野も多様で、「この1点!」といったヴィジュアルイメージを作り出すことがとても難しかったからです。

京都と東京の会場は、多岐にわたる作品を一つのイメージとして作り出した、かなり斬新なデザインで広報を展開しました。
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↑東京都美術館のチラシ
目を引く、とても面白いデザインですよね。

一方、愛知会場は・・・というと、春から初夏にかけての明るい季節に似合う、やさしいデザインにしてみました。
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↑愛知件美術館のチラシ
広報物には、今回の展覧会の一番の目玉であるウィリアム・モリスとジョン・ヘンリー・ダールのデザインによるタペストリー《果樹園》《別名《四季》)を使用しました。ポスターやチラシの裏表の地には、モリスのテキスタイルデザインの《マリーゴールド》があしらわれています。
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↑ウィリアム・モリス《マリーゴールド》(内装用ファブリック)

上部の唐草文様は、下のテキスタイルのデザイン見本帳に入っていたもの。これをデザイナーさんがグラフィックに起こしてくれました。
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↑ウィリアム・モリス、ジョン・ヘンリー・ダール《別珍プリントの見本帳》

皆さんはどちらのデザインがお好みですか?

さらに、今回の展覧会では前売り券でもとくにお得なペアチケット(1900円)を販売中!
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横長のタペストリーのイメージは、中央破線で二つに分かれるようにできていますよ。このペア券を使って、お一人で2回、またはお友達、ご夫婦、恋人同士でぜひ展覧会に遊びにいらしてください!

(MM)
 

4月4日(土)と5日(日)にチャイナ展の最初のイヴェントが開催されました。
4日は美術評論家の費大為(フェイ・ダウェイ)さんの講演会と、フェイさんに国立国際美術館の建畠館長、当館の牧野館長を交えてのシンポジウムでした。フェイさんの講演では、伝統芸術、学院主義(アカデミズム)、現代芸術が三つ巴になっている現代中国美術の状況を図式化して見せてくれるなど、素人にもわかりやすいようにお話していただきました。続くシンポジウムでは、両館長からの質問に答えるかたちで、フェイさんから30年代と80年代とのつながり、都会と地方などについて興味深いお話が聞けました。
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フェイさん講演会


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シンポジウム 右から建畠館長、フェイさん、牧野館長

 5日は出品作家の孫原(スン・ユアン)さんのアーティストトークと、同じく出品作家の張培力(ジャン・ペイリー)さん、楊振中(ヤン・ジェンジョン)さんらによるシンポジウムを行いました。スン・ユアンさんは自身のパソコンの画像データをプロジェクターで写しながら、これまで作ってきた作品について説明してくれました。スンさんのパソコンと美術館のプロジェクターとの接続がうまくいかず、動画を二つ(犬を使った作品と虎を使った作品)見せられなかったのが残念そうでした。「死体派」として知られたスンさんですが、トークでは刺激の強い作品はあえて写さず、かなり自制してくれたようです。
 
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スンさんのアーティストトーク
脂肪吸引しているところ
 
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体脂肪を塗りこめた柱

続くシンポジウムで「メディア・アート」をテーマにしたのは、ジャン・ペイリーさんが中国のビデオ・アートのパイオニア、ヤン・ジェンジョンさんは映像作家だからです。この展覧会でメディア・アートの分野を担当した国立新美術館の長屋さんと文化情報センターで映像担当をしている越後谷さんにパネリストに加わっていただき、中国のメディア・アートの現状などを作家たちから聞き出してもらいました。
 
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シンポジウム 右からジャンさん、ヤンさん、長屋さん、越後谷さん(切れています)

同様のイヴェントは、先行の国立新美術館や国立国際美術館でも開催しており、名古屋では聴講者がどれくらい集まるのか心配していましたが、先行館に劣らないくらい多くの人に聴講していただきホッとしました。

おまけ
ジャン・ペイリーさんは、コワモテのがっしりとした体格なので近づきがたい雰囲気ですが、実は気さくな人で、開会式で作家代表として挨拶もしてくれましたし(二言三言でよいと頼んでいたのですが、本格的な挨拶でした)、シンポジウムでも大いに発言してくれました。

ゴールデンウィークには、第2弾のイヴェントとして映画「胡同のひまわり」の上映会がありますのでお楽しみに!                         

(H.F.)

すでに、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、現在、愛知芸術文化センター内で開催中の「アニマルズ in AAC 三沢厚彦の世界」展に合わせて、スタンプラリーを実施しています。(以前のブログでもご紹介しました。)
 今回の展覧会では、芸文センター内のいろんな場所に作品を展示していることもあり、来場されたみなさまに、作品を探しながら、楽しく鑑賞していただこうと、スタンプラリーを行っています。実際に参加された方は、どうでしたか?楽しんでいただけているとうれしいです。

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スタンプ押し中

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 スタンプラリーのガイドには、作品の配置場所を載せているのですが、作品を実際に展示するよりも前に作るので、展示場所が変わってしまったらどうしようという不安を抱きながも変更はないだろう(というかしてほしくないなー)と思いつつ準備をしました。
しかし、やはりその心配は的中してしまい、、、8階に展示予定であった「ヤモリ」が、10階へと移動してしまったり、美術館の展示室内の作品の場所が入れ替わってしまったりといった変更が出ました。
でも、結果的には、その場にいる動物はイキイキしているし、オリエンテーリングのように、「ヤモリ」を探し出す楽しさが増えました。参加された方々には、少しご不便をおかけしますが、楽しく「ヤモリ」を探していただけるとうれしいです。

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8階にいるアニマル 何かわかりますか?

美術館の中にも、アニマルズがいます。もちろんスタンプもあります。

今回のスタンプは、以前ご紹介したように、三沢さんに描いていただいたのですが、そのスタンプになっている動物を使ったプレゼントもご用意しています。スタンプを全部押して、ぜひプレゼントを手に入れて下さい。どんなプレゼントかは、来てのお楽しみってことで!!

(RK)

 

 

 愛知県美術館の4月最初の展覧会、アヴァンギャルド・チャイナ展がいよいよ、オープンしました。開催が危機に陥ったこともある展覧会ですので、担当学芸員の感慨もひとしおですっ。

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↑10台のスクリーンを使う楊振中(ヤン・ジェンジョン)さんの作品


 今回の展覧会に合わせて、出展作家である張培力(ジャン・ペイリー)さんと楊振中(ヤン・ジェンジョン)さん、孫原(スン・ユアン)さんに加え、フランス在住の中国美術評論家、費大為(フェイ・ダウェイ)さんが来日されました。中でも孫原(スン・ユアン)さんは、出品作《老人ホーム》の状態が気にかかるそうで、展覧会が始まってからも熱心にメンテナンスをされています。

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↑今回の目玉作品の一つ《老人ホーム》

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↑作品の状態を確認する孫原(スン・ユアン)さん


 さて、この快活な孫原(スン・ユアン)さん、実は世界を震撼させた「死体派」を代表する作家さんです。
 「死体派」とは、90年代に中国に登場した現代美術の傾向の一つです。身体の存在、生死の問題を極限まで突きつめた「死体派」の作家さんは、動物や人間の死体を素材に使って作品制作をします。例えば孫原(スン・ユアン)さんは、雪原に血の滴るヤギの背骨200本を置いて《羊飼い》(1998年)という作品を制作しています。恐ろしい風景ですが、血と骨と雪の奏でる色と形のコントラストに美しさも感じてしまいます。どこか寓話的な雰囲気も漂いますね。


 そんな孫原(スン・ユアン)さんですが、ご本人はいたって気さくで感じの良い方。5日の午後には「アーティスト・トーク 孫原(スン・ユアン)に聞く」というイベントも行われます。直接、彼の話を聞いてみたい方はこのチャンスをお見逃しなく!!

イベントの詳細は愛知県美術館HPhttp://www-art.aac.pref.aichi.jp/event/index.html

(F.N)

いるのもケモノ類

2009年03月31日

 あいちトリエンナーレ2010のプレイベント・現代美術の発見Iということで、「アニマルズ in AAC―三沢厚彦の世界」が愛知芸術文化センターのフォーラムで3月24日から開催されています。トリエンナーレでは草間彌生渡辺英司西野達島袋道浩ヤン・フードンホアン・スー・チエダビデ・リヴァルタなどの作家が出品を予定しています(まだまだ順次増えていきます)が、まずそれに先駆けて、この愛知芸術文化センターや現代美術そのものに多くの方に親しんでいただこうということで、三沢さんにこのセンターの複雑な空間を活き活きと使ってもらうようお願いしたのがこの展覧会です。

 フォーラムでの展示・開催と平行して、美術館のなかでも4月3日のオープンに向けて着々と準備が進んでいます。今回は普段なかなか見ることのできない彫刻展示の様子をご紹介しようとおもいます。

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▲マルミミゾウの頭が美術館の入口からフォーラムへ移動中。

 基本的に美術館は展示室に作品を展示することを考えて作られていますので、その他の場所へ移動するのは結構大変。このゾウの頭を通すために扉を一時外してあります。

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▲クレーンで吊らないと重くて持ち上がりません。

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▲台車に乗ったワニ。四人がかりで移動します。ワニちょっと楽しそう。

頭からしっぽまでで6m近くあります。他の美術館スタッフも異様な迫力が気になるのかちょくちょく様子を見に来てくれます。

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▲展示と平行して展覧会リーフレットのための撮影も。

展示が終わった作品からどんどん撮っていきます。撮影は深夜まで続きました。

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▲地下2階のNADiffさんでは展覧会にあわせて三沢厚彦特設コーナーができていました。グッズすごく充実してます。

 春休みにフォーラムでの展示をご覧になった方も、4月3日から美術館でシロクマやワニ、ユニコーンが首を長くして待っていますので、是非また足を運んでみてください。タイトルは前回に引き続き回文です。
(KS)

さて、アヴァンギャルド・チャイナ展は大阪の国立国際美術館での展覧会が終了し、いよいよ残すは名古屋会場での開催となります。というわけで、作品の搬出作業のために大阪へ行ってきました。

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↑国立国際美術館です

 絵画作品は通常どおり、壁から外して輸送用の箱(クレートと言います)にしまいます。この辺の手順は、以前、クリムト作品の輸送の際にお話したとおりですね。一方、孫原+彭禹の《老人ホーム》などの場合はそうはいきません。電気回線をオフにした後、おじいさんをみんなで持ち上げて、箱にしまいます。

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↑丁乙の絵画作品を壁からはずしています。

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↑《老人ホーム》のお爺さんを箱につめています

 全ての作品を箱につめ終えたらトラックに乗せて名古屋へ出発です!名古屋へ帰ったら作品の展示が待っています。皆様に作品をお見せできるのも、もうすぐですよ。

(F.N)

* おまけ
国立国際美術館のある大阪、中之島は一見、ビジネス街なのですが、大通りを一本入ると色々なお店のある楽しいエリアです。中でも、国立国際美術館のすぐ横にあるgrafはおすすめです。grafは家具や空間のデザインから展覧会企画(注1)にいたる幅広い活動で知られていますが、2階のカフェもなかなか良いですよ。

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↑塩キャラメルバタークレープ!

注1:ただいま愛知芸術文化センターで展覧会をされている三沢厚彦さんとも、4月より軽井沢メルシャン美術館で始まる展覧会をはじめ、しばしば一緒にお仕事されています。
 

 3月8日にワイエス展が終わり、次のアヴァンギャルド・チャイナ展が始まる4月3日まで、企画展はしばらくお休みです(22日まで所蔵作品展だけは開いていますヨ)。
 展覧会をしていない企画展示室の中はいったいどうなってしているのでしょう。閉ざされた扉の向こうでは、チャイナ展の準備が着々と進んでいるのです。
 チャイナ展は22日まで大阪の国立国際美術館で開催中なので、それが終わって作品が愛知県美術館に入ってくるまでに準備できることはしておかないといけません。できることは展示室内のディスプレイ工事です。絵を飾る壁を作ったり、映像を映す個室(ブース)を作ったりしています。
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↑壁を立てる位置を計測

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↑壁になるパネルをつなげていく

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↑半分くらい立ったところ

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↑つなぎ目を合わせる

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↑パネル同士を留めてほぼ完成

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 ↑目地にトノコを塗って経師の準備。プロジェクターを付ける台も取り付け完了


 写真は、がらんとした展示室に楊福東(ヤン・フードン)の作品を映すための幅3メートルの壁8面を円弧状に立てていく様子です。東京では使ったけれど大阪では使わなかったプロジェクター用の台だけが先に届いたので、壁に取り付けました。あとは壁紙を貼れば受け入れ準備の完了です。
 
 壁の裏の空間はどうするのかって? やはり気になりますか。映像機器が入っていた箱などを収納する倉庫として使います。
(H.F)

アニマル見るマニア

2009年03月12日

 来月から始まる「アニマルズ in AAC―三沢厚彦の世界」展のために、作家の三沢さんの制作現場にお邪魔してきました。製材所の一部を間借りして、ほぼ等身大の動物が二体並んでいました(これは残念ながら今回の展覧会には出品されませんが…)。材料のクスノキの良い匂いが立ち込めています。

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▲左はウマ、右は…さてなんの動物でしょう?


 この展覧会は「あいちトリエンナーレ2010」に向けてのプレイベントということで、通常の美術館展示室で行われるものとは違って、芸術文化センター全体を使って作品を展示します。つまり、美術館以外にも、オアシス21から繋がっている地下2階や、2階の地上エントランス、8階の壁面など、色々な場所に動物たちがうろうろしているということです。

 展示場所が散らばっていて、いくつか見逃しちゃうお客さんもでかねないし、どうしたものか、と色々考えて、スタンプラリーをすることにしました。全部制覇した方には豪華賞品!とまではいかないですけれど、まあちょっとしたプレゼントは用意できるかも知れません。スタンプを作りたいという話を三沢さんにお伝えしたところ「僕が描きますよー」と快く引き受けてくださいました。ということでオリジナルスタンプができることに!

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▲スタンプ用のドローイングです。


 全部で16体ほど展示するんですが、ひとつひとつがものすごく大きくて重い。一番大きなゾウは600kg前後あるそうです。だから輸送も展示も大仕事。展示場所まで移動する経路を確保するために、美術館の入口ガラス扉をこのために一時外してもらうなど、綿密な計画を立てておかないと、「やばい、これ入んないじゃん…」と当日途方にくれてしまうなんてことになりかねません。

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▲ゾウができるまでの様子は絵本になっていますよ。


 皆さんが来館されたときには、動物たちが無事のびのびと芸文センターを占拠(?)できていますように!展示の様子はまた後日お伝えしたいと思います。

(記事タイトルは回文です。内容とはあんまり関係ありません)
(KS)

  2月12日のブログでも触れましたが、1月31日にペンシルヴェニア州チャッズ・フォードのワイエス家の近くにあるブランディワイン・リヴァー美術館でアンドリュー・ワイエスの追悼展がありました。
 それにあわせて、今回の展覧会でも多くのワイエス作品を出品していただいている丸沼芸術の森の主宰者須崎勝茂氏と学芸員の中村音代さんが、訪米されました。その様子を教えていただきましたので、ここで少しご紹介します。

 前日の30日、天気は快晴だったが、一面の雪景色。ブランディワイン・リヴァー美術館では、追悼展の準備がされており、正面玄関ではアメリカ式の喪中のしるしなのか、松のリースの下に黒い長い布がつけられたものがウインドウに並べてさげられていました。また、展示室入り口では、大きく引き伸ばしたワイエスの写真と共に、これまで多くの大学から贈られた数多くのメダルやバナーが展示され、またケネディ大統領や、一昨年ブッシュ大統領から贈られた大きなメダルも飾ってありました。
 ワイエス・ギャラリーでは中央に、ニューヨーク近代美術館から特別出品された《クリスティーナの世界》が展示されていて、人だかりができていました。ニューヨーク近代美術館は絵の状態が悪いので貸し出しはしないといっていましたが、注意深く見ても絵は完璧に思えました。そしてニューヨーク近代美術館で見たときよりもここではなぜか大きく感じられたということです。この作品の展示は翌2月1日までの2日間だけ。
 翌日の追悼展の日は、一日限り無料開放で、朝開館15分ほど前に美術館へ行くと、開館を待つ人がすでに門まで100mほどの長蛇の列をつくっていました。これまで満杯になったところを見たことのない駐車場には、車が入りきれずに国道1号線沿いにも駐車の列が出来ていました。予想通り、開館時間になると美術館の中はあっという間に大混雑。もともと、さほど広くはない美術館は人であふれかえり、ワイエスの作品と特に《クリスティーナの世界》を見ようとする人々の長い列が出来ていました。

 日本における「?を偲ぶ会」式のセレモニーや宗教的な行事はありませんでしたが、多くの人がワイエスの画業を偲ぶために訪れていたということです。また、ワイエス家からの希望で、献花の気持ちがあれば、それに代えていくらでもいいのでと美術館に寄付を募っていました。寄付は日本からでもできます。ブランディワイン・リヴァー美術館のホームページ(→www.brandywinemuseum.org/をご覧ください。

(ST)

  展覧会では作品を展示する支持体(壁や台)が必要です。愛知県美術館の多くの展示室には構造体としての壁のほかに可動壁があり、それを動かして区画を作ることができます。チャイナ展(通称)の場合、作家ごとに必要なスペースがかなり違うため、簡単に可動壁で区画を作るわけにはいきません。可動壁を使うとだいたい同じ面積の区画になってしまうからです。
  チャイナ展の展示計画の最大の問題は、先行して展覧会が行われた(行われている)国立新美術館と国立国際美術館より、愛知県美術館は展示に割けるスペースがずっと狭いこと。いつもは所蔵作品展で最初に入る展示室4やその入口の前室1と呼ばれる部分、さらにいつもレームブルックの彫刻が立っているラウンジや、ショップ前のロビーまで使ってなんとか収める計画です。
  どの作家の作品をどこに配置するか、思案を重ねながらいろいろと案をつくった結果、Ver.5でやっと決着を見ました。一昔前は、100分の1の縮尺の展示室の図面に鉛筆と定規を使って書き込んでいましたが、一点作品を動かすだけでその壁全体の作品を書き直さないといけないという面倒くささがありました。今はパソコンを使うので、移動も簡単(何年か前にパソコンでそれをやり始めたのは、何と一番年長のM館長!です)。thmnl_イラストレーターで作った平面図2枚.jpg

↑イラストレーターで作った平面図

それでも、この展覧会では映像用のブースを7つも作らないといけないし、壁もいくつも立てないといけないので、平面図だけでは空間的な感じがいまいちつかみきれません。そこで、ホコリをかぶっていた企画展示室のマケット(立体模型)を引きずり出し(形跡から、最後に使われたのが2002年の「中西夏行展」)、パネルを切って壁を作ってみました。想定していたよりも高さが必要な壁があることが判明!!

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↑企画展示室のマケット


  チャイナ展では、通常は所蔵作品展の入口になっている所がチャイナ展の入口になり、なんと順路が逆回り!どうしてそうなったのかというと、楊福東(ヤン・フードン)の映像作品は、通常の企画展で最初に入る部屋(展示室1)しか適当なスペースが取れず、この作品は2006年の近作なので、最初よりも最後に見せたい...展示する場所を変えられない以上は順路を逆にするしかないということになったわけです。このような試みは初めてなので、お客様にはとまどわれる方もいるかもしれませんが、逆に新鮮味を感じさせてくれるのではないかと期待もしています。

(HF)
 

最後のご紹介は、高校生が対象のプログラム。高校生を限定に対象としたワークショップを実施するのは、初の試みでした。

「鉛筆デッサンをしよう。」
25日(日)13:00から16:00 対象:高校生 参加人数:33名


高校生を対象としたプログラムでは、その名の通り鉛筆デッサンをしました。まずは作品を鑑賞し、その後、作品模写と静物デッサンの2つから参加者が自由に選んで挑戦です。模写は、《クリスティーナの世界》習作、《アラベラ》習作、《そよ風》習作、《雪まじりの風》習作の4点から選び、静物デッサンでは、石、松ぼっくり、木の3つから選んでデッサンしていきました。
模写では、あらかじめ対象作品の大まかな輪郭線を描写したものが印刷された用紙に描いていきます。デッサン用紙の横に置いた作品のコピーをじっくり観察しながら、ワイエス作品に近づけていました。

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↑ 画板に作品のコピーとデッサン用の紙を並べて、描きこんでいます。


静物デッサンは、こちらで準備したものをデッサンしていくのですが、今回静物デッサン用に準備した材料は先生方によって集められたものばかりです。石は、《火打石》によく似たものを、三重県の山から運んできたり、松ぼっくりは小学校の先生の協力で近所の松林から拾ってきてもらったり、枝も木から切り取ったもの持ってきたりと、先生方に苦労して集めていただいたことで、充実した内容となりました。

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↑ 各地から集められたモティーフたち

 

作品鑑賞後、デッサンへと進んでいったのですが、鉛筆が動き始めると、半端ない集中力で描き進めていました。シャシャシャーシャッっと鉛筆の擦れる音とともに、作品が出来上がっていく感じです。

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↑ 松ぼっくりをデッサン中

 

制作していた場所は、「かさかさな絵を描こう」同様にチケット売り場横のスペースだったため、他の来館者の人たちも多く見学してくださっていたのですが、その視線も感じていないかのような集中振りで、その方たちも感心した様子で眺めていました。

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↑ 会場の様子

初めての高校生対象プログラムは、終始、参加者のみんなの集中力に圧倒された感じでした。

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「鉛筆デッサンをしよう。」の制作物は、「かさかさな絵を描こう!」と同様に、ワイエス展開催期間中ラウンジ(所蔵作品展入り口前)にて展示してあります。会場にお越しの際は、ぜひご覧になって下さい。

(RK)

 

今日は、小学校4年生から中学生までを対象としたワークショップ「かさかさな絵を描こう」のご報告です。
 
「かさかさな絵を描こう!」
24日(土)14:00から16:00 対象:小学校4年生から中学生 参加人数:19名

このプログラムでは、ワイエスの水彩画技法の1つであるドライブラッシュ(水気をしぼった筆で描く技法)に挑戦しました。水と絵の具を使ったワークショップは、初めての試みです。もちろん美術館内のロビーなどでは水の使用が絶対無理なので、今回の会場は、チケット売り場横のスペースを使いました。

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↑ 会場の様子。床に巻きダンボールを敷いたり、机やイスを出したりと、準備が結構大変でした。。。


初めに、ワークシートを使ってドライブラッシュの作品を鑑賞し、その後、作品を輪郭線で描いた《鉄兜》(松ぼっくり男爵習作)《ラスト・ナイト》《鷹の木》の3点から1点選んで、ドライブラッシュによる彩色をしていきました。

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↑ 展示室では、対象のドライブラッシュ作品を3点鑑賞していきました。

 

筆の水気をティッシュを使いながら取り除き(ちなみに、ワイエスはティシュではなく親指と人差し指で水気を取り除いていたようです)、画面へと塗っていくのですが、どれだけ水を絞ればいいのか、絵の具と水の分量はどのくらいが丁度いいのか、その感触をつかむのが難しかったようです。

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↑ 横に作品図版を置いて、ドライブラッシュに挑戦中


ドライブラッシュの指導は、「ワーキンググループ」の先生方でおこない、筆につける絵の具の量や、筆の走らせ方など、実演しつつアドバイスをされていました。

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制作後に、再度展示室で、作品を鑑賞したのですが、その後の感想には、「暗いところと明るいところを分けて描いたほうがもっとよかったと思いました」とか「ワイエスの作品は、葉っぱ1本1本ていねいに描いてありました。ぼくも、もっと細かいところに気をつけて描きたいです」といったことが書かれており、ドライブラッシュを体験したことによって、新たな視点で作品をみることができたのではないかと思います。



「かさかさな絵を描こう!」の制作物が、ワイエス展開催期間中ラウンジ(所蔵作品展入り口前)にて展示してあります。会場にお越しの際は、ぜひご覧くださいっ。

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↑ 作品は、パネルの裏表に展示してあります。

(RK)

 

 ご報告が遅れましたが、先月24日(土)と25日(日)にワイエス展の関連プログラムとして、ワークショップを実施しました。
 今回のワークショップは、プログラムの内容準備から、当日の進行までを、「鑑賞学習ワーキンググループ」に参加している小・中・高の先生方の中から、有志で集まっていただいた先生方と共に進めていきました。

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↑ ミーティング中の様子


 2日間で3つのワークショップを開催したので、その時の様子をご紹介します。今日は、その1「ワイエス・ワーイ!!」

「ワイエス・ワーイ!!」
 24日(土)10:00~12:00 対象:小学校1年生から3年生  参加人数:18名 
ワイエス・ワーイは、作品を鑑賞して、物語を作るといった内容のプログラムでした。
同じモチーフで描かれているスケッチや水彩画、テンペラを順番に見ていきながら、物語を作っていきます。対象作品は、《農場にて》《ジャック・ライト》《747》《松ぼっくり男爵》の4点。
先生手作りのワークシートには、制作順に並べられた4枚の絵が印刷されています。それらの作品を1つ1つ探して、作品の前に立ち、何が描かれているのか、描かれているものや人物は何をしているのだろうと、想像力を働かせながら物語を作っていきました。

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↑ 《747》の前にて ワークシートに物語を記入!

たとえば、《松ぼっくり男爵》を鑑賞したグループは、初めはバケツだと思っていた入れ物が、ヘルメットであると気がついたり、《ジャック・ライト》では、制作の早い水彩には動物の頭部しか描かれていなかったことから、その動物をオオカミと判断していたようですが、その後描かれたテンペラ画には、全体像が描かれていたことからシカだとわかったりと、段階を追って作品を見ていくことによって、様々な発見をしていたようです。

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↑ 右側の作品に描かれている動物がオオカミに見えたみたいですね

 

出来上がった物語を1つご紹介します。

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1.あきで、くらい朝のはじまり 2.しずかな森で 3.メスのシカがうれしそうににらんで 4.りんごをたべようとした
 

ワイエス作品で、物語を作った後に、所蔵作品展へと進み、「動物ビンゴ」で作品を鑑賞しました。このビンゴは、ワークシートにある動物を展示室の中から探すといったシンプルな内容のものですが、参加者は一生懸命に作品を見ながら、動物を探していました。

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↑ 作品中央に描かれている河童を発見!! 

子どもたちが、作品を鑑賞する目は、小学校低学年であっても真剣そのもので、じーっと見つめては、はっと気がつき、発見したことや感じたことを伝えてくれました。

 

その2も近日中にご紹介しますので、楽しみにしていて下さい。

(RK)

  アンドリュー・ワイエスが亡くなって、ワイエスにゆかりのある、ペンシルヴェニア州チャッズ・フォードのブランディワイン・リヴァー美術館でお別れの会(彼の人生と作品をしのぶ会)が1月31日に開かれました。この日とその翌日の2日間、あの有名な《クリスティーナの世界》がニューヨーク近代美術館から出張展示されました。この作品は、ニューヨーク近代美術館が建て替えのために休館していたときに、作品が描かれたメイン州に里帰りしたことはあったようですが、それ以外で開館している時期に他の美術館に貸し出されることはないようです。つまりニューヨーク近代美術館は、例外的に作品を貸し出すことで、ワイエスの死に対する弔意を表したのでしょう。

 今回の展覧会では、《クリスティーナの世界》の習作が展示されています。作品ができるまでの過程をたどるのも楽しいものです!
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   このように、現存作家でも(展覧会準備の段階ではワイエスは現存作家でした)、展覧会で作品を借りるのが難しいことがあります。今回のワイエス展の開催にあたり、ワイエスから二つの条件が出されました。そのひとつは良い展覧会を開催してほしいということ。至極当然のことですね。もうひとつは2006年に開催されたフィラデルフィア美術館をはじめとする大回顧展に出た作品は借りないでほしいということでした。同じ所蔵者に続けて出品依頼を避けるためです。今回の展覧会の準備を始めたのがその回顧展の開催中だったので、そういう条件が示されたわけです。この二つの(矛盾するような!!)条件は展覧会準備をきわめて困難にし、大回顧展に出品された代表作を候補からはずしながらも、できるだけ良い作品を探し出し、何度も出品交渉を行いました。その結果、ワシントン・ナショナルギャラリーの《雪まじりの風》やフィラデルフィア美術館の《粉挽き小屋》のように、2006年の展覧会には出なかった代表作を借りることができました。《粉挽き小屋》はフィラデルフィア美術館でもまだ一般に公開していない、2007年にコレクションに入ったばかりの作品です。

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↑フィラデルフィア美術館の《粉引き小屋》は右端、この作品の習作と共に展示されています。


  ワイエスが亡くなって、今後しばらくは展覧会が開かれることはないでしょう。少なくとも日本においては、所蔵作品を展示する展覧会はできても、アメリカから多数の作品を借りて行う展覧会はさらに困難が増したといえます。
だからこそ!!今の貴重な展覧会をお見逃しなく!

(ST)
 

  愛知県美術館も他の多くの美術館・博物館と同じく基本的に月曜日が休館日です。美術館が休みだから学芸員もみんな休んでいるだろうと思いこんでいる人が案外多いのでは? 私自身、「月曜日は休館日だから休みだと思って連絡しなかったヨ」などと言われた経験が結構あります。愛知県美術館の場合、館長以下14人の学芸員がいますが、基本的に土日が休みです。だから、月曜日は休館日でも何人かの学芸員は出勤しています。ただし、―ここからが重要!―土日も美術館は開いているので、学芸員が誰もいないというわけにはいきません。そこで土日でも4人の学芸員が出勤するローテーションを組んでいます(ちなみに土日に出勤した人は、その前後の金曜日と月曜日が休みになります)。学芸員個人からすると、ひと月に一回くらいの割合で土日勤務が巡ってきます。
 では、月曜日の休館日に学芸員はいったい何をしているか? 休館日には休館日にしかできない仕事があるのです。たとえば球の切れた展示室の照明を取り替えたり、業者がおこなう各種の点検に立ち会ったりとか(展示室や収蔵庫に業者が入る場合は、学芸員が必ず立ち会います)。展示作品を入れ替える作業をすることもあります。先週の休館日には、出勤している学芸員が数人がかりで、一日かけてワイエス展に展示されている一部作品の場所を入れ替える作業をしました。展示室で、ワイエス担当のM学芸員から、こことここを入れ替えるという計画を聞かされたときには、総合的に判断して今日はやめておいた方がいいかなとも思いましたが、思い切ってやってしまいました。

(HF)

展示替え前
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展示替え後(深緑色のバックパネルは長くて重いので移動がとてもたいへんでした)
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  来年度最初の企画展「アヴァンギャルド・チャイナ―〈中国当代美術〉二十年―」に向けて、ポスターやチラシなどの印刷物の準備が進んでいます。この展覧会では、デザインを京都の豊永政史さんにお願いしました。豊永さんはこの展覧会のカタログのデザインもしていますし、第二会場である国立国際美術館のポスターやチラシも手がけています。

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チラシ:左から国立新美術館、国立国際美術館(デザイン=豊永政史)、愛知県美術館/校正刷り(同)

  第一会場の国立新美術館のポスターやチラシを初めて見たときの印象は、「あれ?! ずいぶんと地味だなあ」というものでした。展覧会の最初の会場はいろんな点でいちばん大変なのですが、とりわけこの展覧会は無事開催できただけでも奇跡的! だからポスターやチラシが地味というのは次元の違う話になります。第二会場の国立国際美術館では豊永さんにデザインをお願いすると聞いていたので、どんなデザインになるのか期待していたのですが、同じデザインを愛知で使うにはちょっとシブすぎました。すっきりとしたデザインでとても綺麗なのですが・・・。愛知会場では、もっと派手で、もっと人目を引くようなデザインが必要と考えていたので、こんな感じのものをという意向をデザイナーに伝え、こちらの要望を取り入れてもらうかたちでデザインをお願いしました。おかげさまで希望通りのハデハデで人目に付きやすいポスターやチラシができそうです。

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B0サイズのポスター/校正刷り(デザイン=豊永政史)

今回はB0サイズのポスターもつくります。駅などで普通に見かけるポスターがB1サイズで、それを横に二つ並べた分の大きさです。愛知県美術館でこれまでB0サイズのポスターを作ったのは、2005年の「自然をめぐる千年の旅」展と2007年の「若冲と江戸絵画」展の二回だけです。大きく派手なポスターは、きっとみなさんの目にもとまることでしょう。

(HF)

 百貨店やお菓子屋さんでは、今年もヴァレンタイン商戦真っ只中!最近はチョコレートの種類も豊富になり、何を買ったらいいか迷ってしまいますよね。家族に、恋人に、そして日ごろお世話になっている方に・・・素敵なヴァレンタインデーになるといいですね。
 さて、美術館でも「ヴァレンタイン企画」として、現在開催中の企画展の作家アンドリュー・ワイエスを愛してくださる皆様に素敵なプレゼントをご用意!

 まずは展覧会へ足をお運びください。(この企画は2月15日までです。まだワイエス展をご覧になっていない方、急いで!!)
 じっくりワイエスの作品を堪能した後、会場内に設置してあるハートのカードに、好きな作品とワイエスへのメッセージをご記入ください。↓
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 ご存知のとおり、ワイエスは1月16日に他界されました。スタッフ一同、悲しい気持ちで一杯ですが、作品を鑑賞した後の感動を天国のワイエスに伝えられるように・・・ということで、この企画を続行することになりました。
 

 カードはシールになっているので、記入したメッセージをパネルに貼ってください。ハートマーク一杯のパネルができあがりつつあります。
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これらのメッセージのうちのいくつかを選んで、ワイエスのご家族へ届ける予定です。

 そしてお楽しみのプレゼント!グッズやポスター、ウルフギャング・パック(芸術文化センター10Fレストラン)のランチコース券が抽選で当ります。ハートのカードの裏側が応募用紙になっているので、必要事項をご記入の上、箱の中に入れてください。2月16日以降、プレゼントの発送により当選者の発表に替えさせていただきます。

それではHappy Valentine!

(MRM)

 

 

 1995年、阪神淡路大震災が起こった直後の2月に、愛知県美術館ではアンドリュー・ワイエス展を開催した。震災の影響は少なからずあって、アメリカから借りる約束だった作品が届かなかったり、関西で借りる予定の作品を借りに行けなかったりと随分と苦労した。1月17日が来るたびにそのときのことを震災と共に思い出すのだが、今年の1月17日は私にとっては大変な激震の日となった。アンドリュー・ワイエスが前日の夕方に亡くなったのだ。しばらく前から体調が崩していると聞いてはいたが、17日の未明にワイエスのコレクション・マネージャーからのメールでその訃報を知らされた私は、朝になるとあちこちからの電話やメールでのやり取り、美術館に出勤しての対応など、慌ただしい一日を送った。

 展覧会の準備で会った1993年の秋以来15年の間に数年に一度の割合で本人と会ってきたが、温和で飾らぬ人柄は変わることはなかった。一般にアンドリュー・ワイエスは人嫌いで、会うことも難しく、とっつきにくい人物との風評があるが、それは周りの人のガードが固いからである。実際に会ってみると、気さくでいやな印象はまったくない。始めて会った時も「何でも聞きたいことを聞いてくれ」と、こちらの緊張を和らげてくれたの思い出す。夏を過ごすアメリカ北東部のメイン州にあるワイエス家所有の島に彼を訪ねたときは、ちょうど腰の手術をしてそれほど経っていなかったこともあって、彼の手を引いて家庭菜園のある家の近くを散歩した。彼の手は暖かだった。3年前にはそれまでの交流の結果、予期しなかったことに愛知県美術館に作品を一点寄贈いただくという幸運も得た。

 1917年に有名な挿絵画家の息子として生まれたワイエスは、病弱なこともあって学校教育は受けず10代に入るとアカデミックな絵の手ほどきを父親から受けた。しかし、幼い時から見よう見まねで描き始め早くからその才能を見せていたという。父からのある種の英才教育もあって、二十歳を迎える頃にはテクニックの優れた将来有望な水彩画家として知られるようになっていた。しかし、彼を真に厳しく真剣で、時に思索的なワイエスとして成長させたのは、少年時代からひとり近隣を歩き回る中で自分自身を見つめてきたことや、踏切事故での父親の突然の死、自分自身の生死をさまようような片肺を切除した大手術の経験であった。彼自身の言葉に「私はこの世のはかなさというものに人一倍敏感である。すべては移り変わる。父の死がそう教えてくれた」とあるように、日本の『方丈記』の無常観にも通じるような観念を会得していた。そのような感覚が我々日本人にも好かれる理由かもしれない。

 しかし、彼自身は日本的なものに興味を持っていたわけではない。アメリカで国民的画家と評されるのは、17世紀にニューイングランド地方に植民してきた清教徒たちが持っていた質素で堅実な生活を尊ぶ感覚に響く作品を描いてきたからだろう。にわかには信じがたいが、それは消費社会や繁栄を謳歌するようになってもアメリカ人の多くが建国以来底流として持ち続けているものである。彼の描いてきた対象は、生まれ故郷のペンシルヴェニア、チャッズ・フォードという自然豊かな田舎町と、夏の家のあるメイン州クッシング近辺のみであった。それは彼にとって見慣れた風景であり、見知った人々であったが、そこに見ていたものは、自分を育ててくれた真理を内包した景色であり、敬意に値する人生の重みや存在感を感じさせる人々だった。彼を有名にした作品《クリスティーナの世界》のモデルとなったメイン州の人物と家を30年間にわたって描き続けたり、生家近くの農場に至っては10代から描き始め、主人が亡くなった以後も含め70年間にわたって描き続けたりしている。あるいはセンセーショナルな報道をされたヘルガという女性モデルも、15年間にわたって描き続けた。風光明媚な景色を求めて旅するようなタイプの画家とは異なり、深く知った対象でないと描けなかったといってもいいだろう。だからこそ我々に残された作品からは、一瞬の光景を切り取った画面ではなく、ある時間の幅が凝縮されたような深みを感じることができる。

 ワイエスの評価については、アメリカでも議論の分かれるところであった。モダニズムを信奉する評論家の中には彼を単に「うまいイラストレーター」だと切って捨てる者もいたのは事実で、元メトロポリタン美術館長のトマス・ホーヴィングも述べているように、ワイエスは誤解されやすい部分があり複雑な画家である。それは、挿絵画家であった父親の影響なのか、時に物語臭さの強い絵作りをした作品を残していることと、なにより写真や図版のような印刷物になったときに、実作品が持っている質感や強さが失われやすいことにある。実作品をつぶさに目にする機会があれば印象はかなり違ったものになるだろう。印刷物になったときには、「写真のようにただ再現描写するだけの画家」と解釈されかねない危うさもあり、以前写真を基にしたスーパーリアリズムが流行したときには、その一派に括られたこともあったのである。

 1974年以来、これまで日本でも何度も展覧会が開かれてきており、日本人の好きな画家の一人といってもいいだろう。ワイエス自身が内容に関与した展覧会は、折しも現在愛知県美術館を巡回中のものが最後となってしまった。何かの因縁を感じずにはいられないが、この展覧会はこれまでと違い、彼が手の内を見せるかのように、これまで公開せずに保管してきた素描や水彩を完成作とともに展示することを了解したものである。そこに見られるのは、畏まってスーツに身を包み、周りの人にガードされたワイエスでなく、気さくに打ち解けた自分を見せてくれるワイエスである。彼は91歳になって自分をさらけ出すことの抵抗感を乗り越えられたのかもしれない。作品からは彼の息遣いや視線を生々しく思い起こさせてくれ、訃報のニュースとともに記憶に残るだろう。
(ST)

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 ↑ワイエス展のメインヴィジュアル《三日月》の作品を解説している様子

 好評開催中のアンドリュー・ワイエス創造への道程(みち)展ですが、1月10日土曜日に記念講演会を開催しました。ところが大変なアクシデントがありました。その舞台裏をちょっとご紹介しましょう。
 2日前になって講師のヴィクトリア・ワイエスさん(アンドリュー・ワイエスの孫娘)から、「体調不良で日本へ行くことができない」というメールが入りました。おー!担当者は真っ青!すぐに善後策を館内で協議しました。
 まず、講演会そのものを開催するか否か、するとしたらどのように行うか?その場合は聴講者にどう知らせるか?などいろいろと問題点などを検討しました。結論は、直前に送られてきていた講演会の原稿を元に担当学芸員が代読する方式で、とにかく予定講師でなくても講演会を開くことにしたのです。その場合にもまだ問題がありました。200人近くの講演会聴講希望者に対して、状況報告をしなくてはなりません。当日出勤していた職員で手分けして、一斉に電話に飛びついたのでした。
  さらに講演会では原稿を代読するだけでは、内容が通じません。それは、作品写真を見せながら話すことを前提とした原稿だからです。ヴィクトリアさんはコンピュータを持ってきてパワーポイントで、見せる予定だったのです。エクスプレスでCDを送ると言われたのですが、当然間に合いそうにもありません。そこで、そのデータをメールで送ってもらうことにしました。が、またもや問題発生!職場で使っているコンピュータのメールサーバは大きすぎるファイルは受け取れない!ヴィクトリアさんにファイルを細かく分割してもらい、職場ではなく、担当者の個人メールアドレスにも送ってもらうことで解決を図りました。ただ、受け取ったものをもう一度組み立てるのにさらに手間がかかりました。これらのやり取りは、緊急のこともあり、アメリカの昼つまり、こちらの深夜から未明にかけておこないました。
 一番大変だったのは、原稿の翻訳でした。前日に学芸員5人に手分けをして、翻訳を始めました。その時点では画像が届いていなくて、説明をするのにも画像がないとよくわからないものもあり、手探りのようにして訳した部分もありました。

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↑ピンチヒッターとして急遽演壇に立ちました!

 そして当日、なんと講演会開始15分前まで、眠い目をこすりながら、手分けした翻訳を、とりまとめて訂正したり、確認したりして本番を迎えました。本当に冷や汗ものでしたが、なんとか間に合わせることができ、多くの方に聞いていただくことができました。
 講演会の内容は、担当者も見たことない作品も紹介できて、身近にいる人ならではの内容でした。美しいヴィクトリアさんには比べるべくもありませんが、なんとか合格点をいただけたのではないでしょうか。


 (ST)

 愛知県美術館と同フロア(愛知芸術文化センター10階)にあるレストラン「ウルフギャング・パック」さんのご協力で、アンドリュー・ワイエスにちなんだアメリカのカントリー風のスペシャル・ランチが実現しましたー。

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 ランチはサラダ、スープ、メインのミートローフ、デザートにブルーベリー・パイ、フリードリンクが付いて2,000円と、大変お得です。さらに、ワイエス展の入場券を提示すると、なんと500円割引の1,500円で食べられるんです。これはすごい!

 アメリカの家庭料理として大変ポピュラーなミートローフは、レストランのシェフ、ウルフギャング・パック氏のお祖母さん直伝のレシピとのこと。また、デザートにふんだんに使われているブルーベリーは、ワイエスが夏を過ごすメイン州の特産品。この州だけで北米の約25%ものブルーベリーを生産しています。色んなかたちでアメリカを味わえる素晴らしいメニューですね。

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 このスペシャル・ランチ以外のメニューも、ワイエス展入場券の提示で10%割引になりますので、この機会に是非ご利用くださいませ。また、少し気が早いですがバレンタイン期間には特別企画として、新メニューのホット・チョコレートも登場する予定。まだまだ寒い季節が続きますが、展覧会を見終わったらレストランでほっと一息、身体を温めていってください。
(KS)

 あけましておめでとうございます。
 昨年からスタートしたブログですが、今年も美術館の面白い話題をご提供できるよう、スタッフ一同楽しみながら取り組みますので、どうぞご愛読くださいますようお願いいたします。

 さて、このブログで何度か準備の様子をご紹介した「アンドリュー・ワイエス?創造への道程」展が、今日オープンしました。一般公開に先立ち行われた開会式には、展覧会にご協力いただいた来賓の方をはじめ、関係者の方々をお迎えしました。また今日はお正月休みの最終日とあって、10時の一般公開と同時に多くのお客様が来場され、とてもにぎやかなオープニングとなりました。

 この展覧会の準備に携わった一担当者としては、ようやく、そして無事オープンでき、感慨もひとしお…

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↑開会式テープカットの様子

 展覧会の見どころは、ワイエスがひとつの作品を完成させるまでの経緯が、素描や水彩の習作とともにたどれることです。最初の関心事から最終的には別のものへ興味が移ったり、さまざまな技法を用いて感情赴くままに描いたり…ワイエスの制作の秘密が垣間見えます。

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↑展示会場の様子


 また会場では、ワイエスの孫娘ヴィクトリア氏によるインタヴュー映像も見ることができます。thmnl_アンドリュー・ワイエス開会式 082.jpg

↑モニターに映るワイエスの姿をぜひ会場でご確認ください!

素顔のワイエスを知る機会はこれまでなかなかありませんでしたが、91歳になってもいまだ制作意欲満々!!のワイエスの真摯な姿や言葉に、お正月ののんびりモードも吹き飛んで、なんだか背筋がシャンと伸びるような気持ちです。

 皆さんも、ワイエスとともに2009年の新たなスタートを!そしてこの1年が素晴らしいものになりますように…

(MRM)

展示替え

2008年12月25日

 23日(火)の天皇誕生日に『ライオネル・ファイニンガー展』が終了しました。みなさま楽しんでいただけたでしょうか。
展覧会が終わると、休む間もなく次に始まる展覧会への準備が始まります。その展示替えでの1コマをご紹介しますっ。
まずは、展示していた作品を壁から下ろして輸送できるように箱へしまっていくのですが、そのまますぐ箱には入れずに、作品の状態を点検します。作品には、状態を記録するチェックシートがあり、展示期間中作品に何か問題はなかったどうかを1つ1つ点検していきます。

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▲写真左の紙がチェックシート

▲点検中の学芸員。真剣な表情ですね。。。

 次に点検が終わったものから、梱包されていきクレートと呼ばれる作品輸送用の箱へ収納していきます。クレート内部は、スポンジが敷き詰められ、移動中の衝撃を作品が受けないように工夫がされています。さらに、クレートの箱はボルトでがっちり固定されているので何かの拍子に開くこともありません。大きいものとなると、ちょっとした部屋にもできそうなサイズのものもあります。

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▲真ん中の白いものが作品です。まわりをスポンジで固定しています。

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▲大・小様々なクレートたち 

 ファイニンガー展は、巡回展なのでこれらの作品は、次会場の宮城県美術館へ向かいます。

昨日、美術館を出発したのでもう着いているかもしれませんね。

◎さて、ここで間違い探しに挑戦してみましょう!

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写真A

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写真B

 

 たくさんあったかと思いますが、、、注目してほしいのは展示室の壁です。 
展示室の壁は、可動壁になっているので、展覧会ごとに壁の移動をして会場の雰囲気をがらりと変えることができます。移動をするのは、そんなに力を必要としないので2人ぐらいでできちゃいます。
現在は、写真Bのようになっていて、次回展覧会アンドリュー・ワイエス展仕様になっています。壁の移動が終わったら、会場のディスプレイをし、作品を搬入し、展示へと進んでいきます。その様子については、またいつかご紹介したいと思います。
どのような展示に仕上がるのか楽しみにしていてくださいっ

 さーって、まだまだ作業が残っているので、展示作業へ行ってまーす。
(RK)
 

 12月9日から始まったファイニンガー展関連イベント「クリスマスツリーのオーナメントを作ろう」(ブログ12月9日記事参照)、大好評です!

 

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▲ツリーは今こんなふうになってます!

 

 最初は丸裸だったツリーも少しずつオーナメントが増えていき、今ではこんなにきらびやかになりました! 毎日いろいろな方々が参加してくださっています。親子、友達同士、恋人同士でわきあいあいと、あるいはお独りで黙々と。私たち美術館スタッフも、ツリーがどんどん賑やかになっていくのを毎日楽しく眺めています。

 

 それでは突然ですが、今日までにみなさんに作っていただいたオーナメントの中からTO学芸員が独断と偏見で選んだBEST5を発表させていただきます(順不同)。

 

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▲記念すべきオーナメント第1号です! 作ってくださった方、一番のご参加ありがとうございました。

 

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▲なんてカワイイしろくまさん! 赤いマフラーを巻いて、マツボックリの上に腰掛けてます。

 

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▲何かのキャラでしょうか? その道に詳しいKS学芸員に聞きましたが特定できず。

オリジナルかな? 赤・青・黄の髪の三つ編みがきれいです。

 

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▲すごくおいしそう! 真ん中には雪ダルマがちょこんと載っています。メリークリスマス!

 

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▲真っ赤なバラの花束を右手に持った男の子が大粒の涙を流しています。

何があったのでしょう!? クリスマスまでめげずにがんばれ!


 このファイニンガーのツリー・イベントは中日新聞のウェブサイト(http://event.chunichi.co.jp/feininger_xmas.html)でも紹介されていますので、そちらもぜひご覧ください!
 

(TO)
 

ワイエスの寄贈作品

2008年12月10日

 今回の「アンドリュー・ワイエス 創造への道程(みち)」展に出品されている愛知県美術館所蔵作品は、2006年にアンドリュー・ワイエス夫妻から直接愛知県美術館に寄贈を受けた作品です。

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↑左側が愛知県美術館所蔵の《氷塊I》(1968年) 「アンドリュー・ワイエス―創造への道程」(Bunkamura ザ・ミュージアムの展示風景)

 ワイエス夫妻からの寄贈作品を所蔵している美術館は数多くあるわけではありません。愛知県美術館が寄贈の話をいただいた時、ワイエス・プライヴェート・コレクションの学芸員であり、マネージャーのメアリー・ランダ氏は、「これまでワイエス夫妻が美術館に寄贈したことはなかった!」と述べていました。愛知県美術館へ寄贈を頂いたと同時期にフィラデルフィア美術館にも複数の素描類が寄贈されましたが、それは同年に大規模な回顧展を開いたからだと推測できます。
 では、愛知県美術館へはどうして寄贈されたのでしょうか?愛知県美術館では1995年に大規模なワイエス展を開きました。その頃はバブル景気のなごりで、数多くのワイエスの作品が日本にありました。今から思うと信じられないくらいの質をもった、つまり代表作として数えられるような作品が、それも数多くあったのです。その展覧会後、愛知県美術館はいくつかの所蔵先から寄託を受けました。その数およそ40点。その中には1976年、メトロポリタン美術館で開催された「アンドリュー・ワイエスふたつの世界」展の中心を成したコレクションも含まれていました。また、そうした寄託品を預かるとともに個人所蔵家の作品をアメリカで開催されたワイエスの展覧会に借用する交渉の手伝いをしたりして、ワイエス家との良好な関係を保って来ました。
 そして寄贈を受けた2006年にもアメリカで開かれた「アンドリュー・ワイエス メモリー・アンド・マジック」展への日本からの借用にも力を貸したのでした。今から思えばそうした長年にわたる作品保護や協力関係に対するお礼だったのではないかと考えられます。
 作家やその遺族、あるいは所蔵家との関係は展覧会の時の一度きりの関係ではありません。美術館活動は派手な企画展に目が行きやすいのですが、表舞台には出にくい地道な活動がやがて花開くことのあることをこの作品の寄贈が示しています。
 ただ、あれほどたくさんあったワイエスの寄託品はそのほとんどが現在はアメリカへ売られて戻って行ってしまいました。うーん残念!

(ST)
 

    ライオネル・ファイニンガー展の関連イベント、「クリスマスツリーのオーナメントを作ろう」が今日から始まりました!

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▲当館のロビーに飾られたクリスマスツリー

    このブログですでにご紹介したように、ファイニンガーは絵を描く以外に、小さなおもちゃもたくさん作っていました。その中には、クリスマスツリーのオーナメントとして作られたものもあります。それにちなんでのイベントです。

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▲ファイニンガーっぽい汽車

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▲ファイニンガーの絵に登場するキャラクターもいっぱい!

    現在、ファイニンガー展に来てくださったお客様のうちご希望の方に、いろんな色の粘土でクリスマスツリー用の小さなオーナメントを作ってもらい、当館のロビーに設置したツリーに飾り付けてもらっています。参加は1日限定10名様(土日祝は20名様)。このイベントは展覧会最終日の12月23日(火・祝)まで、休館日を除いて毎日実施されます。その間オーナメントは増え続け、ツリーはどんどんにぎやかになっていきます。最終日には、ツリーはどんな姿になっているでしょうか。どうぞお楽しみに!

(TO)

さてさて、中国現代アートの決定版「アヴァンギャルド・チャイナ」展ですが、東京での展覧会も無事に終わり、次は大阪の国立国際美術館での開催となります。大阪が終わると、来年の4月からいよいよ愛知県美術館での開催です。
 ところで、どうして愛知県美術館の学芸員が他の美術館での開催にこんなにも興味津々なのかお分かりですか。それは、いくつかの美術館などが協力しあって一つの展覧会を作っているからです。もちろん、一館だけで展覧会を企画することもありますが、複数の美術館が集まって協力すると、そのぶんアイデアや人材、経験、お金も集まります。一緒に展覧会を作り上げた美術館同士、お互いの状況は気になるものです。

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↑ 現段階での会場展示プラン。どこか入口になるのでしょうか・・・!?


 さてさて、そんな「アヴァンギャルド・チャイナ」展なのですが、愛知県美術館では、今、展示プランの計画に本格的に取り掛かったところです。楊福東(ヤン・フートン)、曹斐(ツァオ・フェイ)などの映像作品の場合、機材の設置や配線も含めて会場プランを作らなければなりません。また、車椅子のお爺さん達(孫原・彭禹の《老人ホーム》)を、どのように安全な場所で動かすかも重要な問題です。狭い場所だと、鑑賞者や柱にぶつかってしまいそうになるからです。
 ともあれ、この展覧会は作品数が多いうえ、絵画や彫刻という枠に収まりきらないいろいろなものがあるので、ずいぶんとはみ出し気味(!?)の展示になりそうな予感がします。
 
(F.N)

 東京のBunkamura ザ・ミュージアムで、ついに「アンドリュー・ワイエス―創造への道程(みち)」が始まりました。愛知県美術館では来年1月4日から開催です。中部地方以西のワイエス・ファンの方は首を長〜くしてお待ちいただいているんじゃないでしょうか。
 ひとつの展覧会がオープンするまでには、様々な作業が行われています。今回はその一端をご紹介します。
 国内、海外を問わず、輸送されてきた作品はまず専門の方による厳しいチェックを受けます。万が一にも傷が付いたり汚れたりしてはいけませんからね。それが済んでから、展示に向けた作業に入っていきます。今回のワイエス展でご紹介する作品のなかには、これまでに展示されたことのない初公開のものも多数含まれています。そのような作品は、紙一枚の状態で(もちろん厳重に梱包されて、ですが)届きます。
 紙の作品は痛まないようにマット(台紙)に装着してから額装されます。専門の方の手で作品を一点一点慎重にマットに装着していきます。使われている糊や装着用の紙は、作品に極力影響を与えない特殊なものを使っています。

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 もちろん作品の大きさは一点一点違います。それぞれの作品に合わせたマットと額を作らなければなりません。作品の端まで見られるように、マットに開ける穴はできるだけ大きくしたいのですが、大きすぎると作品が装着できません。バランスが重要です。

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 作品がこれまで未公開だった場合、作品写真が撮影されていないことがあります。そこで今回のカタログや広報物に掲載するために作品の撮影を行います。できるだけ生で見たときと同じ感動を伝えられるように…カメラマンさんの腕がなります。

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 さて、額装が終わったら展示作業です…が、その前にもう一度、作品を移動する度ごとに必ず入念にチェックをします。後ろにはチェックが終わった作品が展示されるのを待っています。

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 このような過程を経て、晴れて皆さんの前にお披露目、ということになります。

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 Bunkamura ザ・ミュージアムでの展示の様子です。

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 カタログと前売りペアチケット。ワイエスの画集やカタログは、日本語で読めるものが殆ど絶版状態で非常に少ないので、今回の展覧会カタログは貴重な一冊になると思います。お買い逃しのないように!
 ペアチケットは二枚組で1,900円と通常よりもかなりお得です。前売り期間中(2009年1月3日まで)のみの販売になりますので、ご家族ご友人と一緒にワイエス展を、という方は是非お買い求めください。美術館10階チケット売場やプレイガイド、大学生協などで販売しております。
(KS)

11月2日、テーマ展出品作家松藤孝一さんのレクチャーが行われました。松藤さんのこれまでの歩み、ガラスの赤ちゃんの制作過程などをお話していただきました。
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↑レクチャー後質問を受ける松藤さん

簡単ですが、レクチャーの内容を一部ご紹介!
今回展示しているガラスの赤ちゃんの原形が誕生したのは、アメリカ留学中のこと。その当時社会問題となった「クローン」から生れました。アメリカでは、コンセプトやテーマ性のある制作が重要視されたそうです。
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↑《Copy-babies》1999年

日本に帰国後、日本美術に触れたことを通して、ガラスの赤ちゃんは進化を遂げていきます。特に康勝作《空也上人像》を知ったときの衝撃は、とても大きかったそうです。赤ちゃんの口から蝶が飛び出した作品は、この康勝の作品から着想されました。

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↑あまりに斬新な造形!!康勝作《空也上人像》13世紀初期 京都・六波羅蜜寺 
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《宙遊赤子座像》

制作過程も興味深いです。最初は蝋で赤ちゃんの形を作ります。
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↑黒い蝋で作るので、ガラスとはずいぶん印象が異なります。
蝋から石膏で型をとり、そこへガラスを流し込みます。それからガラスを何日もかけてゆっくりと冷やし、ようやくガラスの像ができます。さらにガラスの表面を磨き、ふっくら、つるっと滑らかな赤ちゃんの肌が仕上がります。

また赤ちゃんは目にも注目!です。目は表情を左右する一番重要な箇所で、目の形や大きさ、色など、今回松藤さんが特に試行錯誤を重ねたところです。

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↑《宙遊赤子座像》部分

現代美術の面白いところは、アーティストの作品を、制作された同じ時間・時代の中で享受できるところ。レクチャーでは、長い時間を積み重ね、また出会いや経験、偶然の出来事を通して様々な試行錯誤や模索を繰り返してきた松藤さんの制作が良く分かりました。そしてたどり着いた今回の展示。過去のどの作品とも違うものになっていて、ガラスの赤ちゃんが醸し出すなんとも不思議な空間が体感できます。松藤さんの「今」をぜひ目撃してください!!

(MRM)

松藤孝一さんのHP→http://www.koichimatsufuji.com/
 

漫画家ファイニンガー

2008年11月06日

 ライオネル・ファイニンガー展、好評開催中です! クリスタルの画家ファイニンガーにオモチャ作家としての側面があることは、10月20日にHF学芸員がこのブログでお話ししました。今日は、さらに別の興味深い側面についてご紹介しましょう。

 ファイニンガーはなんと漫画家でもありました。1906年の一時期、アメリカの『シカゴ・サンデー・トリビューン』という新聞に、毎週日曜日「キンダー・キッズ」という漫画を描いていたのです。これは、キンダー家の3兄弟と1匹の愛犬がバスタブに乗ってニューヨークの港から航海の冒険に出る物語です。今回の展覧会では、この「キンダー・キッズ」から21話、さらにファイニンガーが同じ年に同じ新聞に描いていたもう1つの漫画「ウィー・ウィリー・ウィンキーの世界」から4話、計25話のファイニンガー漫画を展示しています。

 それら25話の中で特に面白かったり重要な11話については、吹き出しの中だけ日本語に変えたものをパネルにして、オリジナル作品の横に添えてあります。これらの漫画、とっても楽しいですから、ぜひいらしてご覧になってください。

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▲オリジナル作品(右)と日本語訳パネル(左)

 

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▲「キンダー・キッズ」の1コマ(日本語訳パネル)

 

 ファイニンガー展は来月23日までです。会期終盤は混雑が予想されますので、ゆったりしたご観覧をお望みの方は、どうぞお早目のご来館を!
(TO)
 

 ライオネル・ファイニンガー回顧展いよいよ開催!

 先週末から始まったライオネル・ファイニンガーの回顧展。一般の方の目に触れることのない展示作業の一部をご紹介しましょう。

 今回の展覧会のオススメのひとつは、ファイニンガーが手作りしたオモチャです。6ヶ所から借用した建物や舟や人物のオモチャをまとめて一つの街を作っています。前会場の横須賀美術館から巡回してきた専用の展示台には、一つ一つのオモチャがどこに置かれていたかを示す付箋が貼られていました。

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▲付箋の貼られた展示台

 しかし愛知県美術館では前会場とは同じ展示をしませんでした。段差を付けて立体的に展示をしたらどうかというルックハルト博士(監修者)の提案により、灰色のウレタンフォームを3段重ねにして段差を作り(段差の制作は当館の某学芸員による)、作品の位置も自由に変更しました。愛知県美術館に出現したオモチャによる街は、この展覧会の会期中だけ存在し、終了後は消滅してしまいます。そんな街の写真を監修者が欲しがっていました。

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▲段差がついています

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▲不安定な作品をどう展示するか監修者と相談

 果たしてどのような街ができたのか、会場で確認してみてください。

(HF)
 

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↑展示作業中の松藤さん

今回テーマ展の作家に松藤さんが決まった昨年の1月から、ほぼ毎月打ち合わせを繰り返してきました。しかしこの約10ヶ月におよぶ打ち合わせや展示準備が、すべて順調だったわけではありません。作品の材料であるガラスに問題があって、作品が割れてしまうハプニングがありました。松藤さんも私も真っ青!になりましたが、松藤さんのガンバリで、展示には十分の作品が完成しました。

またこの展覧会に際しパンフレットを作成したのですが、これまたひと苦労…印刷までのスケジュールがかなりハードでした。

10月某日 夕方5時から展示作業スタート 深夜11時半までかかる
翌日  朝8時から照明のセッティング
        午後会場を撮影、写真現像
        夕方デザイナーさんに写真をわたし、パンフレットのデザイン
さらに2日後   印刷会社さんへいざ入稿!したところで、実際の写真と仮のレイアウトがぴったりはまらない!!というトラブル発生、印刷会社の担当の方が走り回って、何とか事態を収拾…

デザイナーさんは徹夜してパンフレットを仕上げてくれました。デザイナーさん、印刷会社の担当の方以外にも、いろんな希望に快く応じ、作品の面白さを引き出して写真に収めてくれたカメラマンさん、パンフレットのテキストを英訳してくれた翻訳家さん、展示台を制作してくれたディスプレイ会社の方など、今回の展覧会はさまざまな人の力が集結しました。
パンフレットの完成案を見たとき、デザイナーさんが「この展覧会の仕事に参加できて本当によかった。このプロジェクトに関わった人たちがこれだけがんばったのだから、その想いは展覧会を見る人にもきっと伝わるはず」と言ってくださいました。
数年間学芸員の仕事をしていて、こんな素敵な言葉をいただいたのは初めてで、とても感動しました。このプロジェクトに関わってくださった皆さんのプロ意識は、本当に素晴らしかったです。

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↑まもなく完成するパンフレット

公開間近の松藤孝一展。この展覧会を見てくださる皆様に、松藤さんをはじめ、展覧会を支えてくれた人たちの想いが届きますように。

テーマ展の詳細はこちらhttp://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/sp_index.html
(MRM)

 ただ今開催中の「タイムスケープ」展には、さりげなく名品の数々が展示されています。サム・フランシスシャガールから、奈良美智杉本博司などのコンテンポラリー・アーティストまで幅広く「時間」というテーマのもとでご紹介しています。
 とは言え、いくら素晴しい作品でも「どこがどう良いのかわからないんですが…」という人は必ずいるもの。
 そこで特別に「アートの切りふだ」という美術鑑賞キットを作ってみました。

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  「現代アートってなんでこんなに難しいの?」「自分でも簡単に作れてしまいそうな作品があるのはどうして?」といった疑問に、カード形式で分かりやすく答えています。しかもバック型で持ちやすい!
 全員に無料で配布しているので、ぜひ、手にとって楽しんでください。

(FN)

 夏の猛暑も和らいできた今日この頃、秋の訪れを感じるようになりました。秋といえば、芸術の秋!というわけで、日本各地の美術館では様々な展覧会がオープンしています。
 そんななか、京都国立近代美術館で始まった「生活と芸術―アーツ&クラフツ展」の開会式に出席してきました。この展覧会は、愛知県美術館で来年6月12日―8月16日に開催を予定しています。展覧会は同じ内容でも各会場によって趣向が異なるので、京都でご覧になられた方も、ぜひ当館にも足をお運びください。

 それでは、展覧会の様子をいち早くご報告!

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↑展示室入り口 展覧会のロゴがとてもユニーク

 アーツ&クラフツとは、デザインや工芸の分野でも芸術性を求めた運動で、19世紀のイギリスで始まりました。

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↑自宅で使いたいと思うような、かわいいデザインの食器

 展覧会の見どころは、家具や壁紙、ステンドグラス、食器などを配置して当時の室内空間を再現しているところです。

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↑展示風景

 展覧会といえば、グッズも楽しみのひとつ!
 今回はイギリスらしい小物など、かなり充実しているので、期待度満点です!
 またこの展覧会に関連して、「Life&Art」というキャンペーンをしています。そこでは日常生活でアートを楽しむコツを提案しています。芸術は難解だと思っている方、ぜひこのウェブサイト(http://www.asahi.com/la/)に遊びに来てください!ちょっとした工夫や気持の持ちかたしだいで、アートは身近なものになるはずです。
(MRM)

 

  「ライオネル・ファイニンガー展 光のクリスタル」(10月17日-12月23日)の前売券が発売中です! それぞれ当日料金から200円引きの、一般1,000円、高大生700円で、当館チケット売り場、ぴあ、コンビニなどでお買い求めいただけます。

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 現在開催中の横須賀美術館では、ファイニンガー展は盛況のよう。次会場の当館では、ファイニンガーの最高傑作の一つ《ゲルメローダXIII》もメトロポリタン美術館からやって来て展示に加わります。さらには、初期の油彩画の重要作品《緑色の橋》と、それに基づいて制作された同名の版画(当館所蔵)を、当館では隣り合わせて展示します。これが可能なのは、片方の版画を自ら所蔵している当館ならでは! また、皆様お馴染みの《夕暮れの海I》も当館に里帰り。ファイニンガー展、ぜひお見逃しなく!!

(TO)

 東京六本木の国立新美術館で好評開催中の展覧会「アヴァンギャルド・チャイナ―〈中国当代美術〉二十年―」が、大阪中之島にある国立国際美術館を巡回したあと、来年の4月から愛知県美術館で開催!

 

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▲国立新美術館

 ということで、先月国立新美術館での展示作業に立会ってきました。額に入った絵を展示する一般的な展覧会と違い、映像作品やインスタレーションの作品がいくつもあるので、愛知での展示までに解決しなくてはならない問題がいろいろあることがわかりました。ひとつは電気の問題です。愛知県美術館の展示室は、たくさんの映像機器を同時に使うようなことを想定して設計されていません(電気の容量が足りん!)。そこで国立新美術館のように配電盤から展示室に太いケーブルを引き込むような事前の工事が必要になってくるわけです。

 

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▲映像機器の配線中

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▲老人の横顔

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▲充電中の老人たち

これはスン・ユァン+ポン・ユゥの作品《老人ホーム》です。精密な老人の人形が、展示室内を動き回ります(作家のサイトで動画が見られます)。

おまけ:展覧会タイトルにある「当代」は中国語で、日本語では「現代」の意味です。

(HF)

 「タイムスケープ」展、ただの現代アートの展覧会ではありません。見どころを一言で表すと、大昔の作品と現代に作られた作品が、両方とも楽しめるところです。現代アートに素朴で懐かしい味わいを発見したり、逆に、日本の伝統様式が新鮮に見えたり...。普通の時間感覚をちょっとだけ揺るがす展覧会です。

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↑手前はキキ・スミスのオブジェ《セイレン》です。後ろには不動明王! 

しかし、まあ、そんなこと抜きにすれば、この子が個人的には一押しです。《木造獅子座》と言いまして、室町時代生まれなのですが、くりっとした目とむちっとしたお尻が何ともかわいい!家で飼いたいほどです。

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 展覧会、こんな感じでどうぞ気軽にご覧ください。

(FN)

 愛知県美術館はこの秋、「ライオネル・ファイニンガー展 光のクリスタル」を開催します(10月17日-12月23日)。横須賀美術館・愛知県美術館・宮城県美術館を巡回するこの展覧会は、ファイニンガーの日本初の回顧展として非常に注目を集めていています。
 それで先日、すでに展覧会の始まっている横須賀美術館に視察に行ってきました。平日だったにもかかわらず、お客さんの入りはかなりのものでした。
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 会場では、横須賀の担当学芸員に、新聞連載漫画や木製玩具など、目玉となるファイニンガー作品の展示方法についてとても参考になるアドバイスをいただきました。それらを活かして、横須賀に優る美しい展示を実現したいと思います。どうぞご期待ください!
(TO)